『ROOM』 泣きますよ~ジェイコブくん、かわいすぎ!(注:ネタバレです!)


こんばんは。

おとといは9月から行き始めた「スター・ウォーズ会」も終わりをつげ、
ファイナルの「エピソード3」が面白くて
大興奮で帰ってきた!!(またレビューはのちほど)

ここから「ROOM」のネタバレレビューになりますので
観に行く予定の人はご注意を。

『ROOM』は、公開初日に行ってきたけど、
予想より少なかった。
しかしものすごく泣いたので両隣に誰もいないのは助かった(笑)

最近深刻な問題になっている、「誘拐」&「監禁」
一昔前は「身代金」目的の誘拐が多かったけれど、
今は、「監禁」「殺しや性犯罪」
「お金」を要求する電話がかかってこないから、
連れ去られたら 居場所を特定するのは容易ではない。

つい最近も2年も監禁されて逃げ出した女の子の
ニュースがあったばかり。
外出したり、犯人が不在だったら、窓を開けて逃げるとか
出来ないのかな?
と、アクションばかり見てる単純なやつ(お前だ!)は
そう思うけど(笑)。

そんな単純な話じゃないんだろう。
もしかしたら鍵が開いていたとしても
恐怖で出られない精神状態になってしまうのかもしれない。

物語は一つ目の「ROOM」(部屋)から始まる。
楽しそうな親子。
予告も何も知らないで見たら、監禁されてるなんてわからないくらいの
楽しい雰囲気。

キッチンもベッドもTVもあって、楽しそうなので
牢獄みたいな部屋と手錠なんかを想像してた私は最初、えっと思う。
「監禁」という事実が、ほんとなの??
とだいぶ観客に思わせたところで
少しずつ、ジャックジェイコブ・トレンブレイ)の言葉で
わかってくる。

人間はママと自分とオールド・ニックしかいない。
TVの中の人たちは空想のものと思っている。

オールド・ニックとは、
ママのジョイを誘拐した張本人だ。
小さいジャックに、ママは犯人をそう呼ばせ、
ジャックは、「食べ物を運んでくるいい人」と思っている。
毎日を恐怖で過ごさせないためのママの気持ちだ。

いたるところにママの苦肉の策や愛情があふれてて
考えただけで涙があふれる。

犯人になるべくわが子を関わらせないように
毎日を過ごす。この子だけは守るという思いがひしひしと
伝わってくる。
いつか逃げ出した時のため、犯人に愛着がわかないように。
犯人がジャックに興味を持たないように。

自分をレイプし監禁した男に 毎晩求められて応じないといけないなんて
耐えられん!!!
狂いそうな毎日のママの救いはジャックだけ。

部屋には天窓一つしかなく、
彼は、この向こう側に
とてつもなく広い世界があるとは思っていない。
生まれてから5歳までこの部屋を出たことがないからだ。

部屋の中だけで過ごしていると、
筋力が低下し、動けなくなると同時に
ちゃんとした発育ものぞめないため、
ママは毎日ジャックと決まった時間に一緒に運動をする。
部屋の中を走らせたり。

新潟で7年間監禁されてた女の子は、
発見された時、立てなかったという。
ジャックの体のために。いつか逃げ出すために。
7年もの間、彼女を支えたのはジャックだった。

栄養不良のため、ジャックは細く、
色も透き通るように青白い。
ママもたるんでしまった体に顔にも吹き出物が。

主役のママ、ブリー・ラーソンと、
ジャック役のジェイコブ・トレンブレイは、
撮影に入る1か月前からずっと一緒に過ごし、
ホテルの部屋で「ルーム」のセットに飾るための、
二人が5年の間に
作っただろう、ガラクタで作ったおもちゃをたくさん作ったんだって。
そうやって絆を深めてきたからこそ、
ほんと、二人の演技に圧倒されて 何回泣いた??(笑)

もう、ジャック役のジェイコブくんがカワイイのだ。
美少年すぎる!!

とうとう オールドニック
ジャックに興味を持ちだした。
失業したニックから暖房も止められ、
今渡してもらえる食べ物もいつかこなくなるかもしれない。

命の危機を感じたママは
ここを逃げ出す決意をする。

小さいから TVの中のことは物語だと
教えてきたママは、
外の世界に行く前に 本当のことを話すが、
生まれた時から外の様子さえ見たことがないジャックは全然信じない。
話が通じなくてイライラするママと、
ジャックは見たことがないから想像もできなくて
癇癪をおこす。あーーー両方、気持ちわかるなあ。

↑高熱でも病院に連れていってもくれないことがわかり、ジャックが高熱で
死んだことにして 外に運び出してもらい、死体を捨てに行く途中で逃げ出すという
練習をする。

なぜこんなことをしなければならないのかわからないジャック
練習をしたがらないから、
見てるこっちも焦る(笑)

脱出する時、ほんとドキドキだったーーー!!
しかし、わたくしKYOKOの好きなアクション映画だったら、
ここで「一件落着」のハッピーエンドなんだけど(笑)、
ここからがこの映画のメインテーマなのである。

保護されて メディカルチェックを受けた二人。
お医者さんは、
「しばらくここにいた方がいいと思うよ」
そう言われたが、
ジョイは自宅に早く帰って自分の失われた人生を取り戻したい。
お医者さんがなぜそう言ったのかが
後からわかる。

↑報道陣が待ち構えてる自宅。
7年間も誘拐されてて 帰ってきたという事件はマスコミの恰好の餌食だ。

7年間はやはり長すぎた。
両親は離婚し、母は別の男性と同居していた。

彼女にとってはあんなに帰りたいと望んだ世界。
ジャックにとっては、見るものすべてが初めてで
恐怖だ。ことあるごとに「部屋」に帰りたいと言う。

病院では 再会を喜んだジョイ親子だったが、
父親は、孫であるジャックに触れるどころか、見ようともしない。
父親にとって「娘」というのは特別。
それが「子連れ」で帰ってきた。
イヤでもレイプの事実をつきつけられる。
娘が犯された結果の子供という事実から頭が離れない。

それに気づいたジョイの精神がどんどん病んでいく。
17歳で誘拐され、大人になりきれないまま、
母親になったジョイは、
自宅に戻ったとたん、17歳に戻ってしまう。

ルームにいる間、彼女を母親にしてくれていたのは
ジャックという存在だった。
7年も耐えれたのもジャックのおかげだ。
でもジャックがいるおかげで
世間に何倍も好奇の目で見られることになった。
実の父親にさえも。

ジャックに罪はないことがわかっているけど、
失われた、人生で一番輝かしい時間を思うと
辛くあたってしまい、自己嫌悪を繰り返し、
ついには自殺未遂をしてしまう。

↑ママが入院している間、優しいおばあちゃんに育てられて
少しずつ笑顔を取り戻していくジャック

母親の方は「それはそれ、これはこれ」という切り替えが
うまいのかもしれない。
それが子育て機能が備わった人間のなせるワザなのかもね♪

わたくしKYOKOの父方の祖母が入院中にお見舞いに1人で行った時、
久しぶりに会った父方の親戚が、
私が離婚したことや、安定した仕事を辞めたことを
みんな知らなかったのがビックリした。

「KYOKOちゃん、○○くん今日は仕事なの?」(○○は前のだんなさん)

その一言ですべてがわかった。
仕事を辞めたことも
福岡にいることも自営業をやってることも知らないのだということを。

「自慢?」の娘の?(笑)
父親世代ではタブー視される「離婚」を長い間、
人に話すことができなかったのだ。身内でさえも。

もっと前の、妹の離婚の時もそうだった。
母は、ソッコー、妹の住む部屋を掃除したり、
確保したり、保育園の手続きを考えたりしてたのに
父は「娘が離婚して実家に戻ってきた」という事実に
呆然としていた。

男子は失恋も長引くけど、「リストラの事実」なんかも
受け入れるのに時間かかるから大変だね(笑)

病んでしまったママを気づかい、
お守りのロングヘアをばっさり切ったジャック
「母を守る」と決めた時からだんだん男の子になっていく。

もう、泣きすぎて大変な映画(笑)。

「誘拐」「監禁」は、助かっても
家族を崩壊させる。
ジョイの父親と母親だって数年は一緒に血眼になって
わが子を探し続けたはずだ。
「子供」を失うと壊れてしまう夫婦って多いのかな。
「前に進もう」と思う者と「あきらめたくない」と思う者で
毎日ケンカだったろう。
探すエネルギーがなくなったとたん、夫婦関係も
終わってしまったのかもね。

これは映画なのに 彼が大人になって その事実を知った時のことを
考えると、また泣けてくる。
僕は犯人の子供なんだ」「母親はレイプされた」とかね。

ジョイの母親の再婚相手のおじさんが
すごくいい。
「かわいそう」と憐れむんじゃなく、
静かに見守り、犬を連れてきたり。一緒にシリアルを食べてみたり。

わたくしKYOKOが再婚したときも
はじめは頑張って一緒にラウンド1とか行ったりしたが、
いつもしないことをすると(笑)ものすごく疲れた。(笑)

ただそこに毎日一緒にいることが
自然に仲良くなっていく一番の秘訣なのかもね。
無理に急激に仲良くしようということをやめて
一緒にテレビを見たり、ごはんを食べたりすることだけにした。
今は一緒に「ナルト」を見たり、一緒に本屋に行ったりして
いい関係のようです(笑)

ジョイジャックの親子だけではなく、
その周りの人々や家族の、悲しみや怒り、
消せない事実。失われた時間。
それでも少しずつ「生きていく」。

「ママはダメなママね」
退院したママがふとジャックにいうと、

「でも、ママはママだから」
ここでまた大泣き(アホ)

TOP画像のポスターも空でありながら
「部屋」の壁があるという深い作品になってます。

ジャックのかわいさに最後は癒されて 映画館を出ることになる、
素晴らしい映画です♪

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 @『ROOM』(2015 アイルランド・カナダ)

  ママ(ジョイ)・・・・・ブリー・ラーソン

  ジャック・・・・・・・・ジェイコブ・トレンブレイ

  @2016年 KYOKO私的映画ランキング

   1位・・・『ROOM』 

   2位・・・『マネー・ショート』

   3位・・・『ブラック・スキャンダル』

   4位・・・『スター・ウォーズ フォースの覚醒』

@同じようなテーマを扱った映画でKYOKOのおススメ

  『プリズナーズ』(ヒュー・ジャックマン、ジェイク・ギレンホール)

  

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