私も一緒に遠くへ行きたい『光る君へ -8話- 招かれざる者 』(ネタバレ感想)

こんばんは、ジャスミンKYOKOです。

今回は、直秀スペシャルな回ですわー♪

盗賊する時の直秀が、ちょっと前髪がカールしててカッコいいのよね。

「必殺 仕事人」のかんざしのヒデ(三田村邦彦)を思い出した、あのヒデさんも好きだったのよねー(古い?笑)

本当はまひろは直秀と暮らした方が幸せになれそうだけどね。なまじ博識だから、都の風流な暮らしは捨てられないんだろうな。

さて、今回の記事の画像は、東寺の昼の桜です。

『光る君へ -8話- 招かれざる者 』前回までのストーリー

花山天皇(本郷奏多)の唯一愛したよし子(井上咲楽)はお腹の御子と共にみまかり、帝はうちひしがれ、公務にも身が入らない。

宮廷では、帝の側近義懐(よしちか。高橋光臣)が力を持ち、発言力を増し始めていた。

帝の間者をしていた為時(岸谷五朗)は、心苦しくなり、兼家に間者を辞めたいと申し出る。

打球の大会に招かれた貴族の姫君とまひろは、間近に道長たちの勇姿を見る。

まひろは、思いがけず「貴族の結婚は家柄が一番」という公達たちの本音を聞いてしまい、激しく傷つく。

道長から離れよう、自分の一生に意味を持たせて強く生きることを決意する。

詳しいお話は前回のレビューで→『第7話 おかしきことこそ』

『光る君へ -8話- 招かれざる者 』ネタバレ感想

まひろの気持ちを確かめたい直秀の熱い視線に悶絶

「一緒に遠くに行くか」

そうまひろに言った直秀の視線は真剣そのものだった。

あーーーここで一度は愛する女の心を試したい、直秀の男心。

でもはっきり断られるのも怖いから、お茶を濁して終わり。

あーあ、切ない。まひろの心はずっと違う方を見てるからね、それは分かってる。でも少しだけ確かめたい。自分の気持ちを少し知ってほしい。

まひろが考えてきた劇が完成した時の、直秀がまひろに向けた満面の笑み。最高♪

まひろ、あんた少しは気持ちに報いなさいよーーーとか観てるこっちは思うものの、ほんとにそうなっても困るし笑(どっちやねん)。

直秀の仲間を見捨てない強さと優しさにうっとり

もうまひろの気持ちが自分に向くことはない、と気持ちを吹っ切った直秀は、最後に道長の屋敷、「東三条殿」に侵入する。

足を洗うと決めた後の最後の大きいヤマは必ず捕まる・・という「泥棒映画あるある」を踏襲してる~。

直秀がここでカッコいいのは、武者に捕まった仲間を見捨てないところ。

もう自分は屋根に手をかけていて逃げれたはずなのに、わざわざ戻る。

優しいふるまいをする人はたくさんいるけれど、これができる人が本当に強く優しい人(直秀ベタ褒め笑)。

会社でも現在でも、こんな人がいつも割を食ってしまうのだけど、私がキュンと来るのはこういう人なんだよねえ。

助けずにはいられない、つい体が動く人。ただこういう人に限って出世しないことが多いから、会社も政治も良くならないのよね。

でも天と私が見ていますよーーー(私が見たところで、出世できないけどね笑。晴明じゃないし笑)。

藤原兼家、ついに倒れる

-悪人、世にはばかる-

右大臣の藤原兼家(段田安則)が、なかなかしぶといよね。

義懐(よしちか)の横暴な振る舞いに腹を立てた兼家は、頭に血が上りすぎたからなのか倒れてしまう。

「天罰が下る」という言葉があるけど、今までいた私の周りの悪い女を見ててもなかなか天罰くだらないよね笑。

お人よしほど会社で怒られ利用されて、口先だけ謝ってヘラヘラしてる人が出世してくのを見ると、やっぱりあくどい方が生きやすいのかなと思ったり。

帝の間者を良心が咎めて断ってしまった為時(岸谷五朗)に、道兼(玉置玲央)が近づく。

あーあ為時、絶対その「良心」を利用されるわよー、同情したらダメよ~

正義感が強い人ほど損をするよね。

間者をすれば良心が咎め、可哀想な人を見ると己のこともほっぽりだして助けずにはいられない。

為時やまひろを観ていると、「もっと自分のことだけ考えて生きていいのよー」と口添えしたくなるけど、それができないからまあ、ドラマの主人公にはなれるけどね笑。

私も倫子(ともこ)みたいな「何もできない私」を演じる女に利用されがちだから、ヒーローが勝つ映画やドラマを観てこのモヤモヤを吹き飛ばさないとやっとられんのよね笑。

イヤなことした方は全然覚えてないのよね、いじめにしてもイヤミを言う女でも。

為時が気に入り家に電撃訪問した道兼(こいつも全然ピンとこない)。

びわを弾いたまひろに「誰に習った?」

「母御はいかがされた?」

「なぜみまかられた?病か?」

とか聞いててこっちが「もう言うなー!!!」と心が痛くなったわよ。

このハラハラ感がたまらない、ほんとこのドラマ、こういうとこうまいなあ。

だって、まひろの母上を道兼が殺したのを知った道長が兄を殴った時、「為時の妻を殺したろ!?」って言ってたら、このハラハラシーンはないわけだから。脚本、うますぎる~。

愛だけで生きなきゃならん平安貴族女子は大変

藤原兼家(段田安則)に、花山天皇の亡き正室よし子のもののけが取り憑いてたことに、右大臣家は愕然とする。

『源氏物語』でも、源氏の君を好きすぎて生霊となった六条御息所(ろくじょうのみやすどころ)が源氏の君の正妻の葵の上(左大臣家の姫)を呪い殺す。

もののけが取り憑くって身近だったんだろうか、恐ろしや・・。

源氏の君も六条御息所のところに通い始めた時に、なかなか心を開かず仲良くなれない妻の葵の上のことを愚痴ったりするからいけないのよね。

そんなの聞いたら、聞かされた相手は「自分の方に分がある」と思うわけよ。

今も昔も不倫の基礎は変わらんが、男が妻の愚痴を不倫相手に言っても話半分に聞いていた方がいいよ。

「離婚してくれるわ、きっと!」いい方に捉えたらあかん。

そんなこと不倫相手の前では言いつつ、帰ったらやるこたやってんだから笑。

だから、「妻に子供ができた」と聞くと「仲悪いんじゃなかったの!!」と生霊にもなりたくなるわよね。

よく昭和のドラマにもあったよね。男がやっと勇気をだして妻に別れを切り出すと、ちょうどいい具合に妻に子ができて別れられなくなる・・・ってやつ。

おい、お前別れるつもりでいながら、やるこたやってたのか!愚痴を言ってた時とかぶるじゃんか、計算が合わんぞ!とドラマ観ながら「はあ?」ってなるアレよ、アレ。

男という生き物の、気持ちと体を瞬時に切り離せる匠の技にあっけに取られるよね笑。(だから風俗店があるんだろうけど笑)

浄土信仰が流行っていた平安時代

さて平安時代は、陰陽師がいたという記録もあるし(もちろん安倍晴明もいた)、それを祀った神社もあるんだから、吉凶と習わしを重んじ、やっぱり「呪詛(じゅそ。呪い殺す)」とかもあっただろうね。

最愛のよし子が右大臣を恨んで成仏できていないと知り、花山天皇は嘆く。

この頃って、浄土信仰※が流行ってたから、「極楽浄土に行けない」ことは恐怖でしかないからね。

※浄土信仰・・・阿彌陀佛を拝み、信心し善い行いをすれば極楽浄土に行けるという教え。

日本史の授業で、平安時代の試験によく出てきたのが「天台宗(てんだいしゅう)」を開いた「最澄(さいちょう)」と、「真言宗(しんごんしゅう)」を開いた「空海(くうかい)」。(こういう時に日本史の授業で習ったことが役立つね笑)

延暦寺(えんりゃくじ。最澄が建てた寺)で修行した僧が浄土信仰を広めて行き、貴族や庶民にまで広がった。

道長の息子である頼通(よりみち)も浄土宗の熱心な信者だったから、「宇治平等院鳳凰堂」を建てたからね。

「死」が間近にあった時代だからこそ、目に見えないものを恐れ、目に見えないものにすがるしかなかったんだろうね。

あんな目の前でもののけに取り憑いた人を観たら、そりゃあ道隆(井浦新)じゃなくても腰抜かすよね。

あの「取り憑かれる仕事」高給でもイヤだわー笑。

『光る君へ 第8話 招かれざる者』煩悩だらけのドラマトーク

左大臣家のやり取りも好きなのよね。

左大臣役の益岡徹さん、いい味出してるー。北の方(正室)の石野真子との掛け合いも楽しい。

猫好きの人には、倫子の飼う猫、「小麻呂(こまろ)」もたまらないだろうね。

道長と倫子が結婚すると歴史的に分かっているのに、今あんなにまひろに一途な道長がどうやって倫子の方に行くのか、気になってしょうがない。

道長と直秀の「東三条殿(ひがしさんじょうどの。道長の家)」での、キャッチボール、かわいいよね。

道長のユルさと心の広さ、自分の家を客観的に見れるところって素晴らしい。

直秀が盗賊と気づき、自分が弓で射抜いたことも匂わせつつ、直秀の方はあからさまにごまかしながら、二人でキャッチボールをする。(あれって二人のアドリブらしいよ♪)

でもそこをあえて道長がしつこく突き止めないのは、兄弟さえも信じられない自分の家族よりも、直秀の方に安らぎを感じてたのかもしれないよね。

だからこそ、直秀がしくじって捕まった時は、「弟」として紹介してしまった自分の立場を考えてというより、「お前、忠告したのに、なんで捕まりやがったんだ、もう一緒に遊べなくなるじゃないか」という怒りと寂しさに満ちたような表情だったよね。

あの時、捕まった直秀の顔のコンディションが良すぎたのもあり、「あ、道長ってたすくだった。カッコよくない」と我に返ってしまった笑。

↑藤原家の三兄弟?

「貴族だけが荘園の儲けで贅沢三昧に暮らし、下々の者は食べるものさえままならない」そんなあの時代の陰と陽のメッセージを匂わせつつ、そこまで強くは語らないというのが少女マンガっぽくていい。

あんまりメッセージ性が強いと、ラブストーリーの熱が冷めてしまうからね。

「花より男子(だんご)」(マンガ・ドラマ)では、お金持ち男子4人が庶民の女子に出会い、それが新鮮でみんなが好きになっていく・・・みたいなお話なのだが、この『光る君へ』もそんな女子の夢要素がたっぷり入ってる。

道明寺(花より男子の主役のお金持ち男子)は、家柄をぶっ飛ばして庶民の牧野つくしと結婚するからね。

さて、道長は愛のため、身分の垣根を超えれるのか?

歴史的な事実はわかってはいても、この脚本家の人ロマンチックだから、どんなストーリーで展開していくのかワクワクします!

今日の場所 「東寺」 京都府京都市南区九条

@東寺