『エジソンズ・ゲーム』電気の覇権を争う天才たちの手段を選ばない争い

こんばんは、ジャスミンKYOKOです。

『エジソンズ・ゲーム』観てきました!思ったような展開とは違ったけれど、アメリカかぶれでアメリカの歴史を知りたい私にはけっこう楽しめました♪

邦題が安易にカンバーバッチのヒット作『イミテーション・ゲーム』に引っ掛けてつけられているので、「エジソン」の伝記かと思う人は多いはず。(安易につけるな)

これは、電気や電球が発明された頃、全米での覇権を争った人たちのビジネスや特許の話なのだ。

エジソンが電球作って、世界にまたたく間に広がり、電気が普及したと思ってた私は、こんな覇権争いがあったなんてビックリ!

天才ってコミュニケーションが下手な人が多いから、その点でビジネス戦争は厳しいよね。

もっと営業力抜群で裏切らない部下を見つけれたらいいけど・・そんな人を見る能力があれば、騙されたりしないか・・・(T_T)。

この天才ゆえの不器用さがなんとももどかしい。



ストーリー

19世紀のアメリカ。電気や白熱電球の発明により、時代は大きく変わろうとしていた。

蓄音機などさまざまな発明をし、白熱電球の長時間使用を成功させたエジソン(ベネディクト・カンバーバッチ)も、全米での電気の普及の覇権を狙っていた。

ブレーキの会社を持っていたジョージ・ウェスティングハウス(マイケル・シャノン)は、直流式の送電方法を選択したエジソンとは反対の「交流式」の方がパワーがあり、安く供給できると考えた。

後で「テスラ・コイル」で名を残す、セルビア人のニコラ・テスラ(ニコラス・ホルト)も直流式より交流式が良いと判断したが、そのせいででエジソンの会社を去ることになる。

3人による、発明と送電の覇権争いが繰り広げられていく。

 

不器用な天才を演じるのはカンバーバッチにおまかせ


カンバーバッチの『イミテーション・ゲーム』を観た人は、報われない天才アラン・チューリング※の悲しさと純粋さに泣いたと思うけど、今回のエジソンはそこまで人間性を掘り下げてはおらず、主に「送電の覇権争い」に重きを描いたもの。

※アラン・チューリング 第2次世界大戦時、解読不可能と言われたドイツ軍のエニグマ(暗号)を自動で解読する機械(今のパソコンの前進)を発明。


3人が争わず、協力していたら、もっと良い世の中になったのか。

それとも争ったからこそ、次々と色んな発明が生まれたのかはわからないけど、「電球を発明した偉大なエジソン」という偉人伝を小学校の時に読んでた私からすると、かなり違ったエジソン像でビックリ。

ただ、アラン・チューリングもそうだけど、天才は人間性が偏ってるからこそ1つのことに没頭することができ、世の人がビックリする発明を生み出せる。

それゆえコミュニケーション能力に能力を使っていないので周りの人に理解されることが少なく、本人の功績は後世で評価されることが多いので、ほんとに可哀想。

彼らは自分の謎を解明したいという好奇心の塊なんだよね。

しかもお金持ってる人が少ない。

お金持ちはもう、何でも最初から持ってるから「工夫」の発想がないからかも。

エジソンみたいに能力を伸ばしたいなら、子供に少ないおもちゃで工夫するように与えすぎない方がいいかもしれないね。

 

ジョージ・ウェスティングハウスという存在を初めて知った


今回、エジソンの伝記映画ではなく、「電流戦争」と知って前もって知識を少し入れて行った。

だって、直列とか並列とか、電池や豆電球の実験も苦手だったし笑。

ジョージ・ウェスティングハウスは発明家というより、実業家の方がしっくりくるビジネスの才に長けた人物。

本人が実際どうだったかはわからないけど、映画では礼儀を重んじる正統派のビジネスマン。

好人物なだけに社会の評判もよく、資金も豊富。それに自社もブレーキなどの工場を展開していたので少なくともエジソンのスポンサー(出資者)のJPモルガンより発明者の気持ちがわかる人物だった。

エジソンがこの人と組んでたら裏切られず、商業的にももっと成功したのかもしれないのになあ。

天才はお金儲けのためだけに近寄ってくる人と、ちゃんと苦言を呈し身を持って助けてくれる人を見分けることができないのが、ほんと観ていてイライラする(笑)。

それだけカンバーバッチの偏った演技がうまい。

ジョージ・ウェスティングハウスを演じたマイケル・シャノンってなんか観たことあるなあと思ってたら、ディカプリオとケイト・ウィンスレットの『レボリューショナリー・ロード』にでてた、決定的に2人の仲を壊す一言を言った人だ!!

夢に向かって突き進んでた夫婦が、ある日夫(ディカプリオ)が急に安定の道に走り始め、ケイトとの仲がこじれはじめた時にやってきて、図星な一言を言っちゃう空気読めないくん(笑)。あれはインパクトあった。うまかったなあ。


ウェスティングハウスの奥さん役は、『ファンタスティック・ビースト』のヒロイン、キャサリン・ウォーターストン。

今の時代は彼らの功績あってのもの

⇧上左トーマス・エジソン(ベネディクト・カンバーバッチ)、右ジョージ・ウェスティングハウス(マイケル・シャノン)。下左サミュエル・インサル(トム・ホランド)、右ニコラ・テスラ(ニコラス・ホルト)

直流型にこだわるあまり、交流型の可能性を認めようとしなかったエジソン。

交流型をネガティブキャンペーン(交流型がどんなに危険か、ネガティブな噂を流すこと)で評判を落とす作戦にでたりする。

小さい頃のエジソンの伝記にそんなことが書いてあったら、憧れなかっただろうな(笑)。

でも小さい頃の憧れが、映画館にこうして繰り出す原動力となり、ワシントンDCのアメリカ国立歴史博物館でエジソンの電球を初めて観た時の感動につながった。

あれ見たさに日本人がほとんど行かない博物館に入ったのよね♪ふふふ

人付き合いをしてこなかったために、努力の結晶である発明を人から奪われたりするのも天才ならではの悲しさ。電話を発明したとされるベルの裏にはエジソンの努力があった。

エジソンの会社に所属し、仲良かったフォードが一般大衆に自動車を普及させた。

デトロイトのフォード博物館のオープンにはエジソンが駆けつけ、その時のサインが残っている。

それもぜひ、見たい!早くデトロイトの治安が良くならないかな!

当たり前に使ってるスマホにパソコン、キャッシュレス決済。様々な天才たちの功績でこの世の中は成り立ってるんだなあと改めて感心します。

天才たちの、醜くも人間臭さを中心に描いているので、大人になって楽しめる真の伝記です♪




ジャスミンKYOKOの煩悩だらけの映画トーク


ニコラ・テスラを演じるニコラス・ホルトや、エジソンの助手を演じるトム・ホランドなど、若手の俳優も頑張ってます♪

ニコラス・ホルトと言えば、コリン・ファースを狙うゲイの美男子大学生を演じた『シングルマン』や、『女王陛下』での、おバカな貴族役など、かなりキッツキツのキャラを演じてる、美男だけどそれだけにとどまらない。

トム・ホランドはかわいいけれど、トビー・マグワイヤの『スパイダーマン』を観た後だと、彼の『スパイダーマン/ホームカミング』は、アイアンマンの力を借りすぎてて頼りない感じに見えてしまったから、他の作品での彼の活躍を見守ろうっと。

トムホ演じる助手が、色んな人に裏切られるエジソンを一途に慕っている姿が素敵♪モノを1から発明する興奮を間近で観ていたいという気持ちはわかるなあ♪。

2017年にもうカナダで公開されていたのに、なぜ今ごろになって日本で公開されたのか不思議だったが、ワインスタイン絡みと知って納得。

この映画はセクハラで逮捕されたワインスタインがプロデュースに大幅に関わっていて、ダメ出しが多く、監督自身が編集の仕事をさせてもらえなかったりで作業が中止されていたらしい。

また編集後もワインスタインの名前のクレジットを消すか騒動が起きたりして、大変だったみたい(^_^;)。

こういうのがあるから、お金をたっぷり出してくれて内容にも口出ししないネットフリックスに多くの監督が流れてしまうのかもね(T_T)。(『アイリッシュマン』がいい例)

電流戦争の裏の、映画業界戦争も踏まえて、ぜひ観てくだされ。

エジソンのおかげで、スタちゃんやダニエルを映画館で見れることに感謝します(映写機の発明もエジソン)。

ダニエルが太っていたため、ゲスいエジソンに『ナイブズ・アウト』が負けました笑。

 

映画『エジソンズ・ゲーム』のキャスト

@『エジソンズ・ゲーム』(2017 米)

トーマス・エジソン・・・・・・・・・ベネディクト・カンバーバッチ

ジョージ・ウェスティングハウス・・・マイケル・シャノン

ニコラ・テスラ・・・・・・・・・・・ニコラス・ホルト

サミュエル・インサル・・・・・・・・トム・ホランド

マーガリート・ウェスティングハウス・キャサリン・ウォーターストン

 

【2020】ジャスミンKYOKOの映画 私的ランキング

1位・・・・『フォードvsフェラーリ』

2位・・・・『黒い司法 0%からの奇跡』

3位・・・・『バッドボーイズ  フォー・ライフ』

4位・・・・『1917 命をかけた伝令』

5位・・・・『ストーリー・オブ・マイ・ライフ わたしの若草物語』

6位・・・・『スキャンダル』

7位・・・・『リチャード・ジュエル』

8位・・・・『マザーレス・ブルックリン』

9位・・・・『エジソンズ・ゲーム』

10位・・・・『ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密』

11位・・・・『ペット・セメタリー』

12位・・・・『ライブ・リポート』

13位・・・・『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』

14位・・・・『ポップスター』