『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』

こんばんは。中世ヨーロッパの王侯貴族のお話が大好きなジャスミンです。

これも3月に行ったもの(^▽^;)。出展:https://eiga.com/movie/90285/

見たい映画がたくさんあると、大変~。

しかも、これは、大好きな英国2人の女王、スコットランド女王メアリーとイングランド女王エリザベスのお話!絶対行かなきゃ!

英国3部作の中で一番観たい映画だった。

このタイトルがいけなかった。

エリザベス女王と、メアリー女王との駆け引きや暗殺未遂など英国女ドロドロシリーズを期待して観に行ったのに、その辺はまったく描かれず、ほとんどメアリー女王の話だった。

メアリー女王も好きなんだけど、エリザベスに処刑されるまでのドロドロの部分が一番面白いのに~。

メアリーの生涯を描いたものと知ってたら、そこまでがっかりしなかったかも(^^;。

だって、原題は、『Mary Queen of Scots』(スコットランド女王 メアリー)なんだもの。

日本人にしてみたら、メアリー・スチュワートってメジャーじゃないから、エリザベスの名前で釣ったんだろうけどね(T_T)。

エリザベス好きな人はメアリーも知ってるから、大丈夫なのにね。

ということで期待が外れた分、点数は低めだけど、この時代のお話は大好きなので、それなりに楽しめた♪



ストーリー

出展:https://www.anemo.co.jp/movienews/newmovie/2queens-6-20190214/

フランス国王フランソワ2世の崩御により、メアリーは故郷のスコットランドに戻る。

当時は兄が政権を握っていたが、庶子(しょし。庶民の地位)だったため、身分が高いメアリーに実権が移る。

イングランドからのプロテスタント(キリスト教の新教)の波がスコットランドにも押し寄せており、カトリック(旧教)のメアリーを快く思わない者や、兄の臣下にも女性君主に反対する者がいた。

それでも美貌の彼女は2度も結婚し、息子を授かる。

イングランドを統治していたエリザベス1世は、君主になったメアリーの存在が気になっていた。

互いの存在をうらやましく思う傍ら、うとましくもあり、王位継承権を巡る対立と共に、結婚や宗教も絡み、選んだ人生によって2人の運命が大きく分かれていく。

 

女王メアリー・スチュワートと夫選び

出展:https://realsound.jp/movie/2019/02/post-316774.html

本当はフランスの王妃でいたはずだったのに、フランス国王フランソワ2世の若すぎる死(16歳)によって、18歳で未亡人となったメアリー(シアーシャ・ローナン)。

翌年スコットランドに帰国。

身の危険を避けるために長い間フランスで育てられた彼女は、優雅で男性をとりこにする魅力があった。

このフランソワ2世と結婚して、彼が病死した辺りは、マンガ「王妃マルゴ」で読んでたから分かってた。

映画やマンガってほんと、こういう複雑な世界史を頭にスルスル入れてくれるから嬉しいよね♪
『王妃マルゴ』この7巻も最近Eさんに借りたけど超面白かった

生涯独身を貫き、国家と結婚したと言われたエリザベスとは反対で、「愛に生きたメアリー」と言われる彼女。

「世界ふしぎ発見!」で予習してたので、2番目の夫ダーンリー卿が爆弾で殺されたり、DV男とか知ってたので「あーーここ!」とワクワクしながら観ました♪

3番目の夫と再婚したのが異常に早かったため、2番目の夫をメアリーが殺したんじゃないかと疑惑が起こり、スコットランドでの彼女の評価がおおいに下がり、しだいに退位までの序章となっていく。

この時代、女性が君主として君臨することは、今の何倍も大変だった。

信頼してる臣下でさえ、内心は「女のTOP」はイヤだと思ってる者が多かったはず。

メアリーもどうしても男性の力を借りずには、地位を保てなかった。

だから、エリザベスの選んだ人生は、国を統治する女性としては、仕方のない選択だったんだろうね。

長い間、男性優位で動いてきた歴史はなかなか変わらない。

夫婦でも、妻の方が稼いでたら、ひがむ夫が多いので、女性経営者は所得を秘密にしている人もいるらしい(^^;。男って・・・(笑)。

だから、全面的にサポートできる男子は、男の鏡、奇跡なのです。

私以上の世代ではあんまり見かけたことないけど笑。

この映画の中にも出てきます。

結婚するまでは、女王として崇めてくれるが、結婚したとたん、男は「女王の夫」では満足せず「王」を目指してしまう、と。

だからと言って野心のない男を選ぶと「ヒモ」みたいになるから、大変(^▽^;)。

それさえも防がないといけないなんて、なんて大変な人生なの(T_T)/~~~。

現代もあるよね。稼げない女は、俺様男子と結婚してしまい、思い通りにさせてやらないといけないし、稼ぐ女は「ヒモ」みたいな男が寄ってくる。

どっちもイヤよね(笑)。

 

エリザベス1世との確執

出展:https://spice.eplus.jp/articles/230396

この頃の英国は、今のように統合されていなかったので、イングランドをエリザベス1世が、スコットランドをメアリー・スチュワートが統治していた。

メアリーがフランスにいた頃から、即位したエリザベスが正当な王位継承者か疑う噂があったらしい。

手厚く育てられたメアリーと違い、即位直前はロンドン塔に幽閉されていたエリザベス。

(この辺の話は、ケイト・ブランシェットの『エリザベス』を観よう)
『エリザベス』

エリザベスの母の、アン・ブーリンは夫であるヘンリー8世に殺されたのもあるし、そりゃ、国家と結婚したくなるくらい、誰も信じられないよね(・_・;)。

(この辺の詳しい話は『ブーリン家の姉妹』を見るとわかるよ)
『ブーリン家の姉妹』
スペイン国王との結婚話もあったらしいけど、さっきの話同様、結婚してしまった後はイングランドでも国王になりたがるに違いないし。

ひがみ男子に囲まれて政治をするなんて、精神ボロボロになりそう(^▽^;)。

だから恋人(ダドリー卿)は、いても結婚しなかったんだろうね。豹変するとこ、観たくないもん。

側近は、思いやりがあって、頭がキレる人を選ばないとね。

エリザベスの側近には、ガイ・ピアースがなっていた(写真 右)。

メアリーの生涯を観ていて、エリザベスは、夫によって翻弄されたくないと思ったのかもしれないね。

自分の方が正当な王位継承者だとメアリー自身が強く思っていたのをエリザベスも知っていたし、メアリーの臣下や、カトリックから謀反や暗殺をたきつけられないとも限らない。

意図しない動きにも目を見張る必要があり、お互いが存在する限り、心休まる時はない。

彼女の処刑は、エリザベスは最初渋ってたらしいけれど、とうとう承諾した。

キリスト教の殉教者を意味する、緋色のドレスは、メアリーの最後の反旗だったのかも。

彼女が処刑前に言ったとされる「わが終わりにわが始まりあり」

子供を持たなかったエリザベスが亡くなった後は、皮肉にもメアリーの息子ジェームズ6世が跡を継ぎ、イングランドとスコットランドを統合して今の英国のもととなるグレートブリテンになっていく。

今の英国王室はこのメアリーの子孫だから、このことを予想してたかのような言葉でビックリ(^▽^;)。

ただでは死なない女王の執念!!ヒャーこわ!

 

カトリックとプロテスタント

出展:https://www.cinemacafe.net/article/2018/11/22/59150.html

中世映画を観る上で、この違いを分かっていないと全然楽しめない。

イタリアルネッサンス期にルターによって宗教改革が行われ、プロテスタント(新教)が生まれた。

簡単に言うと、プロテスタントの考えは、イエスは神の子ではなく、人間が神格化したもので、カトリックは、イエスは神。

イングランドは以前カトリックが多かったが、浮気性のヘンリー8世が、離婚をしやすくするために国教としてプロテスタントを取り入れたとされている(サイテー)

(『ブーリン家の姉妹』ではエリック・バナが演じているため、浮気性でもつい大目に見てしまう笑)

カトリックは離婚はダメだからね(^▽^;)。

だから、カトリックのメアリーは、3番目の夫と結婚したいがため、2番目を暗殺したと思われたのだ。

死別なら、再婚できるからね( ̄▽ ̄)。

プロテスタントは聖職者(牧師)も結婚できるが、カトリックは、生涯独身のまま、神に仕えるので「神父」。

だから恋愛できない神父が小児愛に走って問題となった(^▽^;)(『スポットライト世紀のスクープ』参照)。
『スポットライト世紀のスクープ』

この映画の中で字幕に「ユグノー」という表現が使われてて驚いた。

ユグノーはフランス語で、プロテスタントのことをさげすんで呼ぶ蔑称。

私はマンガ「王妃マルゴ」で知ってたけど、分からなかった人も多かったのかも(^^;。

日本のマンガは素晴らしい。

 

まとめ

出展:https://front-row.jp/_ct/17257055

この映画を観て、私の中での中世映画の基本は、ケイト・ブランシェットの『エリザベス』だなあと改めて感じた♪

エリザベスのお気に入りダドリー卿は、私は今回の彼↑が良かった。

今回のダドリー卿はジョー・アルウィン(上の画像)。テイラー・スイフトの彼氏らしい( ̄▽ ̄)。いいなーテイラー(アホ)。

(ケイトの方はジョセフ・ファインズが演じた)。

映画の会のJちゃんはジョセフのダドリー卿の方が良かったらしい。

やっぱり、みんな知らず知らずの間に比べちゃうのよね(笑)。

ガイ・ピアースが演じた側近ウイリアム・セシルは、ケイトの時は『ジュラシック・パーク』のおじいさんだから、これも今回がいいかな(笑)。

マンガと映画を絡み合わせて世界史を覚えていくのがとても楽しい~。

エリザベスは、やはりケイト・ブランシェットの方がたくましく、かっこよかった。
『エリザベス ゴールデンエイジ』

「・・・エリザベス」なんてタイトルにつけちゃうと、強くてかっこいいのを期待してしまうから、マーゴット・ロビーがせっかく頑張ってたけど、繊細でしおらしいエリザベスにはちょっとガッカリ(^^;。

最近、史実により近づけてメイクするから、なんか気持ち悪くて感情移入がしにくい(笑)。

ケイトのエリザベスみたいに、最後に一瞬当時のメイクやヘアスタイルをするくらいでいいのになあ。

マーゴット・ロビーは現代では美しいけど、このヘアスタイルとメイクはちょっとブスく見えたので惜しい。

今みたいに一日中スマホを観て過ごすのは映画にならないから(笑)、この時代の人々は全力で生き切って、死も隣り合わせだから、映画も歴史も見応えがあって、研究し甲斐もあるんだろうね♪

エリザベスがちょっと迫力に欠けたのと、2人がやりあった史実があまり描かれてなかったので、ガッカリはしたけど、やっぱりこの時代を描いた映画は大好きです。

なので、『ギルティ』を抜きました( ̄▽ ̄)。笑

あーイギリスに行きたい!今度はスコットランドに!



映画『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』のキャスト

@『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』(2019年 米英)

メアリー・スチュアート・・・・シアーシャ・ローナン

エリザベス1世・・・・・・・・マーゴット・ロビー

ヘンリー・スチュアート(ダーンリー卿)・・ジャック・ロウデン

ウイリアム・セシル・・・・・・ガイ・ピアース

【2019】 ジャスミンKYOKO 映画私的ランキング

1位・・・・『クリード2』

2位・・・・『グリーンブック』

3位・・・・『運び屋』

4位・・・・『女王陛下のお気に入り』

5位・・・・『ファースト・マン』

6位・・・・『マイル22』

7位・・・・『シンプル・フェイバー』

8位・・・・『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』

9位・・・・『THE GUILTY/ギルティ』

10位・・・・『マイ・サンシャイン』




 

 

 

 

 

2件のコメント

こんにちは!小山さん、見てきたんですね( ̄▽ ̄)。
ゲスイ『女王陛下のお気に入り』よりこっちが好みだったんだね。
私も2人の闘いがメインだと勝手に期待しすぎなかったら、こちらが上回ったかも(^^;。
エリザベスの弱さもよかったのね♪ ケイト・ブランシェットが軸にあったので、私はちょっとがっかりしちゃって・・。でもこの時代のお話は楽しいよね

やっと今日観てきました。私は、女王陛下のお気に入りよりこっちが好きです。
エリザベスの弱さも好きでした。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA