こんばんは、ジャスミンKYOKOです。
蹴鞠(けまり)は知ってたけど、「打球(だきゅう)」※は知らなかったなあ。
※ペルシャから伝わった遊び。馬に乗ったまま玉を杖で打ち、ゴールに入れる球技。
今回は公達の遊びを姫君らが見学。(ここはかなりのフィクションだろうが、そんなこと関係ないくらい面白いよね笑)。
公任くん(町田啓太)の鍛えられた上半身も観れて大満足(はんにゃ金田の裸は不要だけど)♪
『光る君へ』は、ワクワクするエピソードがてんこ盛りな上に、登場人物のキャラがそれぞれ立っていて魅力的だから、観ずにはいられない。
今回の記事のお供は、「醍醐寺」の「しだれ桜の夜間特別拝観」です。
『光る君へ』前回までのストーリー
まひろ(吉高由里子)は、道長(柄本佑)に母の亡くなった経緯と道兼(玉置玲央)への恨みを告白することで、今まで自分を罰していた思いに踏ん切りがつき、左大臣家に目的を持って出向くことにし、強く生きようと決心する。
宮中の公達の関心が花山天皇(かざんてんのう。本郷奏多)に向いてることを道長から聞かされた道隆(井浦新)は、若者の興味を右大臣家に向けるべく、漢詩の会を催す。
この先後世に紫式部と共に名を残す清少納言(せいしょうなごん。ファースト・サマーウィカ)と同席したまひろは、道長の漢詩に込めた自分への思いにときめくと同時に複雑な気持ちになる。
床に伏せていた花山天皇の正室よし子(井上咲楽)が、おなかの御子と共にとうとうみまかると、帝は取り乱す。
その頃、宮中に忍び込んだ盗賊(直秀の一味)を捕らえようと道長の放った矢は直秀(毎熊克哉)の腕に命中・・・・。
詳しいお話は前回のレビューで→『第6話 二人の才女』
『光る君へ -7話- おかしきことこそ』ネタバレ感想
脇役の小さな役もキャラが立っている
面白いドラマって、主役の人はもちろん、脇役の小さな役の人も魅力的なのよね。
『光る君へ』は、俳優から始めるより芸人になった方が大河ドラマへの近道なんじゃないかというくらい、芸人さんがたくさん出てる。
まひろの従者の「乙丸(おとまる)」(矢部太郎)は、ほんとかわいい♪
まひろに忠実で、いと(信川清顧)に黙って道長からの文をまひろに渡した時のやり取りも面白いもんね。
「いとさまは、惟規(のぶのり)様の乳母(めのと)で、まひろ様の乳母ではないと思ったので」
あのとぼけた顔がとってもキュート。
道長と従者の百舌彦(もずひこ)のやりとりも面白い。
従者が気軽に言葉を発してもいい空気を出してる道長のユルさがまたいいのよね。
「以前、まひろ様に届けた文はどうなったんでございますか?」
「振られたー」
この従者をまじえた会話も楽しいし、為時(岸谷五朗)に感謝されたとたん女主人のようにふるまう「いと」も面白い。
為時が藤原兼家から頼まれた帝への間者(スパイ)を辞めた時も、「間者のままでいてください!!もうあのようなみじめな思いはしたくありません!!」
こんな風に乳母がデカい態度を取れるのも、為時の人の良さが成すものだけど。
この小さなコミカルなやりとりがところどころに散りばめられていて、いつもクスッと笑えるのもこのドラマの魅力になってるよね。
平安男子のクラスマッチを、まひろと一緒になって応援する
「打球(だきゅう)」って、知らなかったなあ。
未婚の女子があんなに堂々と外で公達を観ることなんかありえないけど、そこはドラマゆえ、大目に見るよね笑。(平安時代の高貴な身分の未婚女子は御簾越しでしか殿方を見ることが出来なかった)
あんな町民運動会みたいなテントがあったとも思えないけど、なんかこのロケきっと楽しかっただろうな。
この女子たちのキャーキャー言う気持ちわかるわあ。
女子はカッコいい男子を観るの好きだけど、男子同士が戯れてる姿を遠くから眺めるのも好きなのよね。
今は「男も女もない」って区別することを許さない世の中だけど、やっぱり性別の傾向ってあると思うのよ。
「出世」とかが絡まない時の、無邪気にはしゃぐ男子たちの姿が眩しく見えるのは、陰湿な世界に住んでる我々(女)サイドの憧れから来る羨ましさもあると思う笑。
あー男子みたいに泥だらけになって、無邪気に笑い合いたいって。
あの4人の公達の馬に乗ったスローモーションとか、ドラマファンへのサービスショットよね。
私の高校生時代のバレーボールのクラスマッチ(クラス対抗試合)を思い出したわ。
あの時は女子クラスだった私と仲間女子は、自分のクラスの応援をほっぽりだして、好きな男子のいるクラスの応援に行ってた笑(薄情すぎる笑)。
キラキラはしゃぐ男子たちの眩しさったらね、最高だったわよ。
こういう時ってね、好きな男子と仲いい男子のこともひいき目に見ちゃうのよね笑。
「○○くんと仲いいのなら、きっとあの人もいい人なんだわ」(とんだひいき目)
「行かない!」とたんか切ったくせに、つい観に行っちゃったまひろの気持ち、わかる~。
恋もドラマも盛り上がるエピソードが秀逸
馬に乗ったまま、まひろを想う2人の男(道長と直秀)が、彼女を横目で見る。
たまりません!!
少女マンガって、お互いが「好き」を自覚するまでが、「第一の盛り上がり」で最高に楽しいのよね!!
「第二の盛り上がり」は、「好き」と気づいてしまった後の気まずさや照れからくる素直になれない葛藤(7話はここ)、「第三の盛り上がり」は、身近な女の裏切りや、誤解が生まれて離れてしまうことになったりと、悲しいシーンが多発してくのよね。
マンガの主人公の男も女も鈍いから、自分を好いている男や女をいいように利用してたりするわけよ。
陰ながら主人公を支えている男は相手の幸せを願ってはいるものの、やっぱり二人が幸せになってくのを見て内心傷ついてたりするから、主人公の女の気の持たせっぷりにイラッとも来るのよね笑。
「お前は主人公の男だけ見とれ!」と、影で支えつつも傷ついてる男の味方をしてしまう笑。
それがあまりにも長く何回も繰り返されると、「王家の紋章」※(マンガ)みたいに、読んでるこっちは一番キライなキャラがなんとヒロインになってしまい、途中で応援したくなくなるという現象を生む笑。
※連載40年以上続いてるすごい少女マンガ。古代エジプトに現代からタイムスリップした少女がファラオ(王)に見初められ王妃になる。最終回まで描いてくれるかが不安なマンガ笑(漫画家が70歳以上)。
今回もやはり、公達の出世しか頭にない会話を聞いてしまったまひろにいち早く気づくのは、直秀なのよね。
まひろを愛しいつも気にかけているからこそ彼女の異変にすぐ気づき、彼女の幸せを願うあまり自分の気持ちを押し殺してしまう。
彼女が自分の方には向いていないと分かってても、助けずにはいられない。
だから助けると同時に傷ついている直秀をついつい応援しちゃう。「私は観ているよ!」と笑。
結婚を意識しだした年頃の男女が考える脳内は、今も昔も同じ
「女は家柄が大事。」
「家柄がいい女は嫡妻(ちゃくさい。正妻)にして、後は好いたおなごのとこに通えばいい」
などと、ひどい本音がぞろぞろ。
打球が終わった男子チームが、こんな話をするのを聞いてしまうまひろ。
ここだけ見ると、公任(町田)も斉信(ただのぶ。金田哲)もかなり酷いヤツ!と思いそうだが、女子のロッカールームよりマシ笑。
若い時は純粋な恋もあるだろうけど、こと結婚となると「経済力」や「生きるチカラ」「世渡り力」など色んなことが気になってくるのは、人間の子孫繁栄と世代を受け継いでいく本能なのかもよね。
若い時から仙人のように悟りきっていても人生はつまらないからね。煩悩、大事!笑
それにしても、平安は女子の家に婿入りする形式だったから女の家柄が大事だったけど、昭和は完全に「嫁入り」が圧倒的なシェアだったはず。
いつの時代から「嫁入り」がスタンダードに変わったのだろう。やっぱり武士の時代になってからなのかな(今はまた婿入りも嫁入りもどっちがスタンダードという風でもなくなってきたけどね)。
『光る君へ -7話- おかしきことこそ』煩悩だらけのドラマトーク
政治や会社においての男の腹の探り合いも、平安時代からちっとも変わってない。
為時みたいに右大臣の上っ面だけの言葉を信じ、間者の役目が終えられたことをぬか喜びしてしまうような人に大黒柱を任せるのも危なっかしいよね笑。
この時代は、官職が得られないと食べていくのも難しくて、生死に関わるし。
やはり、こんなコネや世渡りが大事な狭い世界では、藤原宣孝(佐々木蔵之介)くらいの鋭さがあったり、道長みたいにひょうひょうとしていてちゃんと見るとこは見てる、みたいな人の方が安心できるよね。
で、兼家(段田安則)ほど性根が腐ってない男がいい。
アダルトチルドレンの道兼(玉置玲央)は、かわいがられて育ってないから、承認欲求ありすぎて兼家にはいいように使われ、兄の道隆(井浦新)には優しい言葉をかけられて懐柔させられる。
兄ちゃん、ほんとに道兼を気の毒に思って励ましたんならいいけど、きっとお父さんが亡くなった後も道兼を利用するために慰めたような気がするなあ。
あれはあれでモヤッとするわよね。でも兄弟で政治の地位を奪い合わないといけないから、そうも言ってられないか。役職の数も少なそうだし。
父には「認められたい」、兄には「この人だけはわかってくれる」という気持ちで、世代交代してもいいように利用されていくんだろうね、道兼は・・泣。(ちょっとかわいそう)
つくづくこの時代じゃなくてよかったわー。
人が良すぎると利用され、人が悪すぎても敵が増えて命を狙われかねないから、兼家みたいに悪夢にうなされることもあるかもね。
財前直見(兼家の妾)が、チャンスとばかりにうなされて起きた兼家に「道綱(みちつな。兼家の妾の子)をよろしく頼みます、大丈夫大丈夫」って睡眠学習ばりに暗示かけてるのが笑った笑。
クスッと笑えて、ドキドキキュンキュンもあり、ハラハラもある。この脚本家の人、すごいな♪