こんばんは、ジャスミンKYOKOです。
1995年にアメリカをミシシッピ川沿いに縦断した時のことを書いています。
ニューオーリンズからグレイハウンドバスでメンフィスに着いた我々は、行ってみたかった「B.B.KING」でブルースを聴けて大満足なメンフィスでの最初の夜を過ごした。
朝、「DAYS INN(デイズイン)」(ホテル)で、目覚めて窓から観た風景。
「わー、横にだだっぴろーい、さすがアメリカ!」パリとロンドンの縦長な景色とはまた違う。
右下にグレイハウンドのバスディーポ(バスターミナルのこと)が見える。
さて、メンフィスでは、トロリーに乗らなければならない。(→自分が乗りたいからそう決めてるだけ)
メンフィスと言えば! キング牧師暗殺である。
その暗殺された場所であるロレイン・モーテル(Lorraine motel)を当時のままとっているらしいのだ。
この頃はまだ公民権運動※の全容を勉強不足ではあったが、教科書で習ったキング牧師の、しかも暗殺場所となれば行かないわけにはいかん!
※公民権運動・・・主に1950年~1960年代に沸き起こったアフリカ系アメリカ人が人種差別の撤廃を求めて行った大衆運動。
後日色んな映画を観るにあたって、この「ロレイン・モーテル」の実物を観たことは本当によかった♪
このトロリーに乗って、「ロレイン・モーテル」とそれを利用して建てられた「ナショナルシビルライツ(公民権運動)博物館」に行くのだ。
メンフィスのトロリーは、観光地を網羅してるので便利なのである。
さて、お目当ての「ロレイン・モーテル」に着いた。
今はもっとキレイに整備されてる様子だけどね、
Thirty years ago today, the National Civil Rights Museum was officially opened to the public after a July dedication ceremony and soft opening. #30YearsofNCRM pic.twitter.com/IsFUCTdOq0
— NatCivilRightsMuseum (@NCRMuseum) September 28, 2021
⇧公民権運動について、色んな展示がある「ナショナル・シビルライツ博物館」
博物館の入り口なんかもブログを始めた今の私ならバシバシ写真を撮るだろうけど、この頃はなにせフィルムカメラというのもあって一箇所の写真が少ない。
公民権運動を推し進めた立役者のキング牧師(マーティン・ルーサー・キング・Jr)は、ここ、ロレイン・モーテルのベランダにいるところを射殺された。(2階の花輪が飾ってあるところ)
#OnThisDay in 1929, Dr. Martin Luther King Jr., was born. King became one of the most important and influential nonviolent Civil Rights Movement and human rights leaders in the world. Thank you, #MLK! pic.twitter.com/FKreZ7kGmw
— NatCivilRightsMuseum (@NCRMuseum) January 15, 2022
⇧39歳の若さで暗殺された、マーティン・ルーサー・キング・jr
向かい側のホテルから撃ったのだ。(暗殺者がいた部屋もそのままとってあるらしいが、一般人は入れない)。
黒人が平等になってしまっては大変だと思った南部の政治家の仕業なのか(選挙で白人が負ける可能性がある)、それとも黒人嫌いのKKK(白人至上主義の団体)なのか、それともキング牧師が力を持ち始めたのが怖くなった政府からの刺客のCIAなのか。
この頃は、マルコムXやジョン・レノンなど「平和」や「戦争反対」「平等」をうたうカリスマ指導者たちは、次々と暗殺されていったよね(→政府がやったと思ってる人)。
キング牧師が暗殺された当時の車と部屋の状態を保存している博物館。
2階の彼がいた角部屋は、タバコの吸殻から飲みかけのコーヒーまで忠実に再現され、壁をガラス張りにして中の博物館側から見えるようになっている。(警察がすべて証拠品として持っていったので、事件の写真から当時すぐに再現されたらしい)
もっと色んな展示があったのよ、でも写真を撮ってないの。
1960年代のアメリカ南部では黒人と白人のバスの座る席までもが決められていたが、ある日疲れていたローザ・パークス(老婦人)は白人に席を譲らなかったことで警察に捕まった。
When Rosa Parks refused to give up her seat, she didn’t simply spark the start of the Montgomery Bus Boycott; she helped to ignite the modern-day Civil Rights Movement. #YourVoiceMatters pic.twitter.com/zTdPg7woG2
— NatCivilRightsMuseum (@NCRMuseum) July 21, 2021
⇧白人に席を譲らなかったことで逮捕されたローザ・パークス
この事件から、不満が溜まっていた黒人たちはキング牧師の元、「差別撤廃」を叫び、バスには乗らずに歩いて仕事に行きはじめた。
バスに乗るのをボイコットし続けたため、黒人の運賃で成り立っていたバス会社は潰れた。
この博物館には、そのバスが再現され、ローザ・パークスさんの蝋人形もバスの中に飾ってあった。
その写真もないのよーーー(泣)。
色んな展示をじっくり観た後、ビールストリートあたりに戻ってごはんでも食べることに。
さて、通りが1本違うだけで、ガラッと雰囲気が変わるのが外国である。
行きは博物館の表玄関から入った我々だが、帰りは裏出口からしか出れなかったので、裏の通りに出るしかなかった。
いったん外に出て表玄関まで回ってトロリーに乗って帰ればよかったが、地図を観て意外に歩いて行けそうな距離にビールストリートがあるのに気づき、徒歩で向かうことにしたのが間違いだった。
歩いて行くうちに街のようすがあきらかに違うことに気づく。
ゴミが舞い、落書きだらけの壁が続く・・・・・・・・・。
あ、ここヤバい。犯罪映画好きのカンが働く。
ヤクの売人でもいそうな雰囲気だ・・・(わかります?この感覚笑)
しかし、戻るにも戻れない距離まで来ちゃったな。
男友達に、「ここ、ヤバいから超早足で通りすぎるよ!」と告げて、すぐさま早足で歩きだす。
なんだろうな野良犬と一緒で、走ったら追いかけてくる気がして(昭和の感覚)、超高速歩きでこの場を過ぎ去ることにしたのだ。
二人のアジア人は、メンフィスのスラム街を異様な早足で疾走する。
「おーーい」
後ろを歩いてるはずの男友達の声が小さく聞こえた。「ええっ!?」振り返ると、遠くにいるじゃないか。
なんで?そんな遠くに??こんな時になぜノロノロと?
待ちたくないけど待ったら笑、追いついてきた彼が「靴の紐がゆるんだから結んでたら、あっという間に置いてかれた。逃げ足早かー笑」
ここでちょっと笑いが出たが、とにかくスラム街を抜けるまでは、油断ならん。
アメリカ2都市目で銃撃されたら、浮かばれんわ!(そこ?)
ようやく観たことのある通りに出てきた。あああ「B.B.KING」だ・・・・。ホッ。
この景色がどれほど嬉しかったか。
しかしこういう体験のほうが、思い出にキョーレツに残るんだけどね笑。
無事に帰ると後からちょっと嬉しい、スラム街の恐怖体験(サイテー)。
次回の記事はコチラ⇩