『ヤクザと家族  The Family』綾野剛が素晴らしすぎる!ヤクザと世間の移り変わりを家族に焦点を当てて描く

こんばんは、ジャスミンKYOKOです。

珍しく邦画です笑。

ヤクザ映画に目がないんです笑。

だからといって「姐(あね)さん」になる度胸などは持ち合わせていないけどね笑。

ハク(気迫のこと)効かせるために、足の甲をドス(短刀)でなんて絶対刺せないわ!(『極道の妻たち』の岩下志麻のことを言っている笑)。

イヤな感情を抑えてやる「義理」はやる必要ないと思うけど、「人情」と「仁義」が好きなんです!!(古いヤクザ映画をずっと観てきた影響笑)。

反社会的勢力に世の中が厳しくなった今、以前は肩で風きって歩いてたヤクザたちがしのぎ(収入源)を断たれ、風当たりも強くなっていき、任侠(にんきょう。ヤクザのこと)の世界でも一般人としても生きることが出来ないようになっていく姿を綾野剛(あやのごう)が10代から30代を演じて一世代の回顧録に仕上げています。

最初、「ヤクザの更生」だけに視点を置いた作品だと思って見に行かないつもりだったけど、映画の集まりの仲間から「抗争(ヤクザの勢力争いのこと)が半分くらいありますよ!」と言われ、出かけました(単純笑)。

いやあ、よかった!良すぎた!

綾野剛すごい!!これから君にヤクザ映画を任せたよ!

「親子盃」(おやこさかずき。ヤクザの世界で親子の契りを誓う儀式。兄弟の場合は兄弟さかずきと呼ぶ)のシーンもあって嬉しくてたまりませんでした!!(元ヤクザで今作家の方が監修してるので、超本格的で大満足)。

ヤクザ映画としてもちゃんと凝っていて、昔のヤクザから今のヤクザ、それからヤクザとは言わない今の若者が中心の「半グレ」まで時代のギャップを描きつつ、その時代を生きる彼らの移りゆく世の中に対する切なさや怒りなども丁寧に描かれています!



ストーリー

映画『新聞記者』で日本アカデミー賞の最優秀作品賞に輝いた藤井道人監督とそのチームが作った作品です。

前回は「日本の政府の闇」を描いたけれど、今回は2010年に制定された「暴力団排除条例」によって社会からはじき出されてしまったヤクザの生き辛さと家族の絆を描いています。

一日をただどうしようもなく生きている若者たちが柴咲組(しばざきぐみ)の組長(舘ひろし)と出会うまでを第一章、親子の盃を交わし組に入ってブイブイ言わせて抗争後に逮捕されるまでを第二章。

14年の刑期を終えシャバ(現実の世界のこと)に戻ると世の中がすっかり変わってしまい厳しい現実をつきつけられた今を第三章として、19歳の若者がヤクザになってその後39歳になるまでを綾野剛一人で演じた世代ごとの物語です。

「家族」に焦点を当てることによって、時代の移り変わりとヤクザの世界の変貌がよくわかるようになっています。

 

主人公、山本賢治が関わる3つの家族を描くことで、寂しさ、温かさ、辛さを表す


主人公の山本賢治(綾野剛)は、父親をシャブ(覚醒剤)で亡くし、自暴自棄だった19歳のとき、ヤクザのシャブのアガリ(売上金)をパクって半殺しの目に遭う。

絶体絶命のところを、柴咲組の組長の柴崎(舘ひろし)から救われる。

組長や組員たちから温かい言葉をかけられ、荒んでいた心が和らいでいく。この組がシャブ(親が死んだ原因)には手を出さない古いタイプの組だったのも安心できた。

賢治は、柴崎のため組の仕事をがむしゃらにがんばっていく。

家族の温かみを知らずに育った賢治にとって、柴崎は本当のオヤジ以上の存在になったに違いない。

ニュースなんかを見ると、なんでヤクザになんてなるんだろうと思うけれど、きっかけは「ちょっと優しくされた」みたいな、たわいもないことなのかもしれないよね。

25歳の頃出会った由香(尾野真千子)との間に子供が生まれていたことを出所後に知り、なんとか家族を食べさせて行く為まっとうな仕事にありつき、温かい時間を過ごしていたが・・・。

覚醒剤のせいで失った最初の家族、血がつながってなくても温かい絆でつながっていたヤクザのファミリー、出所後の自分の生きる意味になった新しい家族。

この3つの家族を丁寧に描くことで、賢治の中に生まれていく寂しさや温かさ、温かさを知った後の孤独の辛さなどがより伝わってくる。

母のように慕っていた寺島しのぶが演じる愛子の経営する食堂での一幕も、ヤクザになってイキがっても心は純粋なままの賢治の姿が垣間見える。

大人はわかるんだろうなあ、なんかほっとけない可愛さがある賢治の魅力を。

辛い時に優しくされた恩義を忘れず、筋を通し損得考えずオヤジと組を全力で守る賢治が素晴らしい。

あんたはヤクザの鏡!!(変な褒め方)

 

10代から30代まで演じても違和感ない綾野剛がすごい

⇧こんな金髪の兄ちゃん、いるよね笑。

本当に10代も自然。金髪なんだけど、黒髪が見え隠れしてて、白いダウンに白のジャージ、白いスニーカー。カスタムスクーターに乗ってるやつ、いるいるーー♪

ちゃんとノーヘル(ヘルメットをしないこと)だったのが嬉しかったなあ(最近の映画はヤンキーなのにきちんとメットをかぶらせたり、シートベルトさせたりして違和感ハンパない)。

「今の御時世だから」を映画の中まで持ってきちゃダメなのよ、だって彼らは世の中に反抗してるんだから!笑

アガリ(上納金や売上金のこと)をパクって、追いかけ回される時に車に轢かれてまた走り出すシーンがあるけど、そこもノースタントでやってる綾野剛。

すごい!!尊敬したぞ!!

10代のやんちゃさ加減から、組のしのぎ(収入)を稼ぎまくるチンピラ(ヤクザの若手)時代、ムショ(刑務所)を出た後の組の様子の変わりようへの寂しさや周囲の自分に対する冷たさからの孤独感などを表情や姿勢などで演じ分けてるのがすごい!!

チンピラ時代は歩き方も違います。ギラついてるんでオラオラ感出てますよ♪

ちゃんとお務め果たして(刑期を終えること)さあこれからという40代目前、世間の変わりように絶望を感じ疲れた顔つきとがっくりと肩を落としたような姿勢がもう、全然違う!

綾野剛の章ごとの表情や姿勢、歩き方の違いにも注目してみてくださいね。

 

舘ひろしの親分はちょっとジェントルマン過ぎかな、でもかっこいい!!

こんなかっこいい親分、います?

わたしのティーン時代のハリウッド並みの刑事ドラマ「西部警察」で鳩村(はとむら)特攻隊長(バイクの警察部隊)として皮のジャンプスーツでブイブイだった舘ひろし。

それから「アブナイ刑事(デカ)」(以下アブデカ)時代も超かっこよくて、「タカ~♥(鷹山刑事の呼び名)」と言いながら毎週毎週観てました。

でも、今回はヤクザの親分? どうかなあどうだろうなあ。

どちらかというと、私の中では、「団長、行かせてください!!」的な無茶をする若い衆なイメージなので「副官キャラ」とか銀星会(ぎんせいかい。アブデカに出てくるヤクザ)と闘う「刑事」のイメージが強い。

出所してきた賢治のため、着物を着て待っていた舘さんを観た時、「あああーーー渡さんが乗り移ってるーーー」と感激しました。

賢治のために、よその組長にスゴむシーンがあるけど、もうね「西部警察」の団長(渡 哲也)なんです!!かっこいい!!

ヤクザにしては上品で、ちょっとジェントルマン過ぎな気もしたけど、舘さんだから許す♥。

今回綾野剛と初共演するにあたって、自分の自慢のスーツを譲ったらしい。

これを聞いて「アブデカ」のとき、初共演した仲村トオルに大門(西部警察の団長)のスーツを渡さんがプレゼントしたというエピソードを思い出した♪(ドラマに渡さんは出ないけど舘ひろしつながり)

「アブデカ」の時、最初の10話くらいまでそのスーツ着てた仲村トオルを微笑ましく見ておりました(上から言うな)。



脇を固める俳優陣がまた、ヤクザ映画にピッタリ

「市原隼人だ!!」⇧画像上

ドラマ「ルーキーズ」でのアニヤくん役かっこよかったのよ、この人不良役をやるために生まれてきた人なんじゃないかと思ったくらい(褒め言葉です♥)。

賢治のダチの役なんですが、彼も楽しかったやんちゃな時から、賢治についてヤクザになって部下として働き、最後は家族を持つようになり、賢治の出所を待ちながら時代の変容を賢治以上に受けていく。

市原隼人も超!よかった、うまかったなあ。ガン飛ばす時なんかは綾野剛より、うまい時ある!

北村有起哉さん(⇧画像下)もいい味出してる~。シャブには絶対手を出さない昔気質の親分をこよなく尊敬し、組の苦しい財政事情を一人で一手にに背負う、若頭(わかがしら。組のナンバー2のこと)。

オモニ食堂の息子のツバサが大きくなって、ヤクザの現代版「半グレ」※になっていて、お金の儲け方や脅しのやり方まで、昔のやり方とは全く違って驚く。

※半グレ・・・「グレる」と「ヤクザと一般人のグレーゾーン」からくる造語で、ヤクザとは異なり明確なTOPがいない、若者によって構成される犯罪組織集団のこと。

昔はヤクザって格好や車でわかりやすかったけど、半グレは普通の人と見分けがつかないから、実は今の方が関わりたくなくても知らない間に関わってしまう怖さがあるかもね。

この得体の知れない怖さを磯村勇斗くんがうまく演じてる。

不器用な綾野剛が唯一心を開くようになった孤児で苦学生のホステス由香を尾野真千子が演じるけど、キャッキャしてる女子じゃなくて、浮足立たずよかった。

実際の年齢も綾野剛と同い年みたいだけど、、そうは見えない年上女房感あった。

いつもハラハラな世界で生きたら、こういう姉さん女房が安心するのかもね。

「私と仕事、どっちが大事?」というような女だったら帰ってからも疲れるし笑。

もっくん(本木雅弘)の『おくりびと』で、大きなイヤなことがあった時、帰った瞬間奥さんの広末涼子を押し倒すけど、今回綾野剛の賢治もそう。

なんだろ、女の人は落ち込んだ時ただ抱きしめて欲しいけど、男の人のこういう時に唐突にするエッチは、イヤな現実から逃げたい逃避行なのかしらねー。

「えっ 今から? こんな時に?」映画の中によく出てくる、男の人のこの衝動に毎回驚く私であった笑。

 

ジャスミンKYOKOの煩悩だらけの映画トーク


⇧親子盃の儀式が超本格的!映画『仁義なき戦い』とか思い出すわー♪

ヤンキーとはお付き合いしませんが(向こうも願い下げ)、ヤクザ映画やヤンキー漫画が大好き。

なのでヤンキーさんたちの生態を知りたくてそれっぽいことを疑似体験してきたミーハーな私笑。

走り屋マンガを読んで、山を攻めるというのはどういうことなのか、山を週末攻めているという人に頼んで86レビンに乗せてもらったことがあります(アホ)。

その時は、あまりにも怖くて、もし峠から落ちた時「この人とは一緒に発見されたくない」と思い、途中でやめました笑。

クラスメイトに暴走族の方がいたので笑、「お願い、特攻服を見せて」といい、家まで行って見せてもらったことがあるし、また別の時はお正月の車に貼るお正月仕様のカッティングシートの貼り方を教えてもらい、ドライヤーで伸ばしながら大晦日に貼って手伝ったことがある(変な過去笑)。

向こうとしては全くヤンキーキャラじゃないのに、そういうお願いをしてくる変な女が面白いのか、色々丁寧に説明してくれるので楽しかった♪

私はどうやら昔から映画やマンガで観たことを体験したり、検証したりするのが好きなようです笑。

しかしその反面それになりきった時のリスクも映画でイヤというほど観てきてるので、染まらないのよね笑。ただの研究熱心とミーハーな女っていうだけ笑。

更生しようとしてるのに、世間の風は冷たい。この映画ではやっぱり綾野剛を応援したくなっちゃうけど、自分の周りで「元ヤクザ」と聞いちゃうとやっぱり敬遠しちゃうんじゃないだろうか。

やっぱり再犯するかもしれないし、そういう人たちとのつながりが今もあれば、自分も巻き込まれかねない。

キレイゴトで「あの人達冷たい!更生しようとしてるのにー」も言うのは簡単だけど、本心はやっぱり怖いと思うだろうな。

ヤクザ映画で初めて考えさせられました(いつも抗争中心が多いからね笑)。

今回のレビューは、中学高校から観てきた数々のヤクザ映画やヤンキー漫画で培ったヤクザ・ヤンキー用語をちりばめて書きました。楽しかったーーー!!

あんまり良くて2位に浮上しましたよ!

 

映画『ヤクザと家族 The Family』のキャスト

@『ヤクザと家族 The Family』(2021年 日本)

山本賢治・・・・・・・・・・・・綾野剛

柴崎博(柴咲組組長)・・・・・・舘ひろし

工藤由香(賢治の恋人)・・・・・尾野真千子

中村努(柴咲組 兄貴)・・・・・北村有起哉

細野竜太(賢治の子分)・・・・・市原隼人

木村翼(オモニ食堂の息子)・・・磯村勇斗

 

【2021】ジャスミンKYOKOの映画私的ランキング

1位・・・・・『KCIA 南山の部長たち』

2位・・・・・『ヤクザと家族 The Family』

3位・・・・・『キル・チーム』

4位・・・・・『秘密への招待状』

5位・・・・・『聖なる犯罪者』

6位・・・・・『キング・オブ・シーヴズ』




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