映画『教皇選挙』(ネタバレ感想)変わらないために変わることも必要。その時心穏やかでいられるか。

ジャスミンKYOKO

こんばんは、ジャスミンKYOKOです。

カトリックや大きな組織の陰謀が大好きな私にとっては、大好物の映画がやってきました。

もうだいぶ前からほんと楽しみだった。

レ、レイフ・ファインズでかした!!!

面白かったーーーーーーーーーーーーーーーっ。

私は、コンクラーベ(法王が亡くなった後、次期法王を決める選挙)のやり方をじっくり見せるような映画と思い込んでいたから、こんなサスペンス仕立てとは思わず。

映画館で観ながら「ウソー!こんなワクワクさせる内容だったなんて!」と衝撃(カトリックものだから特に映画の内容を調べず行った)。

やられたよ、素晴らしかった。

サスペンスの話運びが秀逸で、好きなカトリックの一番重要な儀式をあますところなく再現してあったので、大満足。

ラストちょっとだけ気になった点があったけど、それ以外は高得点。

映画『教皇選挙』の評価

私の個人的な思考による評価です笑 星は7段階で評価します

私の評価★★★★★★☆
サスペンス映画として秀逸。儀式のゴージャスさもウットリします。
観るのにオススメな人◆レイフ・ファインズのファン
◆スタンリー・トゥッチのファン
◆教会の汚職や隠ぺいものが好きな人
◆カトリック教会の雰囲気が好きな人
暴力性・残虐性★☆☆☆☆☆☆ 法王の遺体は出るけど、残虐性はなし、口論はある。
エロ度☆☆☆☆☆☆☆
感動度★★★★★☆☆
コンクラーベの儀式やシスティーナ礼拝堂の再現度に感動。

映画『教皇選挙』ストーリー

14億人以上も信徒が世界中にいる、カトリック教会。その総本山であるヴァチカンのTOPである、教皇が亡くなった。

その教皇を慕っていたローレンス枢機卿(レイフ・ファインズ)は、次期教皇を選出する教皇選挙(コンクラーベ)を取り仕切ることになった。

保守派やリベラル派など、色んな考えの有力候補が集まる中、滞りなく式典を進めたいローレンスの前に色んな問題が浮上する・・・。

↓ここから先はネタバレ感想です。

映画『教皇選挙』(ネタバレ感想)

素晴らしい儀式の再現と、そこに集まる人の見苦しさの対比

もうね、全編に渡り忠実に再現されたと思われる、コンクラーベ(教皇選挙)の儀式が本当にゴージャスというか、優雅でうっとりします。

「コスパ」「タイパ(時間効率)」が重視される現代において、このすべてアナログな手作業で進められる儀式が逆に心に染みる。

なんでも効率重視だ、ダサい、今風じゃないなんて言って、こういう悪く言えば「まどろっこしい」ものも次の時代にも取っておくのも大事だなと改めて思った。

アンケートもデジタルでサクッと出来る今、あえて上質な紙にペンで書き、サインをし、銀製の細やかな装飾が施された丸い容器に投票する。

その丸い容器も10人くらいしか用紙が入らないもので、満タンになったら混ぜる係の枢機卿がその容器を振って混ぜる笑(あれで混ざるのか謎笑)。

さっき投票したばかりの人が書いたやつ、モロバレやん、全員投票してから読み上げたらいいのに、と次々にツッコミ入れたくなるコンクラーベの手法。

投票用紙を読み上げた後は、わざわざ赤い糸を針で通して束ねる。

コンクラーベが開始されると、世界中から集まった枢機卿が緋色の衣装を身にまとうので、その開催場所であるシスティーナ礼拝堂が赤一色になるのがなんとも美しい。

この緋色は、「信仰のためなら、いつでも命を捧げる」という意味の「血」の色らしい。

日本のお坊さんの袈裟も緋色が最高峰だったよね、確か。

ただ、この映画では、「自分が教皇になるためだったら何でもやってやる」という枢機卿たちの欲望とエゴを描いていて、緋色の衣装をまといつつ、「信仰」より「自分」のために動く人々だらけなのが、皮肉で面白い。

仏教の世界は「煩悩」を持っている間は最高峰に行けないので、まだ修行段階である菩薩さまは派手な格好をしているが、悟りの境地に達した「お釈迦」さまは地味な格好で何もアクセサリーなどは身にまとっていないのよね。(私はもちろん煩悩だらけ笑)

この映画は、カトリック教会の最上位の一握りの人たちでありながら「煩悩」だらけの人ばかりなので、ほんと楽しい。

でもある程度の煩悩(欲望)がないと、この大組織の中の精鋭120人の中に残れないんじゃないかな、聖人君子はきっと根回しが下手なので司祭(神父)止まりのような気がする。

まずは、カトリックの組織をわかりやすく、武士に例えてみました笑。

ローマ・カトリック教会 組織階層
役職選ばれる単位や組織江戸幕府に例えるなら
教皇(法王)最高峰。世界の枢機卿120くらいの中より選ばれる(80歳未満)。征夷大将軍みたいなもん。徳川家康みたいなね。
枢機卿(すうききょう)司教の中から選ばれ、次期教皇候補。小さな教区を束ねた大きな教区のTOP譜代大名みたいな、次期将軍候補の親戚のようなもの。
司教(しきょう)教区の責任者。地域の中の一番TOP。教区の中の神父から選ばれる。藩のTOPである大名のようなもの。
司祭(しさい)神父のこと。教会に1人。一団を束ねる武将のようなもの。
助祭(じょさい)司祭(神父)を助ける補佐の役目。足軽かな笑。

票の奪い合いや蹴落としをコミカルかつスリリングに描く

このところ体調が芳しくなかった現教皇が心臓発作で亡くなった。

主席枢機卿(コンクラーベを執り行う役目)のローレンス(レイフ・ファインズ)が、何時に亡くなったのか、亡くなったのを伝えたヴォズニアック大司教に最後の状態を詳しく聞いたりすることから始まる。

殺されたに違いない!

観てきた映画の影響で、ついついそういう方に考えちゃう笑。(『ゴッドファーザーPartⅢ』とかね笑)

↑トランブレ枢機卿(ジョン・リスゴー)。

いやいや、これは教皇選挙を描いた映画なんだから、と自分をたしなめながら観てたら、最初は黙っていたヴォズニアック大司教が、泣きながら「最後に会ってたのはトランブレ枢機卿なんです」とローレンス(レイフ)に告白。

トランブレ枢機卿(ジョン・リスゴー)が次期教皇の最有力者というじゃないか。

ジョン・リスゴーならやりかねん笑(今まで悪役多かった)。

やはりサスペンス映画なの?ここで私の心が躍る笑。

ヒ素?とりかぶとを仕込んだ? →いらん情報だらけの脳笑

ここで観ていて思ったのが、亡くなった教皇を普通に死体袋に入れるからビックリ、しかも入れた後に袋ごとガムテープでがんじがらめ。

ええーーーっ。警察が入らないから、とにかく死因を特定するまでは誰にも触らせないためなの?

すぐに高級な棺に入れられると思い込んでた私はここでビックリ。最高峰だった人なんだからもっと丁重に扱ってよ~。

亡くなった教皇のお部屋も赤いリボンに赤い封緘(ロウで固める)をして封鎖する。

憲兵的な役割もするのかしら、主席枢機卿は。

死因を密かに探りつつ、世界中から枢機卿が集まってくる間に会場の設営などに追われる。

在任期間が短い人が続いたら、やり方も覚えているだろうけど、若くして選ばれた教皇とかだったらなかなか次のコンクラーベが回ってこないからやり方も忘れそう。

前教皇を尊敬していたローレンス(レイフ・ファインズ)は、自身はさらさら教皇になんてなる気がなく、ただこの役割だけはまっとうしなければと責任を感じていた。

彼のあわただしい息遣いや鼻息までもわざわざ収録していて、彼に重くのしかかった責任とストレスが観ている観客にも伝わる。

↑保守派のテデスコ枢機卿。

前教皇と同じような考えを持つ柔軟な思想のベリーニ(スタンリー・トゥッチ)枢機卿を推して、保守派のテデスコ枢機卿(前教皇を批判していた)を抑え込もうと考える。

いざ選挙が始まってみれば、人気に見えたベリーニにはなかなか票が集まらず、なぜか自分に数票入る。

↑ベリーニ枢機卿(スタンリー・トゥッチ)。

穏やかで優しく誠実なローレンスに票が入るのはムリもなさそうなのに、スタンリー・トゥッチが「君はなりたくないって言ってたのに、裏切るのか」みたいなひどいことを言う。

私だったらこんなこと言われたら友達辞めたくなるわい。

でもこんなひどいことを言った後、「こないだはごめん。 君もなりたいんだろ、ほんとは。なりなよ」みたいにプライドもなく発言をソッコー翻す感じでも、スタンリー・トゥッチが演じるとなんか憎めないキャラでいいのよね。

みんなエゴの塊で、とても聖職者の集まりに見えんのが面白い。

あんなになる気がないと言ってたローレンスも、自分に数票入ったことでつい夢見たのか、ベリーニ(スタンリー)に「君も教皇になった時の名前考えてるだろ、正直に言えよ」とツンツンされると、「よ・・・ヨハネ」

考えてたんかい!!と思わずツッコミしたくなった笑。

トランブレ(ジョン・リスゴー)は、南アフリカの枢機卿↑を蹴落とすために、彼が若い時にシスターとエッチしてして子が生まれたスキャンダルを持ち出そうと、遠くにいたはずのシスターをこの日に合わせてヴァチカンに転任させた。

予想通り、みんなの前で痴話げんかが勃発、彼への票は激減する。

こんな人たちが本当に教皇候補の人たちなのかと聖職者に「清き」を求めてる人にとってはイヤになるかもしれないけど、もともとそんなもんと思ってる私にとってはとっても面白い笑。

「生涯清いまま」なんて、きちんと守る人少ないと思うし笑(カトリック信者さん、すみませぬ)。

日本のお坊さんやプロテスタントみたいに、いい加減「結婚」を認めてあげたらこんな不祥事もなくなるのに。

日本の内閣見ててもそう思うが、国民や信者のことなんて、一ミリも考えてない感じ全開です笑。

だから、こんなの見ててイヤになったルター※が「教会じゃなく、聖書を基本に考えよう」とプロテスタントを始めたのにも納得いくね笑。(※宗教改革をしたマルティン・ルターのこと)

大組織は・・腐る笑。

太古の昔から人間は全然変わってないのよ、そこらへんはね笑。

ローレンスの予想を裏切る結果と、表向きの理想と本音の差

不祥事が連続で発覚して、ベリーニには優位にはなっていくけど、行事を取り仕切るローレンスの疲弊ははなはだしい。

こんなのが何日も続いたら、体がもたないよね。

そこに、前教皇から秘密裏に枢機卿に任ぜられたという、ベラテス(アフガニスタンの教区)が突如ヴァチカンへ。

いやいや、そんな紙一枚で、前教皇のサインがあるからって信じるの??(サスペンス映画の観過ぎで改ざんや、偽造がすぐ浮かぶ人)

ベラテスは無名であり、新教皇の候補にはならんだろうと思ったのか、ローレンスはあっさり彼を新しい枢機卿としてシスティーナ礼拝堂に入れることを許可する。

彼は理想を求めてこのヴァチカンに来たが、みんな自分のことばかりでげんなりし、親切なローレンスに投票し続けていた。

そんな自分を褒めたたえるベラテスの言葉に気をよくしたのと、スキャンダルにげんなりしたローレンスが「そんならいっちょ自分に投票してみるか」とドキドキしながら投票した瞬間、そこに自爆テロが発生し、真っ暗だった教会の屋根に穴が空き、光が差し込む。

舞う投票用紙。

あーーーーローレンスが自分に投票したのバレちゃう~(そこ?)

緋色のケープがホコリだらけになる中、有利になってた保守派のテデスコ枢機卿が、「ほーら、言っただろう? ぬるいこと言ってないでイスラム原理主義とは戦わねば」口々に組織の覇権争いのことばかり言い始めるのに対し、一同うなずく。

教会が破壊されたことで動揺した、柔軟な考えの方に傾きかけた人々も保守派になびきだす。

そこに無名のベラテスが、「理想を持ってきたけど、信者のことをまったく考えず、自分のことや組織の拡大のことしか頭にない人しかいないことに心底ガッカリした、二度とここには来ません!!」みたいな啖呵を切って、みんな呆然。

思わず日々考えてる本音を漏らしたところに耳に痛いことを言われた一同、静まり返る(一応そういうとこは聖職者ね笑)。

そんな図星みたいなことを言われた後って、人間は少しだけまっとうなことをしたくなりますよね笑。

自分一人だけが投票したところで、そんなことにはならないだろう・・・。

たぶん誰もがそんな気持ちで投票したと思う。

そして一時的に反省した人たち(人間そんなにすぐには変わらんから笑)の投票した票で、ベラテスが7割を獲得し、新教皇誕生。

みんな拍手はしながら、たぶん呆然としたと思う。内心ヤバい・・・ってね。

それもそのはずで、彼は白人ではなく、有色人種だったからね。

ローレンスは愕然とする。

私はここで終わってくれてた方が、作品の面白さが満点に近いままで終われた気がする。

想像を上回るラストと、ちょっと欲張った感あり

その愕然としていたローレンスにまた追い打ちをかけて、衝撃な真実がもたらされる。

実はベラテスは、インターセックスという両性具有?的な人だったのだ。

色々素性を調べさせていた補佐官からコンクラーベが終わって知らされたのは、彼はここに来る前、子宮の摘出手術をするためにスイスに立ち寄っていた事実。

保守派の考えを非難し、これからは開かれたヴァチカンであろうという前教皇の考えには共感したし、コンクラーベが始まった早々、そうスピーチもした。

それがまさか、本当に「白人で男」じゃない人がこれからTOPに君臨することを知り、自分がそこまでの覚悟も考えもなかったことを思い知ったんじゃないかな。

彼の静かな顔の中に驚きと落胆とどうしようという不安が、隠そうとしても漏れ出てくる複雑な表情から見て取れた。(ここがやはりレイフ・ファインズだから演じれると思う)

そうは言ったけど、まさか、そんな・・・本当に?っていう感情がね。

今はようやくそういう風潮が広がってきたけれど、人種も性別も性的志向も「平等だ」と口で言うのは容易いし、自分もそういうのは理解していると思いこんでる人は多い。

でもいざ自分の身近にそういう人が現れたり、いきなり何千年と白人の男性だけで守られてきた組織のTOPに就いたと知ったら、「あなたは心穏やかでいられますか?」という定義が投げかけられたんじゃないかな、ローレンスの心中を通して。

多様性のこと、本当の意味で受け入れられてますか?ってね。

私はもし息子から性的マイノリティと突然告白されたら、きっと衝撃を受けるし落ち込むと思うけど、最終的には受け入れるだろうな。

でも受け入れることが出来ない親がいたっていいと思う。

受け入れられないけど、子供は愛している、そういう考え方があってもいいと思う。

なんでも受け入れないといけない、許さないといけない、という風潮そのものが逆に「平等」じゃないと感じる。

白人だらけの映画があってもいいじゃない。嫌いな人がいてもいいじゃないか。

そんなのを一切認めない世の中をヨシとしようとするのは、それこそ異様だと思うし、多様性という名ばかりの大いなる偏りを生み出していると思う。

そういう人が身近に増えてきて「慣れてくる」からこそ、初めてそれが「普通」になる。

最初は変な言い回しだったものが、みんなが使うようになると「広辞苑」に載るように、受け入れた人と受け入れられない人が色々いるのが「人間界」なんだから。

なんでも「清廉潔白」を求めるんじゃない。それこそが「同調圧力」ということに気づいていない。自分は一切間違えないのか?

間違うから人間だと思う。そんなきれいごとばかりを先行させず、まずは身近な人を傷つけない、そこからじゃないのかな。

傷つけてしまったら謝る。それでイヤになったら離れる。シンプルでしょう、他人が介入することじゃない。

コンクラーベの最初にローレンスが言ったことこそ、人間界の真髄で、信仰の基本だと思う。「間違い、疑うことが大事。確信や信じて疑わないことこそが怖い」

ほんとにそう。

今は煙草を吸う人を非難することが正義みたいになっているけれど、きちんと喫煙所で吸ってる人をイヤな目で見る人は、性的マイノリティを非難する人と同じだと客観的に気づかないといけない。

人は「多勢」になると、とたんに「少数派」に強く出る。

自分もその一派になってるんだと気づくことが大事です。

それこそが、いつまでも平和に暮らせない人間の根幹ということに。

映画『教皇選挙』煩悩だらけの映画トーク

アメリカ人の教皇(法王)が誕生しましたねー!!すごい。

映画でもイタリア人の枢機卿が愚痴を言うんだけど、「ヴァチカンはイタリアにあるのに、全然イタリア人が教皇に選出されない」ってね。

やっぱり信者としては、自分の国から教皇が出るのは喜ばしいことなんだろうね。

カトリック教会絡みの話が好きな私にとって、今回あますところなくコンクラーベの方法と、ヴァチカン市国の様子がよく分かって存分に楽しめたのですごくよかった(ロケは出来ないから話を聞きつつ再現したのだろうけどそれもすごい)。

ダン・ブラウンの小説を映画化した『天使と悪魔』や『ゴッドファーザーPartⅢ』で、コンクラーベの存在は知ってたものの、世界中から枢機卿が集まるところから始まる本作は、その規模や雰囲気が十分に味わえてよかった。

ゴシックの総本山のヴァチカンなのに、枢機卿が泊まる部屋は普通のモダンなホテルみたいな場所なんだとか、そこからバスに乗ってシスティーナ礼拝堂に毎日通うんだ、とかね。

システィーナ礼拝堂の扉に鎖をグルグル巻きにして厳重にカギをかけるのは知ってたので、そこに寝泊まりするものだと思ってたけど、「通う」と知ってビックリ(どんだけ広いんだよ)。

ご飯を作ったり世話をするため、これまたたくさんのシスターが来るのにも驚いた。

外部から業者を雇ったら選挙の経過が漏れたりするからだろうね、極力身内で済ますんだろう。

ラビオリとかを一から作るのもさすがイタリアって感じで美味しそうで観ていて楽しかった。

ただ、枢機卿たちは、すれ違ってもシスターの存在を一切無視するというのにも驚いた。

挨拶くらいしたっていいのにね。

閉ざされた世界。男だけの世界。女だけの世界。そんな世界は謎めいていて、そこになんでも「平等」を持ち込む気は私にはない。むしろそんな世界は残していてほしいとも思う。

ただ酒造りの世界もそうだけど、伝統は素晴らしいけど、その伝統を守るためには、時代の変化を少しは取り入れていかないと残したいものまで消滅してしまうことはあると思う。

デザイナーを雇ったり、昔のいい味も残しつつ今の人に売れる味を研究したりね。

「そんなのはダメ!」と一方的に相手のやったことや考えを否定するとそのもの自体を廃除したくなるし、「ああその考えもあるんですね、わかります。でも私はこれを残したい」と相手を認めると、意見も通りやすくなるし、相手も受け入れやすくなる。

これは古いものを残したい人にも言えるし、多様性を広げたい人にも言えることだよね。

なんでも便利になった世の中だからこそ、この回りくどいやり方自体が「芸術」に見えるし、大事なものは残しつつ、少し変化を受け入れながら残したいなと思わせる方法を取るのが、大事じゃないかな。

今回は有色人種が教皇になっただけでもすごいことなんだから、それで終わってくれてたら良かったかな。

インターセックスというのも加えちゃったから、なんか昨今の事情を盛り込み過ぎてアカデミー賞狙いなのがツンと匂って、そこは欲張り過ぎた気がした。

そこだけ残念な気がしたけど、サスペンス映画としても文句なく、面白かった♪

ところどころ、クスッと笑えるシーンも楽しいです。

映画『教皇選挙』キャスト

@『教皇選挙』(2024年 米・英)

トマス・ローレンス・・・・・レイフ・ファインズ

アルド・ベリーニ・・・・・・スタンリー・トゥッチ

トランブレ枢機卿・・・・・・ジョン・リスゴー

テデスコ枢機卿・・・・・・・セルジオ・カステリット

アディエミ枢機卿・・・・・・ルシアン・ムサマティ

ベニテス枢機卿・・・・・・・カルロス・ディエス

シスター・アグネス・・・・・イザベラ・ロッシリーニ

【2025年】ジャスミンKYOKOの映画私的ランキング

1位・・・・・『教皇選挙』

2位・・・・・『ビーキーパー』

3位・・・・・『セプテンバー5』

4位・・・・・『アプレンティス ドナルド・トランプの創り方』

5位・・・・・『ファイアーブランド』

6位・・・・・『LONGLEGS』

7位・・・・・『フライト・リスク』