『悪なき殺人』(ネタバレレビュー)動物より本能むき出しで、なおかつ密かに動く人間たち。

こんばんは、ジャスミンKYOKOです。

殺人事件の話かと思っていたら、もっと手の混んだお話だった!

面白かった!!偶然が招く悲劇にちょっと笑ってしまうのよ(悲劇に何故か笑ってしまうのは観てのお楽しみ)。

何も知らずに行く方がいいです。

フランス映画って、ほんと人間の本質というか、「えげつなさ」や腹黒いところを描くのうまいなあと思う。

アメリカ映画みたいに「勧善懲悪(いい人悪い人がハッキリしてる)」ではなく、みんなどっか悪い欠点があり、観終わった後も「やっつけて終わり」じゃなく、考えさせられる。

人間関係や恋愛のドロドロが多いので、疲れている時はおすすめできないのがフランス映画笑。

この映画も、人間の「欲望」と「弱い心」が全開です笑。

日本人ももっとフランス映画を観て、人には色んな面があり、芸能人も間違えることもあるさと何かとTwitterで芸能人を叩いてる人はその幼稚な価値観を手放そう笑。

政治家に潔白を求めるな。「プライベート」じゃなく、「仕事をちゃんとやってるか」を観ましょうね。まずはこの映画で練習しましょう。

ストーリー

原題は『動物だけが知っている』。

人間はエゴや欲望を隠したがるけれど、動物はすべてを隠さずに生きている。

隠すから人間らしいということでもある。

フランスの山あいの町で、一人の女性が失踪し、車だけが発見され事件に巻き込まれたのか、殺害されたのか。

その女性を殺害したと疑われる農夫からつながる、農夫の不倫相手の女性、その女性の夫など、みんな秘密を抱えているのでなかなか正直に話せず、事件の解決にはほど遠い。

一見すべてが関係ないような出来事なのに、物語が進むにつれ、すべてがつながっていくミステリー。

何も知らずに観るほうが楽しめます。秀逸です。

以下ネタバレレビューです。この映画のレビューはネタバレじゃないと書きにくかったのでネタバレにしました。何も知らずに観るほうが断然楽しめます。

伏線の回収が見事!

映画の最初はコートジボワール(アフリカ)で、背中にヤギを抱えた少年が自転車に乗ってる映像からスタート。

あれ?雪山の話じゃなかったの?(ポスターやCMは雪山)

しかし、ものの見事にコートジボワールにつながっていくのである。

【アリスの章】不倫相手のことを保安官に相談できるフランス笑

アリス(40代くらいの女性)は、最初共済組合(たぶん酪農の)の組合員として、酪農家を周るうちに母を亡くした寡黙なジョセフを慰めがてら関係を持ってしまう(・・ということが映画を観ていてわかる)。

ある日、情事の際、ジョセフは上の空でアリスは気になりながらも家に帰る。

何歳になっても年中発情期な感じは、さすが恋愛大国おフランス。

でもね、狭い村の酪農協同組合仲間で、そんなことしてたら、大変だよ?田舎のおばちゃんたちの噂のネットワーク、どんだけ怖いか知らないの?笑。

夫ミシェルは、牧場の経営がおもわしくないのか、ここ最近はパソコンを前に悩んでいて、近寄らせてもくれず、彼女の父親から夫婦仲を心配されるほど、夫婦の仲は冷え切っていた。

この村に遊びに来たエヴリーヌという女性が失踪したとテレビで流れ、保安官が聞き込みにやってきた。

保安官は、外交員で村を周っているアリスに、一人暮らしのジョセフのことを尋ね、何も変わったことはないと答えるが、彼が今日上の空だったことを思い出す。

アリスも気になり、夜にジョセフの元を訪ねると、牧草小屋でジョセフの愛犬が殺されているのを発見する。そして夫ミシェルはその夜、顔に怪我をして帰ってくる。

不倫に気付いた夫ミシェルが彼の犬を殺したのだろうと予測するアリス。

冷え切ってるなら、今さら不倫を知ったところで激情にかられることはなかろうと予測する私笑。

翌日、保安官に改めて会ったアリスは、ジョセフとの不倫が夫にばれ、二人は険悪になってるのではないかと相談する。

すごいよね、保安官にそんな赤裸々な話を言えるなんて笑。

【ジョセフの章】なかなか彼は病んでいた・・・。付き合うのは危険です

⇧エヴリーヌ殺害を疑われる寡黙なジョセフ。

いくら、小さな村で男の人口が少ないからって、こんな陰気そうな人を相手に選ばなくたっていいでしょう笑。

寡黙で暗い感じのジョセフだから、アリスも不倫がバレないという計算も少しはあったのでは。

口数が極端に少なく、口下手な人ってこういう時、疑われたり、口が上手い人にまんまとはめられたりするから注意しないといけないよね。

アリスが来た日、実はジョセフはエヴリーヌの死体がくるまれた毛布を自宅の敷地に発見してしまったため、情事の時、上の空だったのだ。(そんな日はエッチに応じないといいのに笑)

彼はすぐ警察を呼べばよかったのに、母親を亡くした喪失感からか、牧草小屋に彼女の遺体を隠して一緒に添い寝するようになる。

怖っ!!

そして遺体に吠えまくる愛犬を射殺してしまう。アリスの夫ではなく飼い主のジョセフが殺したのだった。

アリスに死んだ犬を観られ、彼女も騒ぎ出したので、ある日、彼は遺体を運び出し、大地の裂け目のような場所に落としたかと思うと、自分も身を投げる。

母を亡くし、自分も一人になったのが辛くて、遺体のエヴリーヌを一人にさせまいと身を投げたんだろうけど、えーーーーっ 疑われた人がもういなくなっちゃったよ、どうなるの??

まさか、物語の序盤にこのポスターのシーンが早くも終わっちゃったことにビックリ!

【マリオンの章】若者と一晩の関係を結ぶのは危険

⇧右下の画像・・マリオン(左)とエヴリーヌ(右)

舞台は変わって、寒いフランスの田舎から、フランスの港町へ。

そこでウェイトレスをやっていたマリオン(20代前半)は、エヴリーヌ(50代前半?亡くなった女性)に誘われ、関係を持ちます。

エヴリーヌは既婚者(夫は男性)で、最初から「バカンス中の遊び」と割り切った付き合いをしてるつもりだった。(マリオンとは同性愛。エヴリーヌはバイセクシャルだったんだろね)

バカじゃないのーーー。20代の前半の若者がそんなに割り切ったつきあいが出来るわけないじゃないのーーーー。

エヴリーヌの大人の魅力にすっかり参ってしまったマリオンは足繁くエヴリーヌのホテルに通うが、本気になりだしたことを感じ取ったエヴリーヌは手紙を残して黙って去ってしまう。

そこで諦めないのが20代の若さ。純粋に「会いたい」ってだけの気持ちで、エヴリーヌの別荘がある場所までヒッチハイクで向かう。

ほらほらほら、どうするよーー。

⇧ヒッチハイクするマリオン

実は彼女の向かう先も、あの寒い山あいの村だったのだ・・・・。ここでもつながった!

驚いたエヴリーヌは、夫がいつ帰ってくるかも分からないので、とりあえず彼女を別のホテルに泊まるよう説得する。

マリオンは、エヴリーヌがいつでも訪ねて来れるようにひっそりとしたキャンプ場のトレーラーハウスを借りることにした。

ね、大人はティーンや20代前半のやつを簡単に扱えると思ったらいかんて。

【ミシェルの章】自分の夫がこんなことしてたら、どうする?笑

ここで舞台はコートジボワールに飛び、貧しい少年アルマンが歩いていると、ド派手なスポーツカーで派手な女を連れて豪快に遊び回っている、かつての知り合いを発見する。

彼が成功したその方法を使って、フランス人の資産家の愛人になっている元妻と娘を取り戻すためにお金を得ようと決めたアルマン。

そこで登場するのが、1部屋のコンクリート打ちっぱなしの小屋に若者が集団でパソコンをいじっているシーン。(上の画像、左下)

パソコンは買えるんだー。Wi-Fiもあるんだね・・。

アフリカの貧しい村でもみんなスマホを持ってるのをテレビで観たことあるから、どうやって手に入れてるのか不思議に思ったことがある。

アルマンが、パソコンでチャットを始めた。

そのチャットの画面に現れた相手が・・・・・・・・・・・・!!

アリスの夫のミシェルだったのだ!! しかもアルマンがなりすましているのは、あのマリオン!

もう、ワクワクしっぱなし(→ひどい)だったけど、この映画は私の予想をはるかに上回ってくるのである。

アルマンはマリオンのSNSの画像を使い、アマンディーヌという名前でミシェルとチャットを続け、機会があるごとに「お母さんの入院代」や「ある人に脅されている」などと言い、金を騙し取ることに何度も成功。

村で一躍金持ちに躍り出る。

でもさー、送金先がアフリカならミシェル、ちょっとは気づきなさいよーーー。

自分だけはそんな目に遭わないとか思うのかな、相手に夢中になってると。

チャットにハマるミシェル(イメージ画像)

ミシェルが、パソコンの前にずっと釘付けだったのはこんなチャットをしていたせいだったのだ。

こんなことを妻の立場で知ったら、普通の浮気どころじゃなく、悲しみ通り越して呆れるかも・・。

アフリカ発信の国際ロマンス詐欺が増えてるらしいね。いくらイケメンや美女でも金を無心してきたら、そこは疑わなきゃ! 

でもね私も金髪ブルーアイズのイケメンで経歴に「アメリカ海軍将校」とか書いてあったらすぐ引っかかるかも!笑。

金髪白人のイケメンの人はよくSNSから画像をコピーされて、日本人女子の国際ロマンス詐欺に使われているっていつかTVで観たことがある。わたしのようなかぶれ女がカモよね!(自分で言うな)

若い子に夢中だから冷たいのか、妻の不倫に気づいたからヤケで始めたらハマったのかはわからんが、夫ミシェルの章から、全編の伏線回収が一気に始まったので、すごく面白くなった笑。

そしてマヌケだからついつい笑ってしまう。(ひどい)

ミシェルは、マリオン(ミシェルのチャットではアマンディーヌという名前になっている)を自分の村で見かけて、自分に会いに来てくれたと勘違いする・・・。

「会いにきてくれたんだ!」というチャットの返しに困惑するアフリカチーム笑。

トレーラーハウスのドアにお金を挟んであげたりして、けなげなミシェル(おかげで牧場は火の車)。

マリオンはそれをエヴリーヌからの手切れ金だと誤解し、取り乱してエヴリーヌに引っぱたかれ別れを告げられる。

それを観ていたミシェルは、マリオン(ミシェルにとってはアマンディーヌ)を脅している相手だと誤解し、後をつけていくと、恋した女のためエヴリーヌを首を締め殺害する・・・。

ギャー、殺したのはあんただったのか!!

ミシェルは、「もう心配ないよ」とマリオンに迫るが、マリオンにとっては知らない男なので、どついてトレーラーハウスから追い出します。

それで額に怪我したのかあ。

呆然としたまま帰ったミシェルに、コートジボワールの警察から電話があり、「国際ロマンス詐欺」と知らされる・・・・・・・・。かわいそう(とブログでは言いつつ、映画館では笑ってしまった笑)。

金づるがなくなったアルマンも、元妻に何もしてあげられなくなり、元妻は娘とフランス人パトロンに引き取られて行くことになり、彼も孤独になる。

実はそのフランス人パトロンは、殺されたエヴリーヌの夫で、妻が死んだので、アフリカに隠していた愛人とその子供を呼び寄せたのだった・・・・・というすごい話だった笑。

ジャスミンKYOKOの煩悩だらけの映画トーク

アリスの夫ミシェルの章を一番最後に持ってきたことで、物語がより複雑に面白くなった。

しかし、若い女子がそんなオッサン本気で相手にしないと思うのに、そういう詐欺にひっかかる人は後を絶たないよね。

アリスの情事の前から実は事件は始まってたという・・。

メグ・ライアンのラブストーリー『ユー・ガット・メール』では、まだパソコンを立ち上げるのにしばらく時間がかかってた時代で、立ち上げている間にコーヒー淹れたりして、これから気になる彼とのチャットをできる嬉しさをかみしめていた。

インターネットの素敵な可能性を匂わせる映画だったなあ(チャットの相手が王子様だったり、大富豪だったり、イケメンかもー??なんてね笑)。

今では全世界にネットが普及して伝達スピードも早くなり、スマホで誰でも色んな人と繋がれるようになったが、こんな詐欺を警戒しなきゃならなくなった。

マッチングサイトで出会いを探してる人は、本人と初めて会う時ビビるだろうね。

私も婚活を主催してた時、「免許証をなくして、引っ越してきたばかりだから今の住所の保険証を持たない」と言ったチャラい男がいて、「前住所の保険証と今在住の公共料金の領収書を合わせて持ってきてください」と言ったら、その男は当日来なかった。

こういう時代、身元をキッチリ確認してあげなきゃ、せっかく純粋に出会いを求めて楽しみに来てる人を守れないからね(そこは絶対ナアナアにしない笑→サスペンス映画の教訓をすべてに活かしている人笑)。

この映画みたいに殺人や詐欺まではしなくても、自分の希望を叶えるために人の恋心や好意に甘えちゃったり(例えば自分に好意を寄せてる人や元彼や元カノに頼りすぎたりしてしまうとか)、そういう弱い部分は人はあると思うし、あってもいいと思う。

ただ間違った人に甘えすぎた後すぐそっぽを向くと、今の時代は逆ギレして殺されたりするから、思わせぶりもほどほどにせんと、命が危ないからね。見極めが大事。

だから家にばかり引きこもってないで、傷つくことやイヤなことがあっても人と出来るだけ会うようにした方がいい、人に会わないと人を見極める能力も身につかないからね。

それにしても、この脚本家はすごい。よくこういう話作れるなあ。

すごく面白かったけれど、アメリカかぶれ作品かそうでないかってだけで、これ以上、上の順位にいけないので悪いね笑。

映画『悪なき殺人』のキャスト

@『悪なき殺人』(2019年 仏)

ミシェル・ファランジュ・・・・・・ドゥニ・メノーシェ

アリス・ファランジュ・・・・・・・ロール・カラミー

ジョセフ・ボンフィーユ・・・・・・ダミアン・ボナール

マリオン・・・・・・・・・・・・・ナディア・テレスツィエンキーヴィッツ

1位・・・・・『ラスト・フル・メジャー』  

2位・・・・・『KCIA 南山の部長たち』

3位・・・・・『最後の決闘裁判』

4位・・・・・『スイング・ステート』

5位・・・・・『悪なき殺人』

6位・・・・・『ヤクザと家族 The Family』

7位・・・・・『プロミシング・ヤング・ウーマン』

8位・・・・・『グリーンランド 地球最後の2日間』

9位・・・・・『ある人質 生還までの398日間』

10位・・・・・『クーリエ 最高機密の運び屋』

11位・・・・・『ビバリウム』

12位・・・・・『アイス・ロード』

13位・・・・・『パワー・オブ・ザ・ドッグ』

14位・・・・・『RUN』

15位・・・・・『インヘリタンス』

16位・・・・・『ワイルド・スピード JETBREAK』

17位・・・・・『アオラレ』

18位・・・・・『キル・チーム』

19位・・・・・『ミアとホワイトライオン 奇跡の1300日』

20位・・・・・『秘密への招待状』

21位・・・・・『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』

22位・・・・・『モンタナの目撃者』

23位・・・・・『ハロウィン KILLS』

24位・・・・・『ダーク・アンド・ウィケッド』

25位・・・・・『OLD』

26位・・・・・『アウシュビッツ・レポート』

27位・・・・・『モーリタニアン 黒塗りの記録』

28位・・・・・『ダ・ヴィンチは誰に微笑む』

29位・・・・・『孤狼の血 LEBEL2』

30位・・・・・『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』

31位・・・・・『アウトポスト』

32位・・・・・『聖なる犯罪者』

33位・・・・・『ジェントルメン』

34位・・・・・『ファイナル・プラン』

35位・・・・・『ドント・ブリーズ2』

36位・・・・・『ゴジラVSコング』

37位・・・・・『ノマドランド』

38位・・・・・『キング・オブ・シーヴズ』

39位・・・・・『AVA/エヴァ』

40位・・・・・『テスラ エジソンが恐れた天才』

41位・・・・・『Mr.ノーバディ』

42位・・・・・『白頭山大噴火』

43位・・・・・『モスル』

44位・・・・・『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』

45位・・・・・『キャンディマン』

46位・・・・・『カポネ』