男も女も腹黒いのは、今も昔も変わらん、いとをかし『光る君へ -3話- 謎の男 』(ネタバレ感想)

こんばんは、ジャスミンKYOKOです。

2024年のNHKの大河ドラマ『光る君へ』が面白いので、レビューを書いています。

今回からまひろが、社交界デビューしましたね。

道長とまひろが結ばれないことはわかっているのに、今はお互いが惹かれ合ってる設定になっている・・・この話がどうやって展開していくのか、これから気になる~。

さて今回の記事のお供は、桜舞い散る、京都の伏見です。

酒処伏見、川と桜のコントラストが素敵な町ですね。

『光る君へ』前回までのストーリー

まひろは、道兼に殺された母の死を病死にして右大臣(段田安則)の顔色を優先した父為時(岸谷五朗)への怒りと、母の死の悲しみを町での恋文の代筆仕事に精を出すことで、気を紛らわせていた。

まひろ(吉高由里子)も三郎(柄本佑)も元服(15歳。大人の仲間入りの儀式)し、三郎は道長と名乗っていた。

入内した詮子(あきこ。吉田羊)へ帝(円融天皇)の足は遠のき、御子を産んだにも関わらず、子を成さない后の遵子(のぶこ)を中宮(ちゅうぐう。后の最高位)にしたため、右大臣家は焦り始める。

三郎(道長。柄本佑)との突然の再会に毎日が楽しくなりはじめたまひろだったが、父に代筆仕事が見つかってしまい、唯一の楽しみを取り上げられてしまう・・・・。

自分の孫(やすひと親王)を早く新春宮(次期天皇)にしたい藤原兼家(ふじわらのかねいえ。段田安則)は、次男の道兼を使って現天皇に毒を盛り、退位に導くように画策しはじめた・・・。

詳しくはこちらの前回のレビューを見てね→『2話 めぐりあい』

『光る君へ -3話- 謎の男 』ネタバレ感想

庶民の格好の道長が盗賊と間違えられて捕らえられたのを目撃したまひろは、「盗賊じゃない」とかばうが、道長は連れ去られる。

すぐに右大臣家の御曹司とわかり誤解は解けるものの、まひろは三郎の本当の姿を知らないので気になって弟に探してもらうけど、見当違いの男をいっぱい連れてくる笑。

この弟くん↑が、切れ長男子勢揃いのこの大河ドラマの中で1人だけ大きな目のアイドル顔。

まひろとのやりとりがコミカルでホッコリする。

道長が、母を殺した道兼の弟と知ったらまひろはどうするんだろう。今からヒヤヒヤしちゃうよね。

庶民と思ってたのに、手の届かぬ高い身分と知ってしまうのもまひろにとっては酷だよね。

時代は変わっても人間のやること、変わらへん

邪気払いの効き目もなく、円融天皇の具合は一向に良くならず(そりゃあ毒を盛られてるからね)、帝の信頼が厚い頭の中将※(とうのちゅうじょう。ロバート秋山)は内侍所(ないしどころ。天皇の給仕や身の回りの世話をするところ)の調査を開始する。

※頭の中将・・・秘書官と近衛隊の最高位を兼任する役の呼称。

疑われた女子みんなから嫌われて、ヒソヒソ言われてる時の秋山の表情が最高♪

毒を盛ってる張本人の梅前の女房※を調べられると困る道兼(右大臣家の次男)は焦るが、なんとか疑いは晴れる。

※女房・・・・にょうぼう。後宮で働く女官のこと。それに対し「女御(にょうご)」は位が高い貴族で天皇の后のこと(関白、左大臣、右大臣の姫がほとんど)。その一番最高位が中宮(ちゅうぐう。天皇の正室)。

この頃、リトマス試験紙とか毒を調べる薬品があったり、指紋の調査ができたらねー、すぐ悪人見つかるのにね。無実の人もいっぱいいただろうね。

世渡り下手の人が餌食になったりするのは、今も昔も変わらんよね。

こんなに時代は進化してるのに、人間の醜さとやってることはたいして変わらんのが面白い笑。

平安京の政治の中枢「内裏」清涼殿と七殿五舎

内裏(だいり。政治の中枢)の中は、天皇の住まいが「清涼殿(せいりょうでん)」で、その後方に妃たちが住む後宮(こうきゅう。江戸時代で言う大奥ね)があった。

その後宮にはそれぞれニックネームがつけられていて、それがそのまま妻の呼び名になることが多かったらしい。

7つの御殿と、5つの舎からなる後宮は、七殿五舎と呼ばれ、春宮や親王(天皇の御子)たちも住んでいた。

御殿では、『源氏物語』でとにかく鬼のような桐壺の正妻の住まいとして出てくる「弘徽殿(こきでん)」などがある(右大臣家出身の后の住まい)。

あとの五舎(壺)は、それぞれの庭に植えられてた木でニックネームが決まったらしい。

藤壺(ふじつぼ)・・・・天皇の正室(中宮)が住む最高位の御殿。

2位梅壺(うめつぼ)、3位落鳴壺(らくめいつぼ)、4位梨壺(なしつぼ)、5位桐壺(きりつぼ)。

落鳴壺って、雷が落ちた木があったから付いたらしいからそんなニックネームなんてイヤよね笑。

男の出世争いと同じくらい後宮でも女の醜い争いが続いていた

『源氏物語』で、源氏の母は「桐壺」でしかも「女御」じゃなく「更衣」だから一番妻の中では位が低いってわけなのだ。(后の位・・・中宮→女御→更衣)

桐壺くらいが女の争いの中でラクそうなのに、なまじ帝の寵愛がすごいと、いじめの対象になるからたまらんよね笑。

なんで私より身分の低いあの女を!!!・・・怖!!笑

そりゃー、魅力があるからに決まってるやん笑

寝殿造(しんでんづくり。平安時代の貴族の邸宅の様式)はつながってて、どの妃の御殿にお上が渡るのかが見えてバレバレ・・・笑。

帝を好きでいればいるほどイライラは募るよね笑。もう好きという感情より、女のプライドなのかもね笑。

ハーレムだったら何番目の妃がいいかな、とかアホな会話をしてる私と友達笑。

スルタン(オスマン・トルコの王)は30人くらいの妾を囲ってたらしいから、10番目くらいがラクかも、なんて話してた笑。(恐れ多くも自分が寵姫になれるという前提笑)

上位争いに加わることなく、寵愛もまあまああり、比較的自由も効きそうだから、と変な理由笑。

ベルサイユ宮殿もスルタンの後宮も平安や江戸の後宮も、妻たち同士の寵愛への争いもだけど、周りにお付きの女官がいっぱいいるわけでしょ。

女に囲まれた生活で、外にも出られないなんて地獄だわー笑。

キレイな着物は着られるけど、現代の女にも疲れてる私には無理笑。

『源氏物語』では弘徽殿(こきでん)の女御は御子を産んだのに、子を成さない藤壺の宮を中宮にした桐壷帝(光源氏の父。源氏の母の桐壺の更衣がなくなった後ね。)。

『光る君へ』で言えば、詮子(あきこ。吉田羊)が御子を産んだのに、子を成さない遵子(のぶこ)を中宮にしたって話とリンクするね。

弘徽殿(こきでん)は、右大臣家出身の妃が住む御殿だから詮子そのもの。

このネタをヒントに紫式部は、『源氏物語』に書いたのかもね♪

父為時の提案は、左大臣家の間者になることだった

不器用だった父為時(岸谷五朗)が、急にやる気を出して、右大臣兼家(段田安則)のためにまひろを使って左大臣家の動きを探らせようとする。

まひろを左大臣家の姫倫子(ともこ。黒木華)の遊び相手として送り出したのだ。

でもね、為時は根が不器用だから、嘘をつく時まひろの顔を見れないのよね笑。

あれで正面切って言える人だったら、天下の大将軍にでもなれそうだけど笑。(それはキングダムの信笑)

まひろはまひろで、自分を間者(かんじゃ。スパイ)にした父に憤りを感じつつも、和歌を楽しめる集まりに行きたくて強く断れない。

それほど物語や和歌を詠む世界への憧れが強かったんだろうね。

わかる。自分の大好きなことを語れる集団ってたまらないよねえ。

間者に使われていると知っても、突っぱねることができない好奇心と楽しさ。

自分の好きなものはこれです!って発表できる場は貴重だよね、今みたいにネットもないし、和歌は高貴な人々の趣味だからね。

散楽師の存在は、私の嫌いな妖精的なものなのか

2話から登場しはじめた、散楽師でありながら忍者みたいな男。

この男はまひろの味方なのか、道長が誤解で捕まった時も、まひろの家の屋根に現れ「道長は無事だったぞ」と知らせてくれた。

あまりにも身軽なので不安になる笑。

も、もしかして「妖精」・・・・・?

大河ドラマでこういう風に主人公にささやくような妖精が出る内容ってあんまり好きじゃないけど、今回の謎の散楽(さんがく)師は意外に嫌いじゃない。

たぶんあんまりファンタジー感が出てないからだと思う笑。

日本の時代物にファンタジーや夢オチを出さないでくれ・・・という願いを聞き入れてくれてありがとうNHK笑。

『光る君へ -3話- 謎の男』煩悩だらけのドラマトーク

それにしても、お笑い芸人のはんにゃの金田(↑左)は、お笑いはあまり面白くなかったけれど、公家(くげ。貴族のこと)は似合うね♪(道長と同期の仲間。大納言の息子)

藤原公任(ふじわらのきんとう。↑右。関白の息子で中宮の弟)役の方がイケメンだし光源氏にバッチリだけど、あえて柄本佑だから、いいのかな・・・。(なんていうの、今の時代あるあるの身近なアイドル設定みたいな・・)

道長の従者の百舌彦(もずひこ)もいい味だよね。

この『光る君へ』が私のお気に入りになったのは、そこまでコメディにも走らず、今の言語にしすぎることもなく、ちゃんと平安の言葉遣いを残して使ってあるのがいいからかも。

私は源氏物語(正しくはあさきゆめみしのマンガ)を読み込んでるから、官位や役職、用語がわかるけど、時代劇をあまり見ない人は最初はわからないかも知れないね。

でも、この言葉遣いを嫌がらず、意味を調べたりしてどうか楽しんでほしいなあ。

宿直(しゅくちょく →とのい)とか、物忌(ものいみ。)とか、方違(かたがたえ)とかね。

調べて覚えたものが多くなるほど、日本史は楽しい♪。

だいぶ昔に少年隊の東山紀之がした光源氏が最高に好きだった(TBS系でスペシャル番組で放映された)♪ 

もうクールビューティーな源氏の君にウットリ。あれはヒガシで納得だった。

やっぱりこの頃の美男子役は切れ長の目がいいよね。

だから柄本佑が選ばれたんだろうけど、果たしてヒガシ以上に私を納得させられるかが、見ものだ(上から言うな)。

今日の場所 「伏見十石船」 京都市伏見区

@伏見十石舟