『カンダハル 突破せよ 』(ネタバレ感想)次から次に現れるジェリーを襲う危機にゾクゾク!

こんばんは、ジャスミンKYOKOです。

ジェラルド・バトラーの映画『カンダハル 突破せよ』を観た。

この映画、日本公開が遅れれてもう来ないかと思ってがっかりしてたから、来てよかった!

韓国映画の同じようなアフガニスタン舞台の映画『極限境界線』でガッカリしたばかりなのもあり、反動もあってより楽しめた♪。

やはり、ジェリー(ジェラルド・バトラーの愛称)の映画はさすがだった!

私が求めている友情はこんな友情なのよーーー!(韓国版の友情はクサすぎたからね)

朝イチかレイトショーしかない非情なスケジュールの中、通勤と同じくらいに出て観に行った甲斐があった。

ストーリーはカンダハルまでの脱出だけなので単純だけれど、ジェリーを襲う危機が次から次にやってきて、もうハラハラ!

ハラハライライラで面白いし、スカッとします!色んな国の思惑が絡む中東情勢も見応えあるのでオススメです。

『カンダハル 突破せよ』の評価

私の個人的な思考による評価です笑 星は7段階で評価します

私の評価★★★★★☆☆
韓国版を観た直後だからかわからないが、ストーリーは
単純ながらも危機の見せ方と友情の描き方がよかった
ので、私は大満足。
観るのにオススメな人◆紛争・テロリストと戦う映画が好きな人
◆ジェラルド・バトラーのファン
◆中東情勢の映画が好きな人
◆ハラハラドキドキのアクション映画が好きな人
暴力性・残虐性★★★☆☆☆☆
タリバンなどの組織が出てくる割にはむごたらしい
処刑の数が少ない。銃撃戦はたくさんあります。
エロ度☆☆☆☆☆☆☆
ジェリーファンの人は心ゆくまでジェリーだけを観る
ことができます
感動度★★★★☆☆☆
男の友情が素敵なのと、色んな国の人の色んな角度からみた
国を思う気持ちを感じることが出来て勉強になる。

『カンダハル 突破せよ』ストーリー

アメリカ国防情報局の職員が実際に体験した実話をもとに作られた、ジェラルド・バトラー主演のアクション映画。

イランの核施設の爆破に関わったCIA(アメリカの諜報局)工作員のトム(ジェラルド・バトラー)は、次の任務のためアフガニスタンに到着。

任務を遂行する途中、CIAの職員の内部告発により核施設爆破がマスコミに漏れ、世界各国にトムの顔が割れてしまう。

アフガニスタンにいることがバレたトムが助かる方法は、カンダハルの滑走路に着陸する英国軍の航空機に乗るしかなかった。

通訳のモー(モハメド)と共に、決死の脱出劇を繰り広げる。

ここから先はネタバレ感想です。

『カンダハル 突破せよ』ネタバレ感想

もう最初から緊張しっぱなしなのよ。

イランの核施設のシステムをハッキングするための仕掛けを施すジェリー(ケーブル会社の職員を装って)。

こんな任務に就く人って、ある種のアドレナリン中毒になるのかもね。

国を思う気持ちだけじゃやってられないもん、きっと。

アメリカは自分は核を持ってるくせに、仲が悪いイランが持ったら即排除なんて矛盾だらけの任務に疑問を覚えるような人は、こんな工作員にはなれないよね。

だんだんクマ化しているジェリーだけど、そのクマ化現象が今回の不穏な中東に似合ってた。

こういう映画の主人公あるあるだけど、こんな風に危険な地域に入り浸ってるから、もれなく家庭は崩壊気味です。

ロンドンで待つ娘の卒業式に行くため、任務を終えて向かおうとすると、ドバイのトランジット(乗り継ぎ)がうまく行かなくて、待ち時間に友人が家まで来いという。

この、ドバイの友人ローマンが、最初はねモッサリしてて、チャニング・テイタムばりの体型だったから興味わかなかったけど。

映画が進む度にカッコよく見えてくるのよ!

最初はトム(ジェリー)を金でいいように雇おうとする中東のチャラい金持ちかと思ったら。

ジェリーが命の危機に立たされたら、自ら戦闘服を着てヘリで助けに行くの!!

自分が頼んだことなのに不届きな態度を取ったり、後始末をつけない人間が多い中、この人はね、ちゃんと救出に行くのよ!カッコいい~。

⇧この画像はカッコよく見えないかもだけど、映画観てたらゾクゾクするほど友情に厚くてカッコいいんです。

私はこんな友情に飢えています笑。

女同士でこういうのが達成できたら、「女もいいな」と見直すのにね笑。

だから、こういう映画を観て癒やす。

この人のこれからの未来を応援することに決めた(役なのに・・・笑)。しかも金髪っぽくて目もきれいだし♪

各国の色んな思惑が絡みまくる中東情勢と、家族と国を思う気持ちは同じ

ワクワクしたのは色んな国の思惑が絡んでて、それぞれに言い分と国を思う気持ちがあるところ。

ジェリーはドバイからアフガニスタンに向かい、友人から頼まれた仕事をしようとするが、イランの核施設を爆破した時の偽ケーブル会社の社員証がマスコミに漏れ、中東各国に追われることとなる。

ギャー、早く逃げろ、ジェリー!!

アフガニスタンのカンダハルまで30時間後までに到着すれば、SAS(英国陸軍 特殊空挺部隊)の航空機に乗れる。

この辺の国はみんなアメリカを嫌ってるから、白人のジェリーは捕まったら最後、血祭りに挙げられ、公開処刑に決まっている。

イラン兵も国境を超えて追ってくるし、アフガニスタンではタリバンが、パキスタンの諜報部も身柄をイランに売り飛ばして資金源にするため、ジェリーを追う。

おい、国境なんて意味ないじゃないか!(金を払えば入りまくり)

いろんな国のヤツが、アフガニスタンに入りまくりで、地元の自警団やテロリスト集団も加わるから気が休まらない。

アメリカ映画だから、アメリカの視点で描かれはするけど、そこまで「アメリカが正しい」という主張はない。

古い男尊女卑のイスラム世界を築こうとしてるタリバンの幹部に、タリバンに二重スパイしてるのか取引先なのか、パキスタンの諜報部ISIの男カヒルが、「もう、あんたらもそんな考えじゃこの先、国は築いていけないぜ」などと、忠告したりする。

古い体制の中にこういう新しい考えの人がパキスタンにもいるのかな、なんてちょっとワクワクする。(このパキスタンのISIのカヒル役を演じた俳優さんは、インドの映画スターらしい)

今はネットで先進国の状態も観れるから、目の前の世界のやり方だけが正しいとは限らないってことがバレちゃうからね。

アメリカ映画にしては、イランの追手側の家族の様子などを描いたりしていて、悪者だけに仕上げていないのも珍しかったのでよかった。

みんな国を思う気持ちは誰にも負けないが、宗教や価値観によって、違ってくるからね、そこがまあ、争いの元にはなるんだけど。

80年代以降、アメリカに支援統治されてきたアフガニスタンは、バイデン政権になって予算削減などによりいきなりアメリカ軍が撤退したからタリバンにあっという間に征服されてしまった。

アメリカ流の暮らしや、女性も平等に働けることを知ってしまった後に、また男尊女卑の世界に戻るのはつらすぎるよね。(タリバンはイスラム原理主義、女性は働かず姿も見せてはいけない)

パキスタン諜報部ISIが出てきた時、「えっIS?イス○ム国ってまだ勢力強いんだっけ?」と勘違いしながら観てたけど、パキスタン諜報部の略称(ISI)だとわかって納得。

※イス○ム国はイラク、シリアを拠点としたテロリスト集団。2017年以降急速に勢力を失った。

通訳のモーと育んでいく友情もいい

アメリカ在住のアフガニスタン人の通訳モー(モハメド)がジェリーと合流し、通訳しながら生き別れの義理の妹を探そうと思っていたが、その計画もままらないまま逃げることになり、まさかCIAがらみの仕事とは思ってなかったため、強い憤りを覚える。

ことあるごとに彼から離れようとするが、一緒に逃げるしか術がなく、2人で揉めながらも逃げ続けるうちに絆が生まれていく。

この異国人同士の友情の描き方がとってもよかった。

極秘任務だろうが、モーの人柄を信じ、こんな危険な目に遭うのは自分がイランの核施設を爆破したからだと正直に告げるジェリー。(まあ、マスコミにはもうバレてたからね)

こんな誠実さがあるからみんな友達も命を張ってくれるのよね。

ジェリーがカンダハルまで脱出するのに、昔なじみの地元の武装集団に助けを求めるが、迎えが来た瞬間モーの表情が変わったので、あーーーまさかまさか、モーの家族を殺したんじゃないだろな、この集団。

やっぱり・・・!!ごちそうを用意してくれた武装集団の長に銃を向けるモー。

やめろ、やめろ、ここで撃ったらもう助かる道はないぞ!!

あーここもハラハラして楽しかった。ジェリーの説得と、アメリカで待つ家族のことを考えてモーは、復讐を思いとどまってホッ。

ヘリは空いてなかったため、車を貸してくれたが、さっきのモーの態度が気に入らなかったのか、あっという間に裏切って情報を売られ、また次々と追手がくる。

うわー最高!面白すぎる!

日が落ちた広大な砂漠で、車のライトをつけず暗視カメラで運転するジェリーに感動!

そっか、追われてるし、こんな不穏な地域で車のヘッドライトつけたら命取りよねーとワクワク。

こういう中東での戦闘やスパイ工作時、アメリカは通訳を雇うが、アメリカに移住させる約束をしておきながらほとんどはほったらかしにするという、ひどい事実をジェリーが語る。

イラク戦争の時も、多数の通訳をほったらかして撤退したため、残された通訳は「裏切り者」として家族ごと惨殺された人も多かったらしいからね。今でもほとんど移住できてないんだって(何かの番組で観た)。

使い捨てはいかんよね、この通訳たちがいないと戦争できなかったのにさ。

こういう問題をさらっとエンタメの中に入れてくれるから、嬉しい。

メッセージ性があまり強すぎると、アクション映画は面白くなくなるけど、友情シーンの中にアメリカはこんなことを平気でしててごめんとジェリーの口で語られるのがいいよね。

追われる中での岩場などでの男の野宿って最高♪ こういうとこでサバイバルできる男に惹かれる~。

脱出劇の中に、中東のリアルと、アメリカのやってきた問題、男の友情が描かれるので、コンパクトに仕上がっているのに、みどころ満載かつハラハラしっぱなしで楽しめる作品です。

『カンダハル 突破せよ』煩悩だらけの映画トーク

前半ジェリーをずっと応援してたところに、ドバイの友達がジェリーがタリバンに捕まったと知り、自ら戦闘服を着て現地に乗り込んでいくさまを見て、「何この人!!かっこいいーーーー」

CIAは救出を諦めてたけど、この人は諦めないのよね。(この人はCIAにもMI6にもパイプがある人。MI6・・・イギリス諜報部)

もう後半は、男同士の友情に惹かれまくり。前半ジェリーで楽しめて、後半も青い目金髪の友情に厚い男ローマンの行動の速さにキュンキュンした。

このドバイの友達が命を投げ出してジェリーを助けた時に泣きそうになった。

そこまでしなくていいのよ、死ななくていいから続編に出てよーーーーー!!(あさましい)

あんなにチャラくて、青い目の白人だったのに、最後は「アラーの神・・」と言いながら死んだので、えっイスラム教徒だったの!?とビックリ。

アメリカ軍と現地の女子との子だったんだろうか。それともソ連軍のおとし子か・・(ソ連も80年代侵攻してたし)。

モーがパンクしたタイヤの交換をなかなか手伝わないのがイライラしたーーと友達からLINEが来て笑った。(その友達はジェリーの大ファン)

まあ、モーとしてはただの商談の通訳としてアフガニスタン入りしてるから、そんなイランの核施設を爆破した男とつるむなんて「聞いてないよー!!」(ダチョウ倶楽部)って感じだから、いちいち反抗する気持ちもわからんでもない。

でも、ピックアップトラックのタイヤ交換とか、ほんと重くて大変だから、マシンガン持って見張ってる方がいいなと思うのは私だけか?笑 

まあ、確実に殺せる技術を持った方(ジェリー)が必然的にマシンガン係になるんやろうけど、タイヤ交換は嫌だなーーー笑。

モーも命かかってるんだから、反抗はそのくらいにせーよ、とは思ったけどね笑。

人使いは荒いけど命をかけて守るジェリーとだんだん友情が芽生えていく様がいいのよね。

韓国版カンダハル『極限境界線』は、言葉で友情を表そうとするからクサくなるのよ。

ジェリーの『カンダハル』は、迫力もあるし、友情や中東情勢、次々と現れる各国の追手やその国の思惑などが絡んで、とっても面白いエンタメ作品として仕上がってて見ごたえがあった。

この映画のロケは、いったいどこでしたんだ?というくらいちゃんと中東な雰囲気だった。

しかも爆破が久しぶりにCGじゃなく、本物の爆破でド迫力!(嬉)

脱石油宣言したサ○ジア○ビアの全面協力だったらしい。

ジェリー、サ○ジに行ったのか。私は怖くてきっと一生行けないだろうけど。

サウジがいきなり欧米諸国と手を組み出したから、イランやハマスは焦りだして、イスラエルを攻撃してしまったのかな、結果イスラエル側にチャンスを与えてしまったよね。

中東やアフリカは、ずっと部族間で争っているから欧米が介入せざるを得なくなってくるけど、介入したらしたでまた問題を複雑にするしどうしたらいいんだろうね。

日本人みたいに「神」はいるけど、「他の神様も仏様もいるよー」みたいなラフな感じにはならんのやろうなあ。

映画を観ながら、途中かなりワクワクしてる自分に気づくほどだったので、ほんと面白い映画でした、ジェリーは最高です!

世界が終わる時はランボーか、ジェリーに付いてく!!

『カンダハル 突破せよ』キャスト

@『カンダハル 突破せよ(Kandahar)』(2023年 米)

トム・ハリス・・・・・・・ジェラルド・バトラー

モー(モハメド)・・・・・ナビド・ネガーハン

カヒル(パキスタンISI)・・アリ・ファザル

ローマン・・・・・・・・・トラヴィス・フィメル

【2023年】ジャスミンKYOKOの映画私的ランキング

1位・・・・・『アウシュビッツの生還者』

2位・・・・・『ヒンターラント』

3位・・・・・『母の聖戦』

4位・・・・・『ヴァチカンのエクソシスト』

5位・・・・・『イコライザー THE FINAL』

6位・・・・・『カンダハル 突破せよ』

7位・・・・・『SHE SAID その名を暴け』

8位・・・・・『春に散る』

9位・・・・・『キングダム 運命の炎』

10位・・・・・『ブラックライト』

11位・・・・・『THE FIRST SLAM DUNK』

12位・・・・・『M3GAN ミーガン』

13位・・・・・『対峙』

14位・・・・・『デスパレート・ラン』

15位・・・・・『フラッグ・デイ 父を想う日』

16位・・・・・『ワイルド・ロード』

17位・・・・・『探偵マーロウ』

18位・・・・・『MEG ザ・モンスターズ2』

19位・・・・・『BABYLON』

20位・・・・・『逆転のトライアングル』