『ファイアーブランド ヘンリー8世最期の妻』(ネタバレ感想)あれはジュードの尻か?問題

ジャスミンKYOKO

こんばんは、ジャスミンKYOKOです。

『ファイアーブランド』観てきました♪

こういう中世のヨーロッパを舞台にした映画は大好き。

イギリスが舞台で主役は、かの悪名高きヘンリー8世!!しかも演じたのはジュード・ロウ。観ない選択肢はない!(正しくはヘンリー8世の妻役のアリシア・ヴィキャンデルが主役)

ジュード・ロウはヘンリーの体型も体臭も再現してがんばってたみたいだけど、映画が臭さ全開でちょっとイヤだった笑(臭さを確かめたい人は映画を観てね笑)。

映像なのに表現だけで臭さが伝わるってある意味すごいわ笑。

この時代を描いた『ブーリン家の姉妹』とまではいかなかったけど、面白かった!

中世の衣装も、ブーリン家ほどはお金はかかってないけれど、近年にしてはゴージャスだったと思う。衣装やインテリア、小物も見ごたえあったので、そこも注目してくだされ。

映画『ファイアーブランド』の評価

私の個人的な思考による評価です笑 星は7段階で評価します

私の評価★★★★★☆☆ 
こういう中世ものはほんと、大好き。ジュード演じる
ヘンリー8世もかなり肖像画に似せてて頑張ってた。
6番目の妻は知らなかったので勉強にもなった♪
観るのにオススメな人◆ジュード・ロウのファンの人
◆アリシア・ヴィキャンデルのファンの人
◆中世ヨーロッパの歴史物が好きな人
◆貴族のファッションを楽しみたい人
暴力性・残虐性★★★☆☆☆☆
処刑された、とか口では伝えられるものの、
首がなくなるとかの描写はない。
ヘンリー8世の腐った足の画像あり。
エロ度★★★★☆☆☆
ヘンリー8世のセックスシーンが2回ほど出てきます。
品のない下ネタな会話もあります。
感動度★★★☆☆☆☆
最近、中世の映画ってあまりないから嬉しかった。
泣くような感動シーンはないものの、暴君の下で働く者の
大変さとハラハラは出てたし、ジュードの頑張りも◎。

映画『ファイアーブランド』ストーリー

16世紀のイギリスの、ヘンリー8世の統治下、テューダー朝の宮廷を描く。

暴君で知られたヘンリー8世(ジュード・ロウ)の元に嫁いだ6番目の王妃キャサリン・パー(アリシア・ヴィキャンデル)の生涯を描く。

今までの王妃を離婚、追放、処刑してきたヘンリーのそばにいながらも、プロテスタントの信仰を忘れず、前妻の子もいつくしむキャサリン。

彼女は、英国国教会の主教たちからは煙たがられ、周囲の貴族もその権威を奪おうとしていた・・・。

↓ここから先はネタバレ感想です。

映画『ファイアーブランド』ネタバレ感想

ジュード・ロウ、頑張ってた!!

イギリス俳優の重鎮になった感あるよね。きっちゃないヘンリー8世を観ると、美しかったジュード・ロウとの差と年月を恨みたくはなるけどね笑。

映画の内容が飛ぶほどの衝撃、ジュードの尻なのか問題

ヘンリー8世を再現しすぎて体がデカくなってて、「無理して太ったのかしら?戻らないからやめて!(無理して太って役作りをした俳優が二度と元の姿に戻らない姿を散々観てきたので)」

映画を観ながら、もうあのカッコいいジュードは観れないのか、と不安がついてまわった。

それもそのはず。

この映画の主役、ヘンリー8世の6番目の妻キャサリン・パー(アリシア・ヴィキャンデル)とのセックスシーンが衝撃だったからだ。

一緒に観に行った友達は、「あれを観た瞬間、映画の内容が一瞬飛びました」と言ってた笑。

暗闇にヘンリー8世の白い尻だけが浮かび上がり、腰を振っている・・・。

えーーーーーっ あの尻、ジュード???ウソやろ!?誰か!ウソと言って!!

ものの見事にダルダルッに垂れてブヨブヨに太ったデカい尻と太もも。

美しいジュードに惹かれ、今までジュードが出てると言われれば観に行っていたファンとしては、ウソだ、ウソに決まってる、あんな尻がジュードの尻なワケない。

信じたくない。あそこまでほんとに太ってないよね。

先に観ていた同僚女子から「尻が出るよ。本当にジュードの尻か確かめてきて!」という指令を受けては来たが、これほどとは笑。

あまりにもひどい尻だったが、私は「ジュードの尻ではない」ということに結論付けた(何を基準に)。

参考のために、一緒に観に行った友達女子あと2人にもアンケートを取ったが、2人も「あれはジュードの尻ではないと思う」と意見一致。

同僚女子にその結果を伝えると、「よかったーそうだよね。でもさ尻の代役に選ばれるって悲しくない?尻でギャラいくらもらえるんやろうか」(そっち?笑)と言ったので、死ぬほど笑った。

劇中、自分のジュードへの尻ではない結論を揺るがすくらいに、太ももが恐ろしく太かったり、タイツの足の太さが目立ったのは事実だ。

あれは『猿の惑星』シリーズとかで使われたモーションキャプチャー(動きに合わせて別人のCGを貼り合わせる技術)かもしれんと思うことにした。

だって、最近アップされたアマゾンプライムの『オーダー』という映画の広告では、いつものほっそりジュードだったからだ。

こういう技術が発達するのはいいね、ラッセル・クロウみたいに30kg太ってもう、戻らないという恐怖がなくなるから笑。

※映画『インサイダー』で、30kg太って役作りをしたが、その後、二度とその前の姿に戻ることはなく、今はオデブ俳優として活躍している笑。

暴君ヘンリーに見初められた6番目の妻キャサリン・パー

さて、あまりにも「尻」の衝撃がすごかったので、本題からそれまくったが笑、この『ファイアーブランド』は、暴君で知られるヘンリー8世の最期と、その最期の時期にいた6番目の妻のお話。

ヘンリー8世を描いた映画と言えば私が浮かぶのは、『ブーリン家の姉妹』。

ヘンリーの2番目の妻アン・ブーリンを描いてて、まだこの頃の若かったヘンリーをエリック・バナが演じていて、カッコいい。

こんな王様なら、ひどいことされても平気~というほどのカッコよさなんだけど(オイ)、今回の映画は、落馬の古傷が原因で足を悪くし過食も進んで巨大化し肥満が深刻なヘンリーをジュードが演じています。

ヘンリー8世が暴君と呼ばれるのは、気に入らなかった者を次々と処刑し、王子を産めなかったり愛が冷めたりした妻と離婚したり処刑したりと、とにかくやりたい放題だから。

アン・ブーリンと結婚したくなったヘンリーは、最初の妻のキャサリンと離婚(正式には結婚を無効とした)するために、英国国教会をローマのカトリック教会から分離し、国教会のTOPをローマ教皇から国王に変更したのだ(カトリックは離婚できないため)。

自分の欲望のために国の宗教の在り方も変えるヘンリー・・だから暴君と呼ばれるのだけど、映画の題材にはもってこいだからよく描かれるのかもね。

最初の妻は離婚、2番目の妻アン・ブーリンは処刑、3番目の妻はお産で亡くなり、4番目の妻は肖像画と似ても似つかなかったから結婚後すぐ離婚(今でいう加工詐欺?笑)、5番目の妻は処刑、で、今回のアリシア・ヴィキャンデル演じる6番目の妻がキャサリン・パー。

オレ様キャラは、自分のしたいようにするから(今のトランプみたいにね笑)、すぐ言いなりになる女だと物足らないから、教養のある会話に手ごたえのある女を落とすけれど、政治に口を出して来たらイラっとする・・要するに自分勝手。

でも、キャサリン・パーの時はヘンリーも年取って少しは丸くなっていたからか、フランス遠征時に彼女に摂政を任せたりする。(もしかしたらキャサリンの能力を買ってたわけではなく、自分の権勢を守るためだったのかもしれないけど)

キャサリンが治世も出来る女子として描きたかったのはわかるけど、会議で予算を編成する時に、「はい、増税ね」で終わるのには笑った。

いや、そんな政治ならあんたじゃなくても出来るやろ、工夫をしなさい、工夫を。とツッコミたくなった笑。もっと賢さを描く方法なかったの?笑。

キャサリンの元で、ヘンリー8世の今までの妻が産んだ子が勢ぞろいして一緒に生活してたので、そんなこと本当にあったの?(みんな血がつながってないしライバルよね)と驚いたけれど、後でWikipediaで調べたら、キャサリンが散らばってた子供たちを呼び寄せて一緒に暮らし勉強を見てたりしてたのは事実らしい。(画像左エリザベス、右がメアリー)

最初の妻(離婚)の娘メアリー(後のメアリー1世)、2番目の妻(処刑)の娘エリザベス(後のエリザベス1世)、3番目の妻(産褥死)の息子エドワード(後のエドワード6世)が一緒に暮らしてた時期があったなんて、この映画で初めて知った。

なかなかそれは出来ないことだよね。自分に子が出来たら他の子が即位するのを喜べるのかな、広い心の持ち主だったのか・・・。

それともみんなを集めてヘンリーのいないところで反旗を翻さぬようにしていたのか。(反感を持った貴族に持ち上げられて挙兵とかもあり得るからね)

でも史実では庶子(一般市民)になってたメアリーとエリザベスに王位継承権を復活させるのをヘンリーにお願いしたらしいから、本当に優しい心の持ち主だったのかも。(後の強いイギリスの基礎になる女王たちだからキャサリン・パーの功績はすごいよね)

英国の宗教と王族や貴族の関係が難しすぎる 知識総動員で観た

キャサリン・パーが最終的に何をしたかったのかは、決定的な行動をしたわけではないからよく分からないけど、映画はたぶん憶測で描いたんだろうね。

熱心なプロテスタント(キリスト教の新教の信者)だった彼女は、信仰の自由を訴えていたプロテスタントの伝道師アン・アスキュー(この映画では友達として描かれる↑画像右)と会った事実が判明し「反逆者」として英国国教会の主教からやり玉に挙げられる。

主教としては王妃がプロテスタントという事実が怖かったのかもね。

王亡き後は次の男子はエドワード6世で、キャサリン・パーの影響もあってプロテスタントだし、もしキャサリン・パーの子が生まれて宗教改革でもしたら自分たちの権威が失われるかもしれないからね。

で、映画の途中で少し疑問に思ったのよ。

あれ、ヘンリーってカトリック教会から離脱してプロテスタントになったんじゃなかった?って。

帰って調べてみると、ヘンリーは熱心なカトリック信者で、アン・ブーリンとの結婚のためだけにカトリック教会から離脱しただけで、英国国教会は経典や行事そのものはカトリック時代のものをそのまま使ってたらしいから、真のプロテスタントとは毛色が違ってたんだって。(離婚OKというところだけ使いたかったんだろね)

アン・ブーリン(カトリックから離脱した原因)も亡くなったから、ローマ教皇からもまあまあ許されてたんだって(なんじゃそりゃ)。

だから、ラテン語の経典(カトリックはラテン語)を重んじて、英語に翻訳した経典(プロテスタント用)を禁止してたのかーと納得。英語使ってるなら英語版が便利やんと劇中不思議だったもん。

無駄口は命取りとしみじみ感じた中世 でもこの時代の映画は面白い

宮廷に出入りしてただけで(キャサリン31歳)、51歳の王に見初められて結婚しなきゃならないなんて(この時代断れないよね、ジジイとなんてイヤ!!とか笑)、美人過ぎるのも大変だわね笑。

だから婚約者だったトマス・シーモアと引き離されて、巨漢のジジイとエッチせんといかんなんて辛すぎる・・・。

この辺の英国の王族の移り変わりと、貴族の関係性が複雑なので、色んな映画を観てきた知識総動員で観た。

シーモア・・・ってジェーン・シーモアと関係あるのかなと思いながら観てたら、そうだった。

ヘンリー8世の3番目の妻(産褥死)ジェーン・シーモアの兄だったのだ。

この時代の後、9日間で打ち首になった女王ジェーン・グレイと、3番目の妻ジェーン・シーモアを混同し???となりながら観てました・・(イギリス王室の歴史は複雑すぎて覚えきらん泣)。

こういう宮廷に生きてると「無口」が一番安全だねえということで、友達と意見一致した笑。

宮廷なんて、侍女や執事がウロウロしていて、寝所の近くにもいるわけだから、下手なこと口にすると、チクられて明日は打ち首獄門笑。

映画ではヘンリー没後のキャサリン・パーのその後は描かれなかったけど、史実では無欲な人だったのか宮廷生活がイヤだったのか、かわいがってた義理の息子エドワードが即位したらすぐに宮廷を去ってトマス・シーモア(↑右)と再婚したらしい(映画ではトマスがキャサリンを密告したみたいにはなってたけど)。

そう考えると、時代や欲望に流されたりしない一本筋の通った女性だったかもしれないね。

「反逆罪」で国教会の主教から訴えられて、プロテスタントの本を急いで隠してたからヘンリーに色々意見してる割にはアン・アスキューほどは覚悟が出来てないのねとちょっと思った私(女に厳しすぎる)。まあ、私も隠すやろうけど(なら言うな!)。

ヘンリーに意見はするけど、ほんとに改革をしたいってわけではないのか、とちょっと描き方が中途半端ではあったけど、ヘンリー8世の壮絶な最期は楽しめたし、宮廷の華やかな感じは良かった。

やっぱりケイト・ブランシェットの『エリザベス』や、『ブーリン家の姉妹』に比べると華やかさは負けちゃうけど、昨今の映画界の事情で予算がかけれないのはわかるから、これからも予算少なめでもいいから頑張ってこういう中世の映画を作り続けてほしい。

またもや黒人の侍女がいて、とっても不自然でイヤだったな(この時代、黒人の侍女なんていない。昨今のダイバーシティ的な配役事情です)。

壊死しかけた足でちょっと触れただけでも激痛が走るヘンリー8世、それに加えもともと気分屋、キャサリン・パーもそばにいるのはきつかったろうだろうね。

離婚できる日本は素晴らしい笑。

映画『ファイアーブランド』ジャスミンKYOKOの煩悩だらけの映画トーク

ジュードはヘンリー8世を演じるにあたって、当時の体臭を再現した香水を身に付けて挑んだらしいけど、ジュードにとっては「意気込み」を伝えることが出来るから利点はあるけど、一緒に演じる人は地獄だよ笑。

でも、足が腐ってすごい異臭を放ってたヘンリー8世に接する貴族のしかめっつらはごく自然にジュードのニオイがもたらしたものかもしれないね笑。

壊死が全身に巡り糖尿病などいくつも持病があったヘンリー、キャサリン・パーに看取られながら息を引き取った・・・というラストは、キャサリンがもう動けないヘンリーの首を羽交い絞めにして息の根を止めた・・・的な描かれ方だった。

たぶん史実とは違うだろうけど、まあ最後は歩けずいつも運ばれてたらしいから、恨みを持った女からこうされても仕方ない、そんな可能性もあるかもねと思った。

アリシア・ヴィキャンデルもマツエクやマスカラなしの素顔に近いメイクで頑張ってた。それでもカワイイからいいよね。

アリシアはこういう中世の美人役が似合うので、こういうのに出続けてくれたら嬉しい(アクション映画には出ないでね)。

好色のヘンリーが、パーティで気に入った女の口に指を入れて、その指のにおいを嗅いだ時、うへええーーーージュード、やめんかい!!と思った笑。悪趣味!まあ、ヘンリーのイヤな感じを出したかったんだろうが・・・・。

色々下品なことも多々ありますが、中世の歴史とファッションが好きな人には楽しめます。

【2025年】ジャスミンKYOKOの映画私的ランキング

1位・・・・・『ビーキーパー』

2位・・・・・『セプテンバー5』

3位・・・・・『アプレンティス ドナルド・トランプの創り方』

4位・・・・・『ファイアーブランド』