カナディアンカヌーの素質なし!笑 釧路湿原で念願の野生動物を観る【北海道春旅2023-6】

こんばんは、ジャスミンKYOKOです。

2023年の北海道の旅の2日目、この日は釧路(くしろ)でカナディアンカヌーをする予定。

カヌー前にラーメンを食べるのを諦めきれない2人は「お食事処 丹頂(たんちょう)」で、口コミどおりの美味しい食事を堪能。

30分前に集合場所近くに来ていたくせに、今ようやく札幌から釧路に着いたような顔をして、インストラクターと待ち合わせする「塘路元村(とうろもとむら)キャンプ場」の駐車場へ。(食堂から車でわずか2分)

なんと!その途中で、トボトボ歩いているキタキツネをK氏が発見!!

「見て見てキタキツネが歩いてる!!!」

「うそ!!?」

残念ながら私の方が運転していたため、歩いてたキツネくんの写真はない(パートナーK氏は発見はしたが、カメラへのアクションが鈍かった笑)。

車を降りて写真を撮りたいのはやまやまだったが、時間がないのでそのまま駐車場へ。

カヌーを積んだバンが1台停まってた。

まだまだキャンプは、シーズンじゃないのか、他の車はまったくいなかった。(連休明けというのもあるだろうね)

⇧カヌーを練習する塘路湖(とうろこ)

私たちがカヌーをお願いした「NANOOK(ナヌーク)」は、釧路で「自分で漕げるカヌー」を検索すると唯一出てくるところ。

最初は色んな会社のサイトを観ていたが、よくよく観ると、「漕ぐのはそこのスタッフ」で、お客は乗っているだけというラクチンツアーをする会社がほとんどだったのだ。

うーむ、料金も安いし(5,000円~7,000円)、写真も撮りやすいだろうが、果たしてそれは自然の醍醐味を自分で感じたことになるのか・・・??(こういうとこは真剣にこだわる)

アマゾン川みたいにくねくねした釧路湿原でカヌーを漕いで野生動物を観るのが夢だった。

ここで妥協してはいかん。

代金は10,000円するが、自分で漕げる「ナヌーク」さんを選んだ。

「NANOOK(ナヌーク)」とはエスキモーの言葉で「シロクマ」のことらしい。ナヌークさんのWEBサイトにもシロクマのロゴがあって素敵♪。(素敵なネーミングに弱い人)

駐車場で20,000円(K氏と2名分)を払い(あー2万円飛んでったー)、ナヌークさんの用意してくれた長靴※に履き替えた。

※長靴のサイズは申込時、あらかじめメールで送っておく。(身長も送る。体重はナシ。ホッ)

バンの後部座席に乗せてもらい、車で10分ほど先にある塘路湖(とうろこ)へ。

ここで30分ほど練習していく

この湖で30分ほど練習して、本番の釧路湿原に行くのだ。

ナヌークさんは、私たちと同世代くらい(アラフィフ)の橋田さんご夫婦がやっていて、カヌーのインストラクターはご主人の隆浩さんで、奥様の真澄さんは車の運転などのサポートや自然を歩き回るネイチャーツアーを担当。

コロナ禍の時は、本当に自然が戻って、森も川も美しかったらしい。

あー本当に大自然が好きでインストラクターをやられてるんだなあと、感激しながら塘路湖に向かう。

この時までは、過去北海道で2回カヌーを漕いだ経験が私に安心感をもたらしていた。

しかし、その安心感は根こそぎ壊れるのである。

流れのない湖は手強かった。

少し風が出てきたのもあり、前に進まない。

カナディアンカヌーは、前の者が左側を漕ぎ、後ろの者が右側を漕ぐ。(⇧イメージ)

シーカヤックみたいにパドルの先が両方になく、しゃもじのような木製の櫂(かい。以下カイ)を両手を使って漕ぐ。

後ろの者が舵の役目をするらしく、重要なんだって。

そこをK氏に任せていいのかわからなかったが笑、先頭にいないといい写真を撮り逃がすような気がしたのと、持ち前の運動能力への自信の無さが舵取りを率先してやる気にさせなかった。

倒木と湖の感じが素敵

船の方向を右に向かせたい場合はカイを後ろに漕ぎ、左に向かせたい場合は、カイを前に漕ぐ。

先生も最初は、きっと大目に観てくれていたはずだ。

しかし、カヌーの先端がどうしてもまっすぐにならない。

私とK氏の漕ぐタイミングが全く合っておらず、カヌーは前に進むどころか、クルクルと回転ばかり笑。(ダサすぎる)

「私について来てください」

・・・と言われて先生について行きたくても、反対を向いてしまったり。

「2人とも漕ぐ時は一緒に漕いでください」

やってるつもりなんだけど、息がまったく合ってなくて、ついていけない2人。

思えばかなり先生と離れていたから安心して言いたい放題言ってたが、もしかしたら丸聞こえだったかもしれない笑。

「○○(K氏の名前)、さっきは後ろでしょ!今は前!」

「KYOKOちゃん、今はバックやろ!」

「ちゃんと、しよるって!」

「そうだ、声を出そう!1,2.1.2で漕ごう!」

「そんな部活みたいなのイヤだ! 私はレジャーに来たんやけん!」

こんな時に視力がいいのが辛いが、遠くにいる先生はこの見苦しい2人を観て「この夫婦は本番ヤバいかも」というような不安な表情をしていた気がした。

この練習は必死だったので、残念ながら写真はない笑。

スマホを出せる雰囲気でもなかった笑。

準備をする先生

30分経っても、船の方向を操れない私たちに先生は最終通告を出した。

「釧路川は流れが早い。このまま船の方向を操ることが出来ない場合は、本番は難しいかもしれません」

ギャー!!。私の夢が、K氏とのカヌーの相性の悪さでかなわないとかあるの?

ここまでK氏は私の運動能力のせいにし、私はK氏の方向音痴のせいだと思って譲らなかった笑。

しかし言い争っている場合じゃない。

ここから20分、2人は黙々と練習し、先生にすいすい付いてくことはちょっときついが、遅れながらも船の方向は、左右にそれたらまっすぐ戻すことはまあまあ出来るようになった。

先生はまさか50分も湖にいることになろうとは思わなかっただろう。

まだ不安な顔をしていたが、「・・・・行きましょう!(負け戦になると分かってて突撃することを決めた大将のような感じ)」とありがたいことに本番の川に向かうことにしてくれた。

よかったー。このままリタイヤだったら、目も当てられんとこだった・・。

バンに乗り込み、釧路川に向かった。

釧路川のほとりに着き、隆浩さんがカヌーの準備をされている間に、塘路湖の裏にある小高い山に真澄さんが案内してくれた。

「釧路湿原を上から観れるんですよー」

⇧この山がかなりのクセモノで笑、階段などはなく、滑りやすい土の溝のような道を進む。

しかも私とK氏は長靴なので(真澄さんはスニーカーで軽やか笑)、土を靴底が掴みづらく、転げ落ちないか怖かった笑。

私が転げ落ちないように険しい顔して登っているので、先を行くK氏が振り返って笑うのがしゃくにさわった。

しかしこんな時のためにいつも会社の階段(60段)を昇っててよかったなと思った。

蛇行する釧路川。わーーー!!ようやくここに来た!!(あんな練習の後で感激もひとしお)

ナヌークさんのサイトで、塘路湖の源流下りのカヌーもあったが、動物が観れるのはやはり釧路湿原の方だと調べてわかったので、釧路湿原の半日プランにしたのだ。

アマゾン川にもいつか行きたいけど、まあまあ怖いので(ピラニアが)、とりあえずは釧路湿原で大満足。

雲と地平線のコントラストが最高だなあ。

しかし、野生動物を観るには、晴れすぎている。もっと曇らんかな。

山を降りて、釧路川のほとりへ向かう。

この降りた時も長靴が超怖かった。

50分も練習したのに、転げ落ちてカヌー乗る前に終わることだけは避けたい!

無事に山を降りた。

この頃から急に雲行きが怪しくなってくる。

いいぞいいぞ(野生動物は、人間が来ない曇りや雨の日に姿を現す)。

うわー雰囲気は最高!!(ここはカヌーの不安は忘れてノー天気に写真を撮る)

湖は川の流れがないから漕ぐのは技術がいるが、川は自然に流されていくので、前に進むのは容易だが、方向をいつも意識していないと枯れ木や岩に突っ込むので気をつけないといけないらしい。

⇧私のために曇りはじめてくれる釧路川の空。

確かに過去に体験した川(美々川。びびがわ)より流れは早いようだ。

持ち前の「なんとかなるさ精神」で、先程のひどい漕ぎ方は一瞬忘れ、ワクワクしてきた。

この怪しい感じ、最高!!

先生が言った通り、たしかに漕ぐのはウソのようにラクだ(ただ流されてるだけ笑)。

エゾシカ、オジロワシ、来ないかな。

釧路川は蛇行しているので、カーブは内側を周り、とにかく遠心力が働く外側の方が流れが早いので近づかないように漕ぐのがいいらしい。

何回も振り返る先生。

心配かけてすみませんと思いつつ、スマホを取り出し写真を撮る。

後から「KYOKOちゃんて、ほんっとあんだけ下手くそなのに、写真だけは、よー撮るよね。ほんと図太い」とK氏から言われた笑。

K氏はあんなに湖が散々だったので、先生の目線が怖くてスマホを取り出すのを躊躇したらしい笑。(先生はあくまでも紳士的です。下手すぎるこっちの後ろめたさのせい笑)

そんなこと気にしてられるか、ブログに書かないと!

10分くらい漕いだだろうか。

目の前を真っ白なタンチョウヅルが横切った・・・!!

⇧翼を広げたところを撮りたかったが、ライフジャケットの胸ポケットからスマホを取り出すのが遅れた。(真ん中の白いやつ)

絶対、絶対カメラに収めてやる!!

撮れた!!

林の中を歩いていく、日本の天然記念物、「タンチョウヅル」!!

JALのマークだわーーーーーーー♪

野生をこの目で観た!!嬉しすぎる!!

もうこの時はカイをカヌーのヘリにおいて漕ぐのをK氏に全面おまかせ。(先生、大目に見てください)

⇧次はワシが登場!!

先生から離れていたので、「オジロワシ」かは分からなかったけど、激写!!

名残惜しいタンチョウヅルから離れて漕ぎ出す。

カヌーの前方にいると、船首の方向をすぐ正したくなるが、後ろのK氏がサボってなかなか軌道修正しない。

前方にいると、差し迫る流木や岩が気になってしまうので、「○○!!」と何回も叫んでK氏に軌道修正を催促。

後から「KYOKOちゃん、何回オレの名前叫んだ?おかしかったー」

「君がサボるけんやろが! 全然方向を修正しないからイライラした!」

「オレはタイミングを見てたんだよ」

そう言って全然ヤツは反省してなかったが、アブナイ場面があったのだ。

ある大きなカーブで流れが早い部分に差し掛かった時、ちょこちょこ修正してたら乗り越えられたはずなのに、このK氏の自分勝手なタイミングのせいで軌道修正が遅れ、対岸の川にせり出していた枯れ木の中に突っ込んだ時は「転覆」が頭によぎった・・・・!

しかし、過去のカヌーを漕いだ時のうちの父上の転覆事故の教訓を思い出し、体を左右に動かさず、後ろにのけぞったので転覆を免れた。(父と母が乗ったカヌーは迫った木を左右に動いてよけたため転覆笑。浅瀬だったからよかったけど笑 母上は父上のせいにしてた)

危機的状況な時は素晴らしいリンボーダンスかのような反りが出来る自分に感心した笑。

⇧反省しないK氏。顔をぼかしたら、なんだか「銀河鉄道999」の車掌さんみたいになった笑。

この頃、雨がポツポツ降り出したので、岸につけてライフジャケットの上からレインコートを着ることに。

カナディアンカヌーは底が平らじゃないので、沖縄のシーカヤックと比べると安定しにくい。

レインコートも先生にカヌーのフチを支えてもらってようやく着た。

先生が、

「KYOKOさん、キツネだよ!」と呼んでくれた。

わあ!!!キタキツネ!!

近くに寄りたかったが、思うように岸に沿って漕げないもどかしさ。

どっかに行かないうちに激写。

先生が言うには、「人間に近寄ってくるのはあまり良くない。誰かがエサをやってるのかも」

こっちにキタキツネが向かってきたので嬉しくて、その行く先を撮ったら・・・!!

ギャー!! 骨だけの動物に残ってた皮をかじっていた・・・。

野生のリアル・・・!

アフリカだとヌーかもしれないが、ここは北海道、エゾシカの骨かな・・・。

タンチョウヅルにキタキツネ、エゾシカのあばら骨・・・。最高すぎる!

「後はクマが出てくれたらなー!♪」

嬉しくてフードがはずれ雨に濡れてるのも忘れてる私に

「クマ!?そんなこと言わんでよ、出てきたらおしまいだよ!」

確かに猛烈に川に入ってこられたら困るけど、遠目とかいないかな・・。

「アニマルKYOKOが!」

ムッ。

動物を観るのは好きだが、アニマル浜口みたいに言うな!(元プロレスラー。確かに娘はKYOKOだが・・笑)

⇧岸辺の泥についた、キツネや鳥の足跡。

しばらくすると雷鳴が響き渡った。

大粒の雨も降り出した。

でも、タンチョウヅルもキタキツネも観た私は顔がびしょ濡れでも大満足だった。

雷がひどくなってきたが、不思議とこの日の私は怖くなかった。(外にいるときの雷はほんとイヤでいつもは怖がるけど)

なんかこんなワクワクしてる時は、私に落ちない気がしたのだ。

先生は一番雷鳴がひどい時、危ないので、岸に寄って温かい紅茶をふるまってくれた♪

そば猪口(ちょこ)に温かい紅茶を入れて、カヌーのカイに乗せて渡してくれるのが粋だ!

確かに紙コップだと安定感ないもんね。

アツアツの紅茶で温まって、ゴール地点まであと一息。

少し雷が遠くに行った気がする。

ゴール地点は、雨と雷のため、普通よりは早い地点で終了となった。(長い練習のせいで時間が押してたという残念な理由もあるだろう笑)

でも大満足だった。

私の望んだ通りに天気は悪くなり、タンチョウヅルとキタキツネ、ワシを観ることが出来た!!

バンで迎えに着た奥様に「タンチョウヅルとキタキツネを観ました!!」と興奮して報告すると、「それはすごい!昨日はいい天気だったんですが、何も出なかったから良かったですね!」

そうか、やっぱり、悪い天気を願って正解だった!

雨の中をバンで車が置いてある駐車場に戻っていたら、線路があった。

「これ、ノロッコ号の線路ですか?」「そうですよ」

ノロッコ号とは釧路湿原を走る人気の観光列車である。

線路を車窓から眺めていたその時、白い綿のようなものがフワッと霧がかった森の中で動いた。

もう一度よく見たら、エゾシカのお尻の毛だった!

「あ!!エゾシカ!!」

K氏は、もうすでに疲れていてシカを観るのが遅れた。(野生動物にそこまで興味なし、食べる専門)

子鹿も含んだエゾシカの家族が線路の上の草を食べていた。(5頭くらいいた)

こんな感動的な瞬間なのに、私の脳内は、ウィル・スミスの映画『I AM LEGEND(アイ・アム・レジェンド)』の中で、暗闇でシカをむさぼるゾンビの集団を思い出してしまった笑。

「釧路湿原でカヌーを漕いで野生動物を観る」がコンプリートされた瞬間だった。

やっぱり自分で漕いでよかった。

こんな下手すぎる私たちに最後まで優しかったご夫婦に感謝だ。

相性悪すぎるカヌーの練習も含め、このカナディアンカヌーの体験が、北海道での一番の思い出となった。

今日の見どころ 「釧路湿原」

@釧路湿原

利用した会社 「NANOOK(ナヌーク)」

WEBサイトから予約可能

◆釧路半日ツアー  所要時間3時間  10,000円(2名以上1名料金)

          毎日催行(5月~10月)

旅のMONEY

前回のTOTAL   77,234円

カヌー代     20,000円(10,000円☓2)

TOTAL 97,234円

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