道長の漢詩に乗せた想いにとろける『光る君へ 第6話 二人の才女』

こんばんは、ジャスミンKYOKOです。

前回のまひろのために怒り狂った道長にキュンキュン来たのに、今回は、2人にしかわからぬラブレターもどきの漢詩と来た!!

キャー!!

ああーファーストサマーウイカの清少納言が初めて出てきたけど、そんなの目に入らないわよ!笑。

ここまで盛り上げておいて道長を人でなしにしたら、NHKただじゃおかないわよー笑。

さて、今回の記事のお供は醍醐寺(だいごじ)の桜です。

『光る君へ -第6話-』前回までのレビュー

五節の舞の最中に倒れたまひろ(吉高由里子)は、死んだように眠って時を過ごし、家族が心配する。

好きだった三郎(道長。柄本佑)の兄が、まさかの、母を殺した道兼(玉置玲央)だった・・・!

心配した道長はまひろと会おうと文を送る。

朝廷では、帝が物価を決めたりなどのやりたい放題に、大臣たちは困惑し安倍晴明(ユースケ・サンタマリア)に帝の子を呪詛(じゅそ。呪い殺す)しよと命じる。

まひろは謎の男の力を借りて、満月の夜に道長に会い、兄道兼の母殺しを告白し泣く。

道長は道兼を問いただし、殴りつける・・・・・。

詳しくは前回のレビューで→「第5話 告白」

『光る君へ -第6話-』ネタバレ感想

選んだ漢詩で読み解く、若き公達たちの政治への意向と秘めた欲

好きな人のため、家族に怒れる人ってカッコいいよねえ。(→前回からずっと言ってる笑)

今回、藤原道隆(井浦新)主催で漢詩の会が開かれる。

次世代の政治を担う若者たちが、右大臣家にとっては利益がない現帝(花山天皇)の方に意識が向くのを懸念し、彼らを懐柔するため妻貴子(板谷由夏)の提案で催したのだ。

「お気持ちが歌に表れるっていうでしょ?」

選んだ漢詩の表現で、若き公達(きんだち。高い身分の青少年)の意向を知ろうというもの。

貴子の作戦はいいとこついてると思う。

私は映画をよく観るので、選ぶ映画や映画の感想には、その人の価値観がかなり出るのを十分に分かってるからだ。

私がこういう好きな人のために怒る人に弱いのは、前からそういうアクション映画を観てきた上に、拍車をかけた前回の結婚(好きな人のために怒れない夫)なども絡んでいるので、そこに反応するのだ笑。

相談してきておきながら、失礼な態度を取る女も好かんので、そんな女が映画に出てきたりしたらそりゃあレビューは燃える燃える笑。

何を嬉しく思い、何に怒りが湧くのか、その人の思いがどうしても表れるからね。

選んだ漢詩でその人の考えを推し量ろうとするのは手っ取り早い。

道隆(井浦新)はニブそうだから笑、こういう頭のキレる貴子みたいな妻がいることで、世を渡っていけるよね。

少年マンガの法則にのっとったキャスティング?

公任(きんとう。町田啓太)が道長だったら、絶対女子に人気が出たろうに、あえて、脇役にするのは作戦なんだろうな。

これは少年マンガの法則だよね。

少年マンガでは主人公がイケメンだと読む男子が反発心で感情移入できないからか笑、あえてイケメンを外すよね。柄本佑にするって作戦と一緒(失礼な)。

大ヒット少年マンガの主人公男子は一律イケメンではない上にみんな「ニブい」笑。道長もこの法則に当てはまる。

『ドラゴンボール』の悟空も、『ワンピース』のルフィも、『キングダム』の信も、『NARUTO』のナルトもニブいよね(しかもみんな大食らい)。

ニブいからこそ、「影の男」が必要なのだ。

ニブいからこそ誰か補佐してくれる人が現れる。

ニブいからこそ世話焼き女子にモテる笑。(野球で言えば石井一久投手みたいな感じ。)

ニブい主人公の周りで動く男はみんなイケメンだよね、ゾロやサンジ、昌文君やサスケやイタチ。『光る君へ』で言えば、公任や謎の男がそう。

NHKの術中に見事にハマってしまっていると分かっていても、毎週観ずにはいられない笑。

ぶっきらぼうな優しさに令和の女子は飢えている

最近のドラマに欠けてる「お前はどうしたいんだ」「お前に頼んでねえよ」という、ちょっと上から目線男子のぶっきらぼうなセリフも新鮮でいいのかもしれない。

謎の男の素直じゃない態度も余計にキュンとくるし(→もうかなり好き)。

男女平等にビビりすぎな最近の世の中は、男子が女子を「お前」とは呼ばなくなって、こういう昔を舞台にしたドラマでしか表現できなくなり、キュンキュンできないからつまらんよね。

女子は、女を下に見てる男と、ぶっきらぼうだけど女に優しい男の見分けくらいつくから、忖度ドラマは不要。

女子の顔色を伺うような優しさに飽きてる今の世の女は、ちょっと粗野だけど自分にだけ優しい男に飢えているのだ。

きっとドラマがあってる間中、『光る君へ』にハマってる女子の間では、「ねえねえ、あなたは道長派?謎の男派?それとも公任派?」というしょうもない問いかけが繰り返されるのは必至だろう。

噂好きな女は平安時代では重宝されるやもしれぬ

私は噂好きの女は好きではないが、こと平安時代においては、噂好きの女が役に立つのかもしれない。私は好きではないがな。(ロバート秋山の実資風笑)

だって高い位の未婚女子は、御簾(みす)越しにしか殿方を見れないし、男子も恋をしたくても顔もわからないから、お側で仕えてる女房たちの噂をたよりにするしかない。

「見目麗しい」という噂を聞いて夜這いに行ったものの、まったく好みじゃない女だったら衝撃だもんね。でも部屋に入った以上、やるこたやって笑、帰るしかない笑。

正室にはせずに、妾の何番目かにするやろうけど。

源氏の君みたいに、美しくない「末摘花(すえつむはな)の君」の家にもがんばって定期的に通う奇跡的な殿方の方が珍しいからね笑。(赤い鼻で痩せこけ、獣の毛皮をかぶってた姫)

信憑性のある噂を流す女房はこの時代、価値があったかもしれないね。

噂のサブスクとか販売したら売れるかも(3つの噂(政治や出世絡み・未婚女子・ライバルの動き)セット 米一俵とかね笑)。

周りにいる噂好きな女もタイムスリップして平安時代に行ったら、嫌がられず重宝されて、そのいやしい力を思う存分発揮できるかもね笑。

それにしても自分のお付きの女房が噂を流すだけならまだしも勝手によその男を手引して寝室に忍び込ませるなんて、考えただけでもゾッとするよね。

「源氏物語」でも「玉鬘(たまかずら)の君」は類稀なる美貌の持ち主だったのに(源氏の君も狙ってた)、いやしくて下品な男(ヒゲ黒の右大将)を手引されてしまい、花の都から地方のお勤めに行く夫に付いていかねばならなくて、ほんとかわいそうだったもん。

弘徽殿の女御、御子と共にお隠れに

愛でられすぎて(エッチのしすぎ笑)で臥せっていたよし子(弘徽殿の女御。兼家の弟の大納言の娘。井上咲楽)は懐妊(かいにん。高貴な女子が妊娠すること)したが、相変わらず体調すぐれず(この頃は鉄剤も葉酸もサプリとかないからね泣)。

そんな時に自分の出世を帝に進言してほしいという兄の斉信(ただのぶ。金田哲)。こんな兄ちゃん、最低やん笑。

本郷奏多くんの花山天皇は、思いもよらず「よし子ラブ」でかわいい♪

とうとうよし子がみまかられた(亡くなった)時も、汚れ(けがれ。高貴な者は遺体に近づいてはいけない)などの慣習などものともせず、よし子の寝室に走っていくのが素敵♪

それにしても、帝の子の呪詛を頼むとか、右大臣(藤原兼家。段田安則)たちは怖いよね。

よし子(弘徽殿の女御)は、兼家の弟(大納言)の娘だから、姪っ子にあたるというのに。

詮子(あきこ。右大臣の娘で上皇の妻)が怖がって左大臣を抱き込もうとする気持ちもわかるわ。

まだ戦国時代の下剋上の方がマシに見える笑。自分がちゃんと手を汚すからね。

道長のまひろへの情熱にキュン死寸前

漢詩の会に来ないはずだった道長が突然参加したので、まひろは驚く。

まひろが来たとどっかで聞いて、漢詩は苦手なのにがんばって参加したかと思うとかわいいよね(→もうひいき)。

道長が選んだ歌は白楽天(唐の詩人)が詠んだ歌らしい。

菓子も酒も十分にあるが、君以外にこれを一緒に楽しめる者はいない。

菊花の花を手にいっぱい持てば、ただ君のことを想って仕方がない

私は菊のかたわらに立ち、一日中君が詠んだ菊の歌を吟じ、むなしく過ごした

白楽天「菊花」

もう、心がキュンキュンしてとろけそうだった!!

ああーこういう奥深い手紙を送り合う粋な世は消え去ってしまった。

LINEでこんなの送ったら「キモッ」「重っ!!」と言われるのがオチね・・・悲しい世の中よ・・笑。

道長が漢詩の会が終わって部屋を去る時の、去りがたい顔といったら・・・!!

もう「まひろに夢中」そのもの!!バレバレですよ!笑 

あんなに文が嫌いだったのに、ソッコー文を書いて送っちゃうくらい、メロメロ!!

ちはやぶる 神の斉垣(いがき)を越えぬべし

大宮人(宮廷の役人)のみまくほしさに

※『光る君へ』では大宮人の部分を「恋しき人」に道長が変えてた♥

伊勢物語 

-超えてはならぬ壁を超えたくなるくらい、君が恋しくてたまらない-

キャー!!こんなの好きな人からもらったら、気絶するくらいの破壊力満点の恋文よーー!!

ひょうひょうとしておきながら、やるわね!道長!(詮子風)

道長がまひろに送った和歌は、「伊勢物語」(在原業平をモデルとした歌物語)の中の、斎宮(さいぐう)の元へ勅使として現れた男に惚れちゃった、斎宮のお付きの女房が詠んだ歌らしい。

斎宮は、伊勢神宮に仕える神の使いだから、恋愛はご法度なのよね(もちろんお付きの者も)。

「源氏物語」でも光源氏を好き過ぎるあまり、苦しくて都を離れるために六条御息所(ろくじょうのみやすどころ。)が娘の斎宮に付いて伊勢に下るんだよね。

「より多く愛した者が負けなのです」

「あさきゆめみし」 大和和紀 六条御息所の言葉

道長の情熱に前回からもう、キュン死しそうです笑(君に送ったわけじゃない)。

今日の京都名所 「醍醐寺」 京都府京都市伏見区

@醍醐寺