『ザ・ウォッチャーズ』(ネタバレ感想)シャマラン娘、でかした!森は怖い。

ジャスミンKYOKO

こんばんは、ジャスミンKYOKOです。

ナイト・シャマラン(監督)の映画は文句を言いつつ、よく行っている。

「何あれ! 24人格を演じたと言っておきながら4人くらいしか演じてないじゃん」(『スプリット』のことを言っている)

「シャマラン、できるやん!もう奇をてらわなくていいんだよ、普通に撮ればいいのよ」(『Knock』のことを言っている)

文句を山ほど言うか、褒める時は上からになってしまうが、ちゃんと劇場に行くので、よく言えば律儀なファンとも言える笑。

今回はそのシャマランの娘が監督したらしいから、「はて、どれどれ」みたいな上から目線で観に行ってきたが、面白かった。

やるじゃないか、娘!

お父さんが売れっ子だと、こういう道も開けるからいいよね。(比較されるのに耐えれればだけど)

森に迷い込んだら・・・・怖っ!!という映画です。

『ザ・ウォッチャーズ』の評価

私の個人的な思考による評価です笑 星は7段階で評価します

私の評価★★★★☆☆☆
化け物の特性をストーリーのあちこちにちりばめてる部分
が面白かった。
観るのにオススメな人◆ナイト・シャマランファン
◆摩訶不思議な世界が好きな人
◆ファンタジーが好きな人
暴力性・残虐性★☆☆☆☆☆☆
心理ホラーになるのかな、ビックリしたりハラハラ
したりはするけど、化け物に襲われるシーンは
食いちぎられたり等のわかりやすい殺され方の描写はない
ので安心を。
エロ度☆☆☆☆☆☆☆
感動度★★☆☆☆☆☆ ストーリーにツッコミどころは満載笑、
4人しか登場人物いなくてここまで面白いのを作れるのは
すごい。

『ザ・ウォッチャーズ』ストーリー

ペットショップに勤めるミナは、店主に頼まれオウムを配達することになる。

ある森を通りかかった時、エンジンが止まり、スマホも圏外になってしまい、立ち往生。

助けを求めるものの、同じ場所をループし車も見失ってしまう。

森の中で出会った人間の言われるまま助かるために逃げ込んだ「箱」のような家。

彼らによると、毎晩森の中に住む何者かに監視されているという・・・。

ミナは「鳥かご」から抜け出せるのか・・。

↓ここから先はネタバレ感想です。

『ザ・ウォッチャーズ』ネタバレ感想

ナイト・シャマラン関係ということで、内容やキャストなどほとんど調べず観に行ったので、主演がダコタ・ファニングということに驚いた。

そうか、ダコタ、ホラーも出るようになったか、すごいぞ!(子役の時から応援してた)

主人公のミナ(ダコタ・ファニング)は、ペットショップの店員だったが、現実の自分を逃避したいのか、夜な夜なコスプレして今の自分とはかけ離れた職業に成りすまして、バーに繰り出していた。

ここが布石だったとはね。

森の中に出てくるモンスター、「ウオッチャーズ」は、人間のマネをしてなりきる怪物だったんのだ。

毎晩コスプレして憧れの職業であるモデルやバレリーナになりきるミナみたいに。

「オウム(鳥ね)」の配達を頼まれ、ミナはかなり離れた地域に自分の車で向かう。

今回珍しく、舞台がアイルランドだったのでワクワクした。

アイルランドなら妖精もいそうだし、神話も豊富そうだし。そういうのと見せかけてIRA(イギリスから分離させられたアイルランドを統一したい義勇軍。テロ活動もやってた)の残党かもしれないし♪。

森を通っている間にエンジンが止まってしまい、スマホもつながらなくなってしまう。

こういうのを見るといつも車はガソリン満タンで点検もしとかないといけないなとヒヤッとする。

スマホが狂うような磁場がある森なんてJAF(ジャフ。ロードサービス)も呼べないではないか。

富士山の樹海も磁場が強く方位磁針が狂うところもあるらしいから(自殺者も遭難者も多い)、森って一度迷い込んだら出れないイメージで前から怖いと思ってた。

そんな場所でエンストとスマホが圏外・・・絶望以外何ものでもないが、ミナの最初に取る行動が訳わからん。

なぜこんな森の中に家があると思うのか。車から離れて深く森の中に入ってしまい、車を見失う。

君さ、もうすぐ日没だよ?しかもここはアイルランド(夏でも寒い)。

車の中にいるのが利口だろうに。まあ、そんなこと言ってたらホラーは始まらないからね笑。

毎回同じ場所に戻る無限ループに陥り、日が落ち始め、半ば狂ったように助けを求める声を上げた。

そこで初めて人を見かけて追いかけると「助かりたいなら走りなさい」

森の中で、ようやく見つけた人間にそんなこと言われたら走るよね笑。

そこで全速力で走った先にあったのが、ガラス張りの箱のような家。

ラストまで森にいる奴らの正体がわからないかと思ったら、その箱の家にいる住人は、意外に奴らの習性まで知っていた。

ミナより若いダニエルという男と、ミナより年上の女性のキアラとさっき森で会ったマデリンという60代くらいの女性。

「奴らに背を向けてはいけない」

「時間になったら窓に向かって並ぶ」

「通常の生活をしてるふりをする」

「森に無数にある穴にはウォッチャーズが住んでいるから入るな」

「日の当たる場所にいること(日中は襲われない)」

それはここに一番古くからいるさっきミナが森で最初に会ったマデリンから聞いたものらしい。

彼らはこの箱にいる人間をガラス越しに夜な夜な観察して人間の習性を学び擬態するらしく、マデリンたちは「ウォッチャーズ」と呼んでいた。

でもこうやってレビューを書きながら考えると、みんな恐怖でマデリンがなんでその森の奴らの習性を色々知ってるのか、疑問にも思わないのよね。

長くここに閉じこもってるから奴らの習性を知ってるんだろうと思い込んで、疑いもしない。

カゴにつながれたままの鳥は、長い間その空間にいると、窓が開いていても逃げないらしいよね。

「思い込み」って目を曇らせるんだね。

ラストに明かされるけど、森の奴らウォッチャーズは大昔にこの森に人間によって閉じ込められた妖精で、彼女もその妖精だったのだ。しかもマデリンは完璧な状態まで人間に擬態していた。

しかもマデリンはハーフリング(ウォッチャーズと人間のハーフ)だったと判明。

なので彼らの習性も知っているけれど、妖精でもないから彼らと仲間にもなれないし、人間として生きていきたいけれど人間の力を借りないとこの森を出れない。

その謎を解き明かしてくれる人を待っていた、ってことだろうね。

いつもシャマラン系観て思うのは、ラストにその恐いヤツの姿をわざわざ観客に見せなくていいんじゃないか?ということ。ガッカリすることが多いからね笑。

今回もラストにマデリンがキモい妖精になって翼を広げて飛んでったのよ・・・笑。やめて。

得体が知れないからゾクゾクして怖いのに、最後に「なんじゃありゃ!」とその姿を見てあまりの滑稽さに今までの恐怖が抜けちゃうのよね笑。

まあ、ハリウッド映画はたいていそうだけど笑。

ハリウッド映画って、化け物の想像力に限界があるのよ笑。悪魔とか妖精とかの延長が多い。そう考えると日本のウルトラマンの怪獣たちは、やっぱりすごい(バルタン星人はセミがモチーフとかね)。

逃げ込んで落ち着いてきたミナは、数か月経ってもここでの生活に進展と希望が感じられないことに嫌気がさし、マデリンの言う掟を破って、日中穴に入ってみる。

絶望感感じてても私だったらコレできるかなあ。でも毎日ネズミやカラスを森で取って食べて生きるのもイヤすぎるし・・・。

その穴に入ったことでウォッチャーズの怒りを買い、不安になったダニエルがミナが外に出ていたのにドアにカギをかけてしまい、夜になっても箱に入れないミナめがけてウォッチャーズが集結。

ミナはギリギリ部屋に入れたものの、奴らは箱をとうとう壊し始めた。でも慌てて家探ししたことによってカーペットの下にある地下シェルターの存在を知った。

ウォッチャーズに興味を持った大学教授がここに籠って研究していたらしい。

しかもこの部屋を建設する時に毎日10人くらい日雇い労働者を雇って、夜もそのまま作業をさせてウォッチャーズに殺されるのを観察してた、っていうから狂ってるよ、おっさん!

この時点で、マデリン↑(右)は大学教授の妻じゃないのか?と私は予想。

正しくは妻を亡くした大学教授がウォッチャーズを研究することで妻を蘇らせることができるのかって実験していて、最後にはとうとう1人捕まえ彼女の姿に擬態させたということのようだった。

えっ 教授は妻の姿にした後、ウォッチャーズとヤッっちゃった?ってこと?(下品)彼女はその娘?いや、娘にしちゃ年取ってるし・・・(若い子の画像データがないから擬態はムリだからか)。

色々考えだすと疲れる映画でした笑。

この箱に暮らす人がみんなトラウマを抱えており、何かに擬態しないと人生やってられないような過去をひきずった人たちっていうのもウォッチャーズになぞらえているのかな。

さて、教授が死ぬ前に残していた動画で森から出て湖に抜けるルートを教えていたのでミナたちは翌日に森を出ることを決心。

教授も妻に擬態させたものの、しょせん化け物は化け物で心までは変わらないから絶望し、今までしてきたことを急に後悔しだして死んだのかもしれないね。

最初から「この人きっと死ぬな」と予想してた(ホラー好きの習性)、「死ぬ要員のダニエル」(↑右から二番目。ひどい)は、森を出て湖のボートに乗る手前で、彼が親しんでいたキアラの夫(数日前に森を出ようと試して殺された)に擬態したウォッチャーズに騙されて死んでしまった・・・・。やっぱり・・・。

森を出るまでが映画じゃなく、森を出てからマデリンの正体がわかるところまで描かれたのは見ごたえあった。

ただ、ラストにミナやキアラに成り代わって人間として生きるために彼女たちを殺そうとしたマデリンに、ミナが「あなたにも人間の良心はある」みたいな無謀な説得をして助かるのがビックリ。

え、その説得聞くんかい!

人間が混ざったハーフだからその説得が効いたということだけど、私は教授がウォッチャーズとヤッちゃったのか、そうじゃないのかがわからんで複雑でした笑。(でも擬態しただけなら日光が平気な訳ないし)

色んなホラー映画観てきたから、この手の「良心に訴えかける説得手段」というのも私が化け物に襲われたらたぶん、助かりたい一心でやってみるとは思う笑。

でも間違って良心がないヤツにしてしまい、「お前にそんなこと言われる筋合いはない!」と惨殺されたりして笑。

『ザ・ウォッチャーズ』ジャスミンKYOKOの煩悩だらけの映画トーク

ダコタ・ファニングの乗る車が、スズキのジムニーだったのが嬉しかった。

私の過去の愛車で、海外ではサムライという名で売られている。

サスペンションが硬すぎて、乗り心地が最悪だったのと、車に乗るのに足をかなりあげないといけなくてスカートは乗りにくいので友達が乗ってくれなくなり笑、アスファルトの凸凹部分を運転した時、天井で頭を打ったのを機にちょっとイヤになり、乗り換えた笑。

その1年後に乗用タイプのソフトな4駆としてパジェロミニが出て女子にブレイクしたけど、女子ウケ狙ったパジェロミニよりやっぱりゴツゴツしたハードなあの頃のジムニーが今でも好き(そのあと、スズキも乗用タイプのジムニーを出したけどね)。

ミナ(ダコタ・ファニング)が夜な夜なコスプレして、その職業になりきるっていうの、彼女は現実逃避の手段であって、楽しんでる感じじゃなかったけれど。

私は本気でやってみたいなー笑。

CAさんになりきって航空会社のパーティでパイロットと恋に落ちるとか(動機が不純すぎる)、どこぞの国の王女になりきって新聞記者と恋に落ちるとか(ローマの休日か)。

それにしても、キアラが森で亡くなったと思い込んでた夫が急に戻ってきた時、ドアを開ける前にウォッチャーズじゃないか確かめる質問が気になったな。

「ダブリン(アイルランドの首都)の本屋で一緒に買った本の名前は?」

あのさ、命かかってるんだからさ、普通もっと答えやすい質問にしない?笑 って一緒に観た友達と盛り上がった。

本だったら、間違えるかもしれないじゃないか!(あれ買ったの、TSUTAYAだったかな、ブックオフだったかなとかね)ダブリンの本屋って一軒しかないのかよ!笑

違った本を言ったばかりにドアを開けてもらえずにウォッチャーズに殺されたらかなわん笑(まあ、キアラの夫ジョンは映画冒頭でもう殺されてたのでこれはウォッチャーズだったけどね笑)。

飼ってる犬の名前とかでいいやん、ウォッチャーズは近所の人じゃないんだし犬の名前だって知らないんだから。(『ターミネーター2』では飼ってる犬の名前をわざと間違うことによって叔父叔母が液体ターミネーターに殺されたか確かめた)

普段から緊急用の合言葉を準備しとくのって大事ね笑。

キアラのノーテンキさにもビックリ。そりゃ教授が助かるルートを残してくれてたけど、そこを通ったからって助かるとは限らん。

明日の出発を前に歌って踊りだす・・・っていうのがすごいと思った笑。私だったら逃げるシミュレーションやリスクの回避などを考えることがせいいっぱいでそれどころじゃない。

教授の残した助かる方法「分岐点(そこを超えたら日没までに箱に戻れない=死)」に着いた頃、鳥が飛び立ったらその鳥の行く方向に行きなさい」

いつも夕暮れ時に鳥が大群で飛び立ってたのよ。その鳥のことだと思ってたら。

分岐点に着いたらミナが連れてきたオウムを放し、みんなそのオウムに付いてくのよ。

えっ 鳥ってその鳥??そのオウムはあの死んだ教授は知らないじゃない。人間に飼われてた鳥だから勝手に変なとこに行くかもしれないのに、オウムを信じるわけ!?

・・・ってハラハラした笑。結局湖には着くんだけどね・・・。

ハーフリング(妖精と人間のハーフ)のマデリンが去った後、ミナはトラウマを乗り越えたのか、ずっと避けてきた姉と会う。

自分が反抗して車内でふざけて手を窓に挟んでしまったため、運転してた母親が振り返ってしまい、大事故になって母は亡くなり姉には顔に傷を負わせてしまった。

鏡に写ったダコタ・ファニングかと思いきやそのお姉ちゃんだった。(顔の傷でわかるようになっている)。この辺、ウォッチャーズになぞらえた演出をいれまくるよねえ。やるな、シャマラン娘。

ホラーか、と言われれば難しいが、摩訶不思議な感じが楽しめて面白かった。ツッコミどころは毎回満載だが、シャマラン家の映画にはこれからも行くだろうね。

『ザ・ウォッチャーズ』キャスト

@『ザ・ウォッチャーズ』(2024年 米)

ミナ・・・・・ダコタ・ファニング

マデリン・・・オルフェン・フエレ

キアラ・・・・ジョージナ・キャンベル

ダニエル・・・オリバー・フィネガン

【2024年】ジャスミンKYOKOの映画私的ランキング

1位・・・・・『サウンド・オブ・フリーダム』

2位・・・・・『クワイエット・プレイス DAY1』

3位・・・・・『フェラーリ』

4位・・・・・『ザ・ウォッチャーズ』

5位・・・・・『ブリックレイヤー』

6位・・・・・『エクスペンダブルズ ニューブラッド』


🎬ランキング外

◆・・・・・・『オペラ座の怪人 4Kデジタルリマスター』

◆・・・・・・『トップガン マーヴェリック』(リバイバル上映)