「龍安寺」枯山水の石庭と雲龍図。完璧主義の欧米人カメラ男子【2025京都旅-7】

ジャスミンKYOKO

こんばんは、ジャスミンKYOKOです。

平野神社近くの素敵なお蕎麦やさん「蕎麦酒房 櫟(いちい)」で「天丼とお蕎麦のセット」を美味しく堪能し、我々は「わら天神前」のバス停からバスに乗った。

交差点4か所にバス停あって、どれから乗るのかちょっと迷った。

59番のバスに乗り「龍安寺(りょうあんじ)前」というバス停で下車。

ここはずっと行ってみたかった、枯山水(かれさんすい)の石庭(せきてい)で有名なお寺、「大雲山 龍安寺(りょうあんじ)」。

拝観料600円。

蓮の花が咲く大きな池もある。(↑鏡容池(きょうようち))

新緑の洪水だ。

龍安寺(りょうあんじ)は、教科書にも載るほど有名なのに、来たことなかった。

「KYOKOちゃんと来たよねー久しぶり」とK氏。

「・・・あのさ。君ね、そういう記憶違いは気を付けた方がいいよ笑。私は来たことないよ」

「えっ・・」

大笑い。

龍安寺は靴を脱いであがります。↑ここ「庫裡(くり)」※(禅宗寺院建築)で靴を脱ぐ(靴箱あり)。高価なスニーカーの人は要注意。

※「庫裡(くり)」・・・寺院の住居部分をさす。禅宗寺院では玄関として使っている寺院が多い。

京都のお寺は靴を脱いだりスリッパ履く所が多いので、靴下を履いていくのがオススメ(裸足だと足裏真っ黒になる可能性あり。水虫感染防止にもね)。

↑石庭の手前に石庭のミニチュアが置いてあった。欧米人の人が一眼レフでしきりに撮っていた。

アメリカに帰って自分の家の庭で復元するつもりなのかな(勝手にアメリカ人呼ばわり)。

すぐに「石庭」があった。

ここか!!!日本の「枯山水(かれさんすい)」※を代表する庭は。

※枯山水・・・水を用いず、岩や石、砂、苔などで、山や川、海などの趣を表した日本庭園の様式。

ここ、龍安寺は、室町幕府の管領(かんれい。征夷大将軍の次にエライ人)であった細川勝元が建立したお寺。

勝元って名前好き。『ラストサムライ』で渡辺謙が演じた名前なのよね♪

細川勝元は、応仁の乱の勃発の原因の一端となった人だよね。細川氏VS山名氏。

応仁の乱さえなければ、もっと文化財が残ってたかもしれないのに泣。(ここ龍安寺も消失)

↑等間隔に人が縁側に座ってて、鴨川のカップルみたい(鴨川に行くとカップルが等間隔に座ってるのが面白い笑)。

日本人もこの石庭、カッコいいと思うから、外国人にはエキゾチックなんてもんじゃないのかもね。

↑「方丈」と掲げられた部屋。ここ龍安寺は禅宗の中の臨済宗(りんざいしゅう。栄西が広めたよね♪それは覚えてる)のお寺で、禅宗では住職のことを「方丈(ほうじょう)」と言うんだって。

住職の書斎や居室に掲げられたものらしい。(今は観光地化してるから住職は別に住んでるだろうね)。

このお部屋は消失し、信長の弟が建てたものを移築したらしい。(謀反してない弟の方)

縁側の後ろの方丈のお部屋には畳があり、名物の「雲龍図(うんりゅうず)」の襖絵(ふすまえ)が。(↑第4の龍。連作で9頭の龍の絵があるらしい。公開されているのは一部)

カッコいい!!

これは元首相の細川護熙(ほそかわもりひろ)さんが描いて寄贈したものらしい。(龍安寺は細川氏の菩提寺であり、細川護熙元首相は肥後細川氏の末裔なんだって)

私は欧米かぶれだけど、こと龍に関しては、西洋のドラゴンより、日本や中国の龍の方が好きだな。(『ハリー・ポッター』より、マンガ日本昔ばなしや『ドラゴンボール』の神龍派)

足立美術館(島根)で観た横山大観の龍も好きだけど、これも良かったなあ。

細川元首相、多才だね。(上手だからいいけど、下手だったらお寺も断りにくいから大変だよね笑)

雲龍図は通常非公開なんだって♪ 観れてよかった。

縁側のような板張りの廊下をぐるりと廻ることができる。

裏庭を観ようと歩いていた私にK氏が追い付いてきた。

「KYOKOちゃん、さっきオレなんて言われたと思う?」とK氏。

↑龍安寺の裏庭。苔むす庭が素敵だ。

この龍安寺でもらったパンフレットをいつのまにか落としたK氏。

修学旅行で来ていた中学生女子が拾い一緒にいた引率の先生が、K氏に英語で「あの、落とされましたよ?」と話して来たらしい笑。

「先生が英語で言ってきたからつい、サンキューって言っちゃった」

「日本人って訂正したの?」

「いや・・・そのままもらってきただけ笑」

裏庭で爆笑。

確かに最初から思い込みで英語で話しかけられたら、「ありがとう」が出ずに「サンキュー」と言ってしまう気持ちもわからんでもない。

なに人に見えたんだろう笑。日本語英語だからバレてると思うけど笑。

↑裏庭にあるつくばい(縁側近くに設置される茶室に入る前に手を洗う手水鉢のこと)。

水戸光圀公(みとみつくにこう。水戸黄門ね)の寄進らしい。(京都ってほんとすごい)

左には秀吉が絶賛したらしい椿の老樹。

↑中央の口を利用すると、漢字4文字になるんだって。シャレてるう♪

「吾唯足知」(我、ただ足るを知る。今あるものに満足して感謝をする)。

禅の教えを図案化したものなんだって。

みんなその教えをちゃんと守ってたら国盗り合戦なんかしなかったのにね。

誰か茶の湯に来た武将に、「あなた、これ自分にあてはめてみたことある?」って聞いたことないのかな。

まあ、そしたら千利休みたいに切腹よね泣。(秀吉の逆鱗にふれ切腹させられた茶の湯の祖)

石庭の縁側で、ビスチェとへそ出しルック(画像真ん中)のスペイン女子が、わびさびに浸っていた笑。(クワトロとか聞こえたのでたぶんスペインかイタリア)

日本人が海外を訪れる際に持参するガイドブックには、「教会や寺院では肌の露出をせず、長袖、パンツか長いスカートが望ましい。」とよく書いてある。

海外のガイドブックには書いてないのかな笑。

しかし日本は蒸し暑いからそれ着たいのわかるけどね笑。

↑石庭の土塀を裏から見たところ。

土に菜種油を混ぜて作ったもので、時間の経過とともに色んな風合いが出てくるんだって。

広大な龍安寺の庭を散策。(前を歩くのは韓国人女子三人衆)

そういえば、大原三千院にいたような、寺を背景にセクシーポーズを取るインスタアジア人女子はいないなと気づいた。

都会に戻ってくると、我を取り戻すのか?

大原三千院の開放感がそうさせるのか笑。どちらかというと日本人にとっては、あの空気は凛と引き締まるけどね笑。

そんなことを考えていたら、だいぶ前を歩いてた一眼レフ持った欧米人男子(40代くらい)が近くにいることに気づいた。

あれ?あの人だいぶ先にいたのに。

この門の写真を撮ってる私のすぐ横にいて、門扉の写真を撮っていた。

またしばらくすると、私たちの先を歩き、離れて行った。

「あ、これ桜の木じゃない?」「この辺涼しいからいいよね」

苔むす庭園の写真を撮っていたら、遠くにいたはずのさっきの欧米人がいつの間にかまたいて写真を撮っていた。

・・・もしかして、私たち日本人が立ち止まって話してたら、撮り損ねた大事なものがあるかもしれないと思って、撮りに戻ってきてるのかも? ・・・笑(しかも修学旅行生じゃなく何かを知ってそうな50代2人だからね笑)

2回連続だったので、そんなカンがよぎった。

とぼとぼ歩いてる私たちの先にまた行ってしまった、欧米人カメラ男子。

すると、そんなことにまったく気づいていないK氏が

「ねえ!KYOKOちゃん、湯豆腐!!!お寺の中に湯豆腐やさんあるよ!!」と私を呼び止めた。

「あ、ほんとだ!」

庭園の中に湯豆腐を提供してるお店があり、その看板がひっそりとあったのだ。

「お寺の中にあると、湯豆腐がより美味しそうに見えるよね」

さっき食べたばかりで(天丼と蕎麦)食べる気はないので、二人とも眺めただけでそのまま歩いていたら。

前方にいた、完璧主義な彼は、まさかの私たちとすれ違って、その湯豆腐やさんの看板まで戻ったのだ・・・!!そして写真を撮っていた。

これには吹き出してしまった。

やはり、彼は私たちの動向を探っている笑。

せっかくはるばる日本まで来たんだ、日本人が気に掛けるものを1枚たりとも逃してなるものか!

そんな気迫が感じられた・・・。

帰って訳したら、ただの湯豆腐の定食の案内なのに笑。

湯豆腐で騒いでごめんとも思った笑。

私たちが立ち止まらず門を出るのを振り返り観て、彼は龍安寺を去って行った。

今日の場所「大雲山 龍安寺(りょうあんじ)」京都市右京区龍安寺御陵下町

@龍安寺

旅のMONEY

前回までのTOTAL49,991円
拝観料(龍安寺)600円
TOTAL50,591円