『デスパレート・ラン』(ネタバレ感想)カナダの自然に感動しながら、ナオミ・ワッツにイラッとくる映画。でも面白い。

こんばんは、ジャスミンKYOKOです。

短くて全編飽きることのない映画を観てきた。

ナオミ・ワッツ主演の『デスパレート・ラン』です。

・・・主演というか、ほとんどナオミ・ワッツしか出ない映画です。

スマホを駆使して、息子を救う・・・というキャッチはちょっと違うと思ったけど笑。

ただ、自分が山奥にジョギング中に息子が事件に巻き込まれたら・・・と考えたら、じっとしてられないのはわかるし、何か情報をつきとめたくなる行動も共感できる(一部の行動以外はね)。

私だったら、あんなにスマホを使いこなせない・・・と妙に感心する映画でもある笑。

冒頭の上空からの景色から、「ロケ地はカナダか! ローレンシャン高原みたいだ」と予想したら、本当にカナダだったみたい。(話の舞台はアメリカという設定)

オンタリオ州の見事な紅葉を映画の中で楽しめます。

低予算ながらも、飽きさせない、ハラハラとイライラを楽しめる映画ですよ♪

映画『デスパレート・ラン』の評価

私の個人的な思考による評価です笑 星は7段階で評価します

私の評価★★★★☆☆☆
観るのにオススメな人⚫サスペンスやノンストップ映画が好きな人
⚫謎解きがないハラハラするサスペンスが好みな人
⚫ナオミ・ワッツのファン
暴力性・残虐性★☆☆☆☆☆☆
銃乱射事件の映画だが、銃や暴力の描写はなし。
エロ度☆☆☆☆☆☆☆
感動度★☆☆☆☆☆☆
始終ハラハラ・ドキドキ・イライラで感動シーンはそこまでなし
ラストにちょっとのみ。

『デスパレート・ラン』ストーリー

娘を学校に送り出したエイミー(ナオミ・ワッツ)は、いつものようにスマホ片手にジョギングに出かけた。

長い時間ジョギングをして、だいぶ家から離れていた時、街の緊急アラートが鳴る。

息子の通う高校に銃を持った犯人が侵入し、いつ乱射してもおかしくない状況だというのだ。

車も通らない大自然の中を、息子の安否を知りたい母親は、走りながら、必死にスマホ1台を駆使して情報をかき集めていく。

ここから先はネタバレレビューです。

『デスパレート・ラン』ネタバレ感想

ナオミ・ワッツ演じるエイミーが、とにかく長い長いジョギングをする。

いや、景色がいいのはわかる。でもそんなひと気のない森とか、治安はどうなの?

大きなワンボックスカーが来たら、あっという間に引きずり込まれちゃうよ!?

・・・と美しいカナダの紅葉を楽しみつつ、犯罪映画ばかり観てる私としては、半端じゃない大自然の中をたった1人スマホだけを持っていくエイミーに釈然としないのだった笑。

まさかのために、カロリーメイトくらい持っていけよ!!(この人、飲み物も持たないのよ)

私は、日本でも運動のために会社の非常階段を昇る時、閉じ込められた時を考えてスマホを中に持ち込むようにしてるのに(室内にある非常階段。ドアが開かなくなった場合など)。

会社の階段では遭難はしないからいいけどね。(遅刻したら困るのだ!)

エイミーがジョギングするところは、皇居みたいな生やさしいもんじゃない、グリズリーが出そうな大自然なのよーー、あんた不用心すぎるって。

現代人はスマホに助けられているのか、縛られているのか

私の心配をよそに、エイミー(ナオミ・ワッツ)は、10キロ超えても家に戻らない。

1時間くらいジョギングしてるわけよ。

スマートウォッチとiPhoneをたくみに操りながらジョギングするエイミー。

音楽のサブスクを聴きながら、時々スマートウォッチで心拍数を見たり、近所のママ友から、たわいもない電話があったり。

そうかと思うと、この日急に欠勤した彼女へ会社の同僚からの仕事の案件についての確認や、壁を塗るためのリフォーム業者や旅行中の両親からの経過報告、車の修理工場からの連絡。

1時間のジョギング中にこんなにかかってきたら、うんざりするわ!

こういう時くらい、俗世間と連絡を絶とうよ!笑。

スマホが急速に普及した現代社会は、いつも誰かしらといつながっていて、1人で考えたり思考をクリアにする時間がいかに少ないか、スマホ依存の悪い面が、カナダの大自然の中だから余計に目立つ。

後半はスマホがあってよかった!という風になるから、うまい対比の写し方なんだよね。

エイミーはすべてこなしながら、走りつづけてるのがすごい。

私だったら「あ、LINEが来た!ちょっと休憩♪」と休憩の言い訳にしそうだけど笑。

それにしてもアメリカ人ってフェイスタイム(iPhone同士の無料のTV電話)使いたがるよね笑。(映画によく出てくる)

そんなに電話中、相手の顔を観たいか? 絶賛恋愛中の彼氏ならわかるけど。

エイミーのママ友も、車の運転しながらフェイスタイム。いや、運転してる横顔とか見せなくていいから。

これが外国人の「目を見て話すのが礼儀」という習性を表したものなのだろうか笑。よーわからん笑。

息子の高校で銃乱射事件が! 森の中を急いで走り始めるエイミー

1時間以上もジョギングして、電波もとぎれとぎれになってきた山奥の中、1人で感傷に浸っていると、街の緊急アラートが鳴る。

息子の通う高校に、銃を持った犯人が立てこもって、いつ乱射するかわからない状況だという。

この日学校に行きたがらなかった息子を叩き起こして「学校に行きなさい!」と言ってしまった(自分は会社サボったくせにね笑)。

言わなきゃよかったと後悔が頭をよぎる。

とにかく息子が学校に行ったのかどうかが知りたい・・・・・・・・・!!

そこへ、注文していたリフォーム業者から、家の前に着いたという連絡が。

「それどころじゃない!!」と電話を切ったが、思い直して息子のピックアップトラックが停まってないか聞くと、車はないらしい。

絶望感と後悔が襲い、とにかく慌てて走り出すも、木の根っこにつまづいたりして、ほんと痛々しくてハラハラする。

この辺りから、エイミーは1年前に夫を交通事故でなくしたばかりで、息子もその頃から気持ちがふさぎがちなのだということがわかってくる。

夫をなくした上に今度は息子までも・・!?

気もそぞろで走りすぎて、とうとう転倒し頭を打ってしまう。

⇧こんな石で頭打ったら、アクション映画では悪者は死ぬけどね・・。

この状況じゃ保護者は何も出来ないから、そんなに慌てて行ってもどうしようもないんだけど、それでも一刻も早く高校の近くに行きたい気持ちはわかる。

こんな山の中だから、Liftを呼んでも来ない。(リフト。ウーバーと並ぶ人気のアメリカの配車サービス。ナオミ・ワッツが劇中英語でリフトと言ってた)

Liftに乗るためには国道138号に出なきゃいけない。

Siri(シリ。iPhoneの音声アシスタント機能)に命令して、その地点から138号線までの最短ルートをを検索させ、うっそうとした森の中、道なき道をを走っていく・・・。

あ、ナオミ・ワッツ、Siri使ってる!

・・・とそこで思い出したのは先日観た『サーチ2』で、アメリカのティーンネイジャーの娘が、母親に「お母さん、若者はSiriなんか使ってないよ、まだSiri使ってるの?」なんてちょっと中高年をバカにしたような発言があったこと。

そうか、もうアメリカのティーンネイジャーの中では「Siri」は最先端ではないのか、と学習したのよね笑。

そんなナオミ・ワッツはもちろん中高年笑。私はSiriを使いさえしてない中高年笑。

走りながら、車の修理工場が息子の高校の近くだったことを思い出し、嫌がる修理工に先祖代々この工場を使ってやった的な恩着せがましい話をして笑、高校の駐車場に息子の車がないか見て欲しいと頼む。(アメリカは16歳から免許可。郊外の高校では車で登校も可能な場合あり)

ママ友から電話があり、今から学校が指定した広場に向かうらしい。

自分のいる場所まで迎えに来て欲しいと頼もうとしたら、その母親も息子の無事を早く知りたいのもあり、それだけ伝えてすぐ切ってしまった。

予想外の電話に愕然とするエイミー アメリカのコールセンターあるある

事件の状況を知りたいエイミーは、「911(警察・消防・レスキューにつながる緊急コールセンター)」に電話するも、今は緊迫した状況のため、内容を詳細には伝えられないと言われる。

こういうアメリカ映画で出てくるコールセンターのいいところは、多少お客様となれなれしく話してもいいところ。(アメリカ人の細かいところは気にしないところはいいよね)

「私、ディードラって言うの。息子さんを心配する気持ちわかるわ、何かあったらまた電話して。気をつけてね!」

ここが、妙な敬語がない英語のいいところだよね。

アメリカには、たまにひどい対応のやつがいるけど、優しい人にあたると日本のマニュアル通りの対応以上に親切な人がいる。

ディードラもその1人。

日本は空気を読みすぎるからか、頼まれてもいないのに率先して外国人に道を教えようとはしないが(でしゃばりと思われたくない)、外国人は困ってる人が何人だろうと、目の前の人をただ助けたいだけで動く。 

言葉が通じようと通じまいと考えず動くってのが素敵だよね。

この躊躇なき親切心に何度も助けられたからね。だからアメリカ好きなんだよねえ。

「息子の車があった」と修理工から聞き、絶望したのもつかの間、警察が彼の車を入念に調べているという、もっとイヤな情報が。

息子がまさか犯人???

ただ無事を知りたいと思ってたのに、ここに来て、まさか銃乱射事件の犯人が自分の息子?

ショックすぎて頭が真っ白なところに、今度はディードラからかかってきたと思ったら、刑事だった。(スマホを即座に三者通話に切り替えるのもすごい)

「息子さんは、父親を1年前になくして、うつ状態だったんですよね。薬は一日何回飲んでますか?ドラッグはやってますか?」

「家に銃火器はありますか?」

たんたんと質問に答えるも、もう走る気力をなくし、木の幹に寄りかかって呆然と座り込む。

「捜査の一環ですから」と刑事は言ったが、思い当たるふしがいっぱい出てきて、妄想は悪い方へ。

応援してたのも忘れ、いらんことするエイミーにイラつく

ここからのエイミーの所業に、応援してたのも忘れイラッとしていく私笑。

まずこんな事件の最中に気軽に息子のスマホに電話するのが信じられない。

あんたね、着信音やバイブで、せっかく隠れてたのを、犯人に見つかったらどうするのよ!

しばらくして息子から「今隠れてる」と電話がかかってくる。

息子が犯人じゃないとわかったとたん、エイミーはまた走り出し、まず修理工に電話して、高校の駐車場に停まってる車の持ち主を国のナンバー登録のデータベースで調べてほしいと頼む。

違法だからと修理工は嫌がるも、やらせるのよね。

そして持ち主がわかったところで、自分の会社(納税記録がわかるような会社)の同僚に頼み込み、持ち主たちの名前と電話番号で、職歴を調べてもらう。

その中にこの学校のカフェの元従業員がいたことがわかり、その男に焦点を絞る。

あんたね、調べたところで何するわけ?

ここで衝撃。まさかの犯人の携帯に電話をするのだ。

バカかーーーーーーーーーーー怒

なんででしょうね、『ダイ・ハード』のブルース・ウィリスが色々調べ上げて犯人に電話をかけても怒らないけど、ナオミ・ワッツがしたらイラッとくるのは。

たぶん『ダイ・ハード』は、これからブルースが確実に体を張って犯人を倒すことがわかっているからかも。

ナオミ・ワッツが犯人を突き止めたところで、アクション俳優じゃないし、いらんことしかせんやろ。

しかも犯人に、「息子だけは殺さないで」と息子の名前と髪の色を言っちゃうのだ。

もう・・だれかエイミー(ナオミ・ワッツ)をハチの巣にして!怒

中に息子がいたら、普通はそれをできるだけ目立たせないようにする。

そんなお願いをされた犯人は、余計にそいつだけは見つけ出して殺したくなるとも限らんからね。。

こんな浅はかな行動をする母親は、他の子や保護者にとっても迷惑やろ。

自分が乗り込んで命を張って犯人と格闘するならいいよ、それをしないくせに警察の捜査を撹乱して我が子を命の危険にさらさせるなんて!!

犯罪映画を観て勉強しなさい!!

もうーーーーイライラが絶頂に達した笑。

私がこの役のオファーを受けてもやりたくないだろうな、こんなバカな母親役なんて。

母親だって時にはバカもするけど、こんなバカはあまりいない。

ラストはサクッと終わるけど、90分の心地よい緊張感が爽快に変わる

案の定、刑事から電話がかかってきて、怒られる。

それでも最近の警察はスマートだ。

「お子さんを思う気持ちはわかりますが、警察の捜査を邪魔されては困ります」だって。

「お前はバカかー!!」って言っていいんだよ。

モンスターペアレンツ対策の話法なんかがあるのかしらね笑。

ようやく138号線に着いたため、Liftの運転手と合流できた。

刑事から、もう犯人に一度電話したんだからと、SWAT(スワット。警察の特殊部隊)を突入させる間、犯人の関心を引くために電話してくれと頼まれたが、あんだけかき回しといてそれは断るってどういう神経やねん。

結局電話して犯人と話している間に、SWATが突入。

ただ、「突入」は、危険もはらんでいる。犯人が最後のあがきとして、全員を道連れに死ぬ可能性があるからね。

今はネットがあるから犯人側もいちはやく状況を察知できるし、警察もマスコミと一般人の動画撮影を規制しないといかんよ。(昔はマスコミだけで楽だったろうね)

エイミーが高校の前に到着した時、息子が逃げ出してきてサクッとハッピーエンド。

彼女の行動に、映画の観客は共感したのかな?私はイラついたけど笑。

でもそのイライラは、飽きさせない目まぐるしい展開の中で行われるので、ギャグ映画がスベったイライラとは違うから観終わった後、爽快感はあった笑。

『デスパレート・ラン』煩悩だらけの映画トーク

最後の最後に流れる、息子が作ったTik Tokっぽい動画※に驚いた。

※アメリカ映画なのであくまでもTik Tokとは表示させない。敵対する中国のアプリだから。

「僕たちはビクビクしながら勉強したくない。銃のない社会にしていこう。この出来事を風化させちゃダメだ」

ハリウッドは、実際にあった銃撃事件を再現する映画でさえ、銃社会に対する批判のメッセージは書き込まない。

今回はあからさまに「銃規制」を支援するようなラストだったために驚いた。

人種差別禁止は声高に叫ぶくせに、銃規制に関しては、政治が絡むので、政府と全米ライフル協会※の顔色を伺う・・。

※大統領選挙や国会議員選挙の際、多額の献金をしてくれ投票率もすごいので、政治家は銃規制になかなか踏み切れないのだ(自分の再選が大事)

だから、このラストのメッセージは、映画としては新しかった。

一般人が自動小銃を買えなくするだけでも違うと思うよ?まずは買えるのは連射できない普通の銃だけにしようよ、マシンガンなんか一般人はいらんよ!

普通に近くのショップで買えるから、1人で自殺しきれんヤツが学校に来て同級生を撃ちまくって死ぬんでしょ?

確かにいじめられてたら殺したくなるのかもしれんけどね。

本当の復讐はそいつをしのぐ幸せを手に入れることだ!

そんなヤツがハバをきかせることが出来るのは、学校の中の狭い世界だけだから。

広い社会に出たら、ほんとしょうもないヤツになりさがってるから、絶望せずに生き抜いてくれ。他の生徒を巻き込むな。

ナオミ・ワッツがジョギング中に着ているレギンスが目に入った。

あれ、アメリカ人女子よくするよね。短いTシャツやトレーナーの下に体のラインもろ出しのレギンスだけを合わせるの。

あれはお尻がプリップリじゃないと、かっこよくないから日本人女子はあまりしないよね笑。

アメリカ人女子は、人の目を気にせず自分の気持ちで着ることが出来る。

我々日本人も明日から見習おうではないか笑(→絶対できない笑)

上映時間も短いので、ササッとハラハラ・ドキドキ・イライラを楽しめるオススメの1本です。

ただ、キャッチコピーの「スマホ1台で息子を救う」は間違いです笑。

正しくは、「母親、余計なことして息子を危険にさらす」でしょう笑。

『デスパレート・ラン』キャスト

@『デスパレート・ラン(原題 The Desperate Hour)』(2023年 米)

エイミー・・・・・・ナオミ・ワッツ

ノア・・・・・・・・コルトン・ゴッボ

【2023年】ジャスミンKYOKOの映画私的ランキング

1位・・・・・『母の聖戦』

2位・・・・・『SHE SAID その名を暴け』

3位・・・・・『ブラックライト』

4位・・・・・『THE FIRST SLAM DUNK』

5位・・・・・『対峙』

6位・・・・・『デスパレート・ラン』

7位・・・・・『フラッグ・デイ 父を想う日』

8位・・・・・『ワイルド・ロード』

9位・・・・・『BABYLON』

10位・・・・・『逆転のトライアングル』