『クーリエ 最高機密の運び屋』スパイ映画でありながら、友情にもグッとくる

こんばんは、ジャスミンKYOKOです。

米ソの冷戦時代のスパイものと聞いたら行かないわけにはいきませぬ!!

明るいアメリカと暗いソ連(旧ソビエト連邦)の対比がたまらない。

「クーリエ」とは「配達人」を意味するが、密偵(スパイ)という意味でも使われることがあるらしい。(情報の運び屋だからね)

ごく普通の東欧に出張で行くようなサラリーマンを国家の最高機密を持ち出す運び屋として使うなんて、CIA(シーアイエー。アメリカの諜報部)やMI6(エムアシックス。イギリスの諜報部)も無謀だなあ。実話だからビックリするよね。

それを引き受けたグレヴィル・ウィンって人、ほんとすごい。(まあ、一度目をつけたら、断ったとしてもどんなことしてもやらせるだろうけどね)

私だったら、絶対ソ連にスパイに行くのヤダ!!

怖いもの見たさで行ってみたいけれど、行くならツアーで行きます(ロシアになっても怖い。映画の見すぎで妄想がすごいのとちゃんと国に帰りたいから笑)。

冷戦時代にキューバ危機、スパイと好きなものてんこ盛りだったので、点数が甘くなっています笑。

007やミッション・インポッシブルのような派手さはないけど、こういうのが本当のスパイなんだろうなとじわじわ楽しめます。

ゴリゴリのスパイものというより、人間ドラマよりと思って映画館に行ってね。



ストーリー

1962年、アメリカとソ連の冷戦の対立は日に日に増していく。

CIAとMI6は、アメリカの目と鼻の先のキューバに、ソ連の軍事基地があるらしいという情報をキャッチ。

しかも核兵器があり、アメリカは当然射程距離に入ってくる。

この「キューバ危機」と言われた戦後最大のアメリカのピンチは、ケネディとフルシチョフの会談によって、脱することに成功する。

その陰の功労者にイギリスのセールスマン、グレヴィル・ウィン(ベネディクト・カンバーバッチ)がいた。

ソ連や東欧に営業でよく周っていたグレヴィルに目をつけたCIAとMI6は、彼にスパイ行為を依頼する。

ソ連のGRU(軍事参謀本部)の高官ペンコフスキーとの接触が始まり、情報交換をするうちに友情が芽生えていく。

 

冷戦時代とキューバ危機というだけでかなりの高得点


⇧ソ連のGRUの高官ペンコフスキー(左)と普通のサラリーマン、グレヴィル(右。ベネディクト・カンバーバッチ)。

スパイ物が好きな私にとって、米ソの冷戦時代を描いた映画は大好物。

あらすじなどほとんど知らなくても映画館に出かけていきます笑。

ケネディの「キューバ危機」関係の映画はたくさん見たけど、裏にこんな一般人の貢献者がいるとは知らなかった。

ソ連の暗い感じと、KGB(ケージービー。ソ連諜報部)の視線とか、ゾクゾクします♪

冬のコートとウォッカの飲み合いも最高。

初対面の時、ペンコフスキーが「ソ連で必要なのは・・・・」ドキッ。

「酒が強いことだ」と言って、大役を担わされたサラリーマングレヴィルの張り詰めた緊張感をほぐしてあげたシーンが良かったなあ♪

こういうやりとり大好き♪

 

サラリーマンのあなたが、スパイを頼まれたら?


⇧ペンコフスキーを含んだロシアの一行をイギリスに招いたグレヴィル。右は奥様のシーラ役。

一般人のグレヴィルもすごいけれど、すぐ粛清(しゅくせい。TOPの気にいらない者は処刑されること)するような国なのに、いくら世界平和のためだからといって裏切ることを決めたペンコフスキーはすごい。

家族も処刑されたりする危険もあるというのに、変に正義感があると苦しくてたまらないだろうね。

ロシア革命※の時に、父親が反共産主義側だったというのにも影響を受けているかも。

※ロシア革命・・・ロマノフ王朝を倒し、レーニンが実権を握り、共産主義になる礎となった革命。

ソッコー権力が強い方に染まるような人の方がラクかも。

逆鱗に触れたら何をやらかすかわからないフルシチョフが書記長(ソ連のTOP)になってからというもの、彼は世界を核兵器の脅威にさらさないため、アメリカに協力するメッセージを伝え、秘密裏に資料を入手しつづけた。

悲しいのは、グレヴィルはこういう映画で讃えられることがあっても、ペンコフスキーの世界平和の功績は讃えられることはないということだ。

スパイの情報のやりとりに心ときめく

ソ連の米国大使館でも盗聴される可能性があり、映画『裏切りのサーカス』でも出てきた、盗聴防止の箱のような特設の部屋が出てきてテンション上がります!

私ももしロシアに旅行することがあったら、部屋に音楽を鳴らしっぱなしにしとかないといけないかしら(こんな鈍くさいスパイはいない笑)。

隠し引き出しとか、文書の受け渡しに使う小物とか最高です。

海外旅行で、中国の空港で指紋を取られた時、「あーーーーもう私は中国のデータベースに載ってしまった!!知られてしまった!」と怖かった笑(あんたの情報なんて大したことないって笑)。

アメリカでも取られたけど、社会主義国の方がなんか怖いんだよねえ^^;。

 

カンバーバッチが体を張ってます!

カンバーバッチがかなり体を張っています!(それもお楽しみに!)

顔が好きじゃなかったけれど、彼の演技はすごくて選ぶ作品も面白いのが多いから、つい見に行っちゃう。

グレヴィルは、今まで楽しく各国営業に周ってたのに、スパイにさせられたとたん、ストレスが頂点に達します(無理ないよね)。

映画を観ているこっちは事情を知ってるから気の毒に思いながら見てるけど、何も知らされていない奥様は、急に夜が激しくなったことに「浮気」を疑います笑。

「セックスレス」でも「激しくても」疑われる男子諸君、大変だね笑。

まあ、やましい気持ちを激しさでごまかしてる=浮気って女のプロファイリング※なんでしょうが笑。

※プロファイリング・・・人物像や行動、手口などを分析して犯人像を割り出す方法。

自分の夫が核戦争から世界を救おうとしてるなんて思わないからね、無理もないけど。

グレヴィルは、スパイのストレスに加え、家庭内不和のストレスも加わって大変!

いくら奥さんが口が固い女でもよっぽどキモのすわった女じゃなかったら、真実は言わない方がいいだろうね。

CIA、MI6、KGBがいつどこで見たり聞いたりしてるか分からないんだから、知らないほうが自然な振る舞いが出来るからね。



 

ジャスミンKYOKOの煩悩だらけの映画トーク

私がもし生まれ変わってハリウッド俳優になれたら、モテ男もいいけど、こういうスパイものや戦争映画に絶対出てみたい。

その時はちゃんと筋肉つけるよ!!(ほんとか?)

スパイの小物とか情報の調達方法、身の隠し方など、興味津々だからだ。それに映画だから本当の拷問は受けないし(ショボい)。

考えてみれば、ソ連がロシアになったり(1991年)、東西ドイツが統一したのを(1990年)高校生以降に見ることが出来て本当によかった。(あんまり小さい頃だと覚えてないからね)

映画をよりリアルに楽しめるからだ。

旧ソ連やロシアは、アメリカ映画では悪者に描かれることが多い。

プー○ンのことを悪く言ってた記者が数年前にヨーロッパで毒殺されたりと、やっぱりかなり裏が黒い国なんだよね。(⇧怖いから○にしてる映画かぶれ笑)

友達も言ってたけれど、「映画で悪者にしても、中国みたいに文句を言ってこないのが、ロシアの懐の深いところ!」。(ハリウッドも資金不足だからチャイナマネーに弱い)

そうなのよ、エンタメなんだからさー。

パール・ハーバー(真珠湾攻撃)を描く時、アメリカが日本人を悪く描いてても、まあそれは戦争だからねと納得できるのは戦後生まれだからかもしれない。

でも日本人の描写が変に描かれていても、直接映画界に文句を言うことはないよ、日本政府はね。

まあ、たしかにスタローンが映画の中で、日本の悪口言ってたら落ち込むかもね笑(中国のこと言えないか笑)。

交流を重ねていく度にペンコフスキーの人間味に惹かれていくグレヴィル。

一人一人の人間同士が触れあえば素敵な関係になるのに、国同士になるとなぜこんなにいがみ合うんだろう。

敬遠してしまう国の人や人種であっても、その中に誰か一人友達を作れば、イメージはきっと変わるんだろうね。

差別もお互いをよく知らないからきっと起きることなんだろう。

スパイ映画でありながら、友情も見せてくれる本作は、グレヴィルの友を思う気持ちにグッときます。

この映画は『007』や『ミッション・インポッシブル』みたいな派手さはないけど、リアリティがあって、本当のスパイってこんな感じなんだろうなと思わせてくれます。

面白かった♪

映画『クーリエ 最高機密の運び屋』のキャスト

@『クーリエ 最高機密の運び屋』(2020年 英・米)

グレヴィル・ウィン・・・・・・ベネディクト・カンバーバッチ

オレグ・ペンコフスキー・・・メラーブ・ニニッゼ

エミリー・ドノヴァン・・・・レイチェル・ブロズナハン

シーラ・ウィン・・・・・・・ジェシー・バックリー

 

【2021】ジャスミンKYOKOの映画私的ランキング

1位・・・・・『ラスト・フル・メジャー』

2位・・・・・『KCIA 南山の部長たち』

3位・・・・・『スイング・ステート』

4位・・・・・『ヤクザと家族 The Family』

5位・・・・・『プロミシング・ヤング・ウーマン』

6位・・・・・『グリーンランド 地球最後の2日間』

7位・・・・・『ある人質 生還までの398日間』

8位・・・・・『クーリエ 最高機密の運び屋』

9位・・・・・『ビバリウム』

10位・・・・・『RUN』

11位・・・・・『インヘリタンス』

12位・・・・・『ワイルド・スピード JETBREAK』

13位・・・・・『アオラレ』

14位・・・・・『キル・チーム』

15位・・・・・『ミアとホワイトライオン 奇跡の1300日』

16位・・・・・『秘密への招待状』

17位・・・・・『モンタナの目撃者』

18位・・・・・『OLD』

19位・・・・・『アウシュビッツ・レポート』

20位・・・・・『孤狼の血 LEBEL2』

21位・・・・・『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』

22位・・・・・『アウトポスト』

23位・・・・・『聖なる犯罪者』

24位・・・・・『ジェントルメン』

25位・・・・・『ファイナル・プラン』

26位・・・・・『ドント・ブリーズ2』

27位・・・・・『ゴジラVSコング』

28位・・・・・『ノマドランド』

29位・・・・・『キング・オブ・シーヴズ』

30位・・・・・『AVA/エヴァ』

31位・・・・・『テスラ エジソンが恐れた天才』

32位・・・・・『Mr.ノーバディ』

33位・・・・・『白頭山大噴火』

34位・・・・・『カポネ』