道長も人間なんだね、私の直秀が遠くへ『光る君へ 第9話 遠くの国』(ネタバレ感想)

こんばんは、ジャスミンKYOKOです。

今回は「道長も人間なんだね」という回です。

彼の一時的な感情に走った行動から来る後悔。やっぱりたすくくん、うまいから泣いちゃう。

道長の屋敷の「東三条殿」に盗みに入り、盗賊として捕らえられた直秀。

ただ、そのときにあまりにも直秀が反抗的だったので、つい道長もムッと来て「オレはこんなことできるんだぞ」と、つい怒りに任せて検非違使(けびいし。警察のような機構)に彼らを引き渡してしまった。

情けで放免しようとしてたところに、あんなムカつく言い方されたら、ちょっとヘソ曲げたくなる気持ちもわかる。

いつもはひょうひょうとして、直秀にどんなに藤原をコケにされても冷静な道長だったのに、弓を射られたのも知ってるぞと忠告もしたのに。

・・・なぜ、盗みに入った!

友に裏切られたような感情がそうさせてしまったのかもね。

今日の記事のお供は、「水火天満宮(すいかてんまんぐう)」のしだれ桜です。

『光る君へ』前回までのストーりー

時の帝(本郷奏多)に気に入られた義懐(よしちか)の横暴ぶりに怒りを覚えた兼家(段田安則)は、帝に進言しようとした時に倒れてしまう。

父の突然の異変にとまどう右大臣家。

蔵人頭(くろうどのとう)になっても煙たがられていた右大臣家の次男道兼(玉置玲央)は、兼家に殴られた傷を帝に見られ、気に入られる。

まひろは、直秀に都の外の様子を聞き、広い世界があることを知る。

直秀は、自分の気持ちをまひろに少し示したが、彼女の気持ちは自分にないことを確認した後、都を離れる前の最後の盗みとして、道長の家「東三条殿」を選ぶが・・・・。

詳しいお話は前回のレビューで→『第8話 招かれざる者』

『光る君へ -9話- 遠くの国』ネタバレ感想

まひろの泣き方に不満な私

まひろの泣き方におおいに不満があった今回笑。

あんなに親しくしてた直秀が死んだのよー!!もっと泣きなさいよ!!あんた!怒。

まあね、今回は道長の泣くシーンがメインだったから「まひろが目立ってはいけない」というのはわかるけど、涙を静かに流しながら土を掘ることくらいできるでしょう!(直秀の亡き骸を道長と一緒に埋めた)

あの美しい顔が埋められていくのを観た時、絶望だった私。

私の好きな人をこんな最初あたりに殺すのーーー怒。

これから道長と2TOPで『光る君へ』を引っ張っていくかと思ったのに。

陰のヒーローとして、まひろが女御になって雅な世界に行ってもずっと、屋根の上から見守ってくれると思ってたのに。

今の時代だって、刑務官の横暴な振る舞いはあるんだから、この時代なら下手人(げしゅにん。犯罪者)の人権なんて軽視されてたに違いないからね。

盗みを働いただけなのに殺されたのは、鳥辺野(とりべの。死体置き場)に連れて行った役人は、最初の回あたりで直秀と間違って道長を捕らえてしまったヤツで恨んでいたのかも。

検非違使の長は道長から賄賂をもらったはずなのに、部下の者から殺したと聞いても「あ、殺ししちゃったの」と放置しようとしてたんだろね。

道長が異議を唱えても「だって下手人ですから」で返そうとしてたはず。

こんなこともあるって映画やドラマで身にしみてるから、海外に行った時は、絶対刑務所には入ることになるような「疑い」をかけられない努力をする私。

「知らない人から荷物を預からない」とか「白い粉に見えるものを持ってかない」とか細心の注意をします。

海外の刑務所なんて、入ったら出れんし、日本より絶対地獄。とにかく「疑われないこと」がマストよ。

私はまひろたちが遺体を見つけるその時まで、直秀は絶対どうにかしてあの役人をみんなでやっつけて逃げたはず!と思っていたのに。(アメリカ映画を観すぎるとどうしてもポジティブな結末になると期待してしまう)

道長の心からの後悔と自分を恥じた涙にじんとくる

直秀が手に握りしめた泥を落としきれないのに落とそうとするところは、自分の過ちを拭っても拭いきれない道長の後悔が表れていて泣いちゃった。

自分は捕らえられてもすぐ放免された、それは藤原兼家の息子だから。

危険を冒して貴族の持ち物を盗み、貧しい人に分け与えていた直秀の方は、身分が低いためにこんなにあっさり殺される。

道長が泣いたのは、自分を恥じたのもあったのかもしれないよね。

親の力で高い位に付き自分は何も成し遂げてもいない。いっときの感情でこんな尊いことをしている者を死なせてしまったと。

そして、兄弟も親も信じられぬ世界で生きてる自分にとって、数少ない信じられる友を失ったということもね。

何不自由なく暮らしてきた道長の、初めての大きな後悔は、この先彼を成長させていくんだろうけど、日本史の授業で習った道長とはかけ離れてきたな・・笑。

このドラマの道長を観た後に、これから日本史を習う子たちは、「道長はいい人」っていうイメージになるのかしらね笑(私は傲慢なイメージを抱いてきたけど笑)

ゴリゴリの煩悩だらけの兼家に尊敬さえ覚える

帝を玉座から引きずり下ろす計画をするような貴族がいたなんてね。

それぞれ貴族同士が権力争いしてたのは知ってたが、日本の最高位である「天皇」を引きずり降ろそうだなんて。

会社の社長がミスをしでかして、株主総会で引きずり降ろされるのはわかるけど、下剋上も下剋上で、「大名」じゃなく「お上」だから一番酷いやつよね。

戦国時代も大変な世の中だけど、平安時代は一見平和そうなのに天皇さえうかうかしてられないなんて全然「平安」じゃないよね笑。

兼家(段田安則)もそうやって突き詰めるのはいいけど、後から誰も信じられなくなってしまうんじゃないかな。どこかの独裁者ばりの首相みたいに。

ちょっとでも誰かが怪しい動きをしたら悪い方に捉えてしまい、気持ちが休まる時がきっとなくなるだろうね。

自分に耳に痛いことを言う人をとことん排除したら待ってるのは「闇」だよ。

安倍晴明(ユースケ・サンタマリア)の本心もよく分からない。お金目当てなのかな。

「人を殺めるのは、卑しいもののすることだ」とバカにされてるのに、兼家のために帝の子や正室を呪詛したりするのはなんでだろう。

道長の世になると予言で知っているから、それに従っているだけなのか・・。

兼家(段田安則)は、内裏で倒れたものの、その後はわざと目が覚めないふりをしていた。

それは晴明が、兼家が頂点に立つための秘策を提案し、買い取らせたからであった。

花山天皇が失脚したのは歴史上の事実だから、晴明が提案したじゃないせよ、兼家が画策したのは間違いないからね、怖いね。

花山天皇(本郷奏多)に「よし子が浮かばれず、兼家に取り憑いた後、内裏にももののけが入り込んでいる」と告げ、こともあろうに19歳のお上に出家を勧める晴明。

『光る君へ』は、恋愛物語もしっかり、こういう政治の闇のやり取りも交互にあるから面白いのよね。

『光る君へ 第9話 遠くの国』煩悩だらけのドラマトーク

父の画策を知ってもなお、何の良心も咎めないボンクラ長男ぶりが、井浦新のふんわりした雰囲気に合いすぎて、いい。

ほんと『平清盛』(松山ケンイチ主演)でも思ったけど、平安貴族が似合うんだよねえ。

それにしても道長は、兼家のやり方に「ん?」と思っても、そこは父に反抗しないのかよ、と思うとちょっとねえ。

お家の方針に反抗したところで、家を追い出されて平民になるだけだから、反抗もできないのかな。

こんな父に「正義」を説いても無駄だと分かっているから諌めないのか。

親に反抗してきた私としては、反旗を翻さない道長にちょっとなんだかなあと思ってみたり。

徳川家康精神なのかしらね。「鳴くまで待とう時鳥(ほととぎす)」。

今回もやっぱり、クスッとなったところがいっぱい。

◆まひろが検非違使に捕まったのを道長が助け、馬に乗せてその場を離れる時、道長の従者の百舌彦(もずひこ)とまひろの従者乙丸(おとまる)が競争しながら二人を追いかける場面や、顔を近づけて道長の伝言を伝えるシーンも笑っちゃう。

◆勉強がキライなまひろの弟くんが書物を読んでたり、大学に旅立つ時に父のはなむけの言葉の意味が分からなかった場面も笑えた。

あまりにも不出来な息子にあきれはて、まひろが「お前が男であったなら」と為時から言われる様は実際に「式部日記」に書かれているらしいよね。

◆父為時の帰りが遅いのをまひろと弟が話してる時に、御簾の隙間から乳母のいとが「高倉の女のところです」と聞きもしないのに言ったりするのがウケる笑。

◆蔵人の実資(さねすけ。ロバート秋山)がいつも妻に愚痴を言う場面。聞き飽きた妻は「日記に書きなさいよ」って言う。これが実資が実際に書いた「小右記(しょうゆうき)」につながると思ったらおかしい笑。

ほんと、みんなキャラが立ってて楽しい。

今回道長にキュンときたのは、まひろに「送っていく」と言うと「土御門殿(つちみかどどの。倫子の家)の人に見られたらいけないから」という理由で断られ、むくれるとこ。

まひろは倫子が道長を気に入ってるから、そこに気を使ったのだけど、道長はそんなこと知らないからね。 ぷんとしてるとこがかわいかった♪

こういう小さい仕草の一つ一つに、ドラマを観てる女子はまひろに上乗せしてときめいてハマっていくのよね。ほんとうまいわあ。

「女のドロドロ」「男のドロドロ」「ときめき」すべてがほどよく配合されていて、十二単のように素敵に重なっているドラマです。そりゃ、人気でるよね。

今日の場所 『水火天満宮(すいかてんまんぐう)』京都市

@水火天満宮