『探偵マーロウ』(ネタバレ感想)リーアム100本目として、実に惜しい映画。調査しない探偵ってあり?

こんばんは、ジャスミンKYOKOです。

リーアム・ニーソンに忠義を尽くす人間として、リーアム兄さんの出演作100本目となる、記念すべき映画『探偵マーロウ』を観てきた。

・・・こ、こんな映画が100本目になるなんて、残念すぎる!

この映画の元となった「フィリップ・マーロウ」という探偵のシリーズは人気らしいが、本当にそうなの?

探偵なのに、調査をしないし、尾行はバレバレ笑。

私は「探偵もの」と相性が悪いのだが、あの「生ぬるさ」が「探偵ものの醍醐味」と言われれば、これからも理解できかねるな・・・笑。

全編、生ぬるくて退屈だった笑。

⇧スーツ姿のリーアムはカッコいい。

1930年代の、浮かれたハリウッドを舞台にした映画。

時代背景と小道具は素晴らしかったよ!

売春宿が公然とあったり、賄賂も横行。

そんな魅力的な時代(魅力的か?笑)をせっかく描くのに、ツメが甘いというか、盛り上がりも無ければ、謎もたいしたことないという浅はかさ笑。

でも70歳過ぎても、私達のために年に3本も映画を公開してくれてるんだもんね、リーアムに感謝だ。

ムリしないでね!

映画『探偵マーロウ』の評価

私の評価★☆☆☆☆☆☆
ネタと時代背景はいいのに、話の流れが良くなかった。
観るのにオススメな人◆リーアム・ニーソンのファンの人
◆1930年代の浮かれたアメリカの時代背景が好きな人
◆探偵ものが好きな人
「探偵もの」が好きな人にオススメかは正直わからない笑
なぜなら、探偵の仕事をしないからだ笑
暴力性・残虐性★★★☆☆☆☆
車に轢かれた頭が出るがはっきり映らないので、
そこまで残虐シーンはないかな。死体はたまに出るけど、ちょっとだけ。
エロ度★☆☆☆☆☆☆
ほとんどなし。ダイアン・クルーガーの色気はムンムンですが。
感動度★☆☆☆☆☆☆
リーアムの100作品めということと、体を張ってくれることに感謝で感動しただけ。
映画は感動なし笑。

『探偵マーロウ』ストーリー

推理小説の巨匠レイモンド・チャンドラーの人気シリーズ「私立探偵フィリップ・マーロウ」を演じることをリーアム・ニーソンが切望し実現したもの。

1939年の、映画産業が爆発的に盛り上がるハリウッド。

金髪で裕福な美女のクレア(ダイアン・クルーガー)がマーロウの事務所に現れ、「疾走したかつての愛人を探してほしい」との依頼が。

捜査を続けるにあたり、さまざまな人間のウソがあからさまになっていく。

ここから先はネタバレレビューです。

『探偵マーロウ』ネタバレ感想

ちょまてよ(キムタク風)、これ、探偵ものだよね?

映画を観てる途中で、ふと思った。

なぜ、そんなことを思ったか。

それはリーアム演じるマーロウが、全然調査や聞き込みをしないからだ。

マーロウが探偵の仕事をしないのにビックリ

⇧ダイアン・クルーガー演じるクレア・キャヴェンディッシュ。

クレア(ダイアン・クルーガー)が調査の依頼を頼む時も「愛人のニコを探して」だけ笑。

調査の依頼を受けたら、いつから疾走して、どういう人物だったのか、疾走直前おかしいところはなかったのか、いつからいつまで付き合ってたとか聞くよね。

・・・聞かないのよ笑。

格好は探偵然としてるけど、なんかあまり調査しないのよね。

こ、これが名作、探偵フィリップ・マーロウ?

フィリップ・マーロウの原作が書かれた時代が、警察の機能がちゃんとしてない時代というのもあり、犯罪映画を観すぎてる私にとっては物足りなく映ったのか。

いや、もうFBI(連邦捜査局)はあったよね? 警察のシステムはもう確立していたはずだ。じゃあなんであんなに捜査が生ぬるいんだ?(マーロウはもと刑事)

ひき逃げされて人相もわからんくらいに顔がグチャグチャなら、ニコの財布を持ってたとしても別の死体を使って彼に見せかけてないか?と疑うのが捜査ってもんでしょ。

そしてそんなことは、マーロウ依然に映画を観ている我々もすぐ予想がつくわけです笑。(当時はまだDNA鑑定ないの知ってるし)

だから「そうか!なるほど!さすがマーロウ!」みたいなのが皆無笑。

私には、古典的な物語を楽しむ資格がないのかもしれん笑。

リーアムの出てた現代の探偵もの『誘拐の掟』では、ちゃんと依頼人のことも客観的に観ながら捜査をする、仕事のデキるおじさんだったのに!笑。

でも今回は、クレア⇧(手前)が「ニコは死んでないと思う。メキシコで見かけたから」というのもそのまま信じてるし。(浮気調査じゃなくて失踪事件なら、依頼人の言い分も少しは検証しなきゃ)

まず、「ニコがひき逃げで死んだと世間には思われてる」ということを知ってるくせに、捜査依頼した時に言ってない時点でおかしい。

疾走した愛人を探したい割には、捜査に協力的ではないのなら、まずはその女の身辺を洗うべきでしょ。

それをわざわざ家に行って「あなたが嘘をついてないか?」なんて聞く。

そんなこと本人に言う暇あったら、物的証拠と聞き込みするのが先よ!

なにもかもが生ぬるい。

ニコがひき逃げされたとする場所が、会員制クラブの「コバカタクラブ」(売春・ギャンブル)の目の前。

マーロウは、クラブを訪問した際、ある娼婦から話しかけられる。

それが、ニコの妹⇧だったのだけど、そんなバレバレのやりとりしてたら、支配人(ダニー・ヒューストン)が見てるって!

おかげで妹は支配人が放った刺客から惨殺される・・・。マーロウ、あんたのせいよ。

でもね、大した情報も持ってなさそうだった・・・笑。後からこの妹が何を知ってたかも解明されなかったし笑。

ねえ、探偵ものって「謎解き」が楽しいんじゃないの?

ニコの家で、彼が読んでた本をマーロウが広げて読む。

今度こそ何か謎を解き明かすのか?と期待したのに、そこに妹を殺しに来た刺客が現れ、マーロウはあっけなく殴られて気絶し、妹は連れ去られ数日後に彼女の死体が川から上がった。

いや、刺客よ、顔を見られたならマーロウを殺しておくべきじゃないのか?

どいつもこいつも・・・笑。

そして意味ありげに手に取ったニコの本も、それから一切触れられず・・笑。

もう、この辺で、この探偵に謎を解かせるのを諦めた笑。

あんなアクションなら、ない方がいい

その生ぬるい展開だけならまだしも、我々のリーアムのアクションをノロマに写す大失態をやってのける、この映画。

あのね、リーアムは70歳というのはわかってるんだよ、こっちは。

なら、細かいカット割り(細かく何枚も写したのを早く送ることで早いアクションをしてるように見せる)で、写してあげなよ!

今回は「探偵もの」ということで、プロのアクションの演出家がいなかったのかもしれないが、それにしてもひどくて、ファンの感情を逆なでする事態に笑。(特に私の・・笑)

刺客に囲まれた時、相手との間にあるテーブルをぶつけて、銃口がそれた拍子に自分が主導権を握る、というアクション映画のよくあるシチュエーション、これ大事なとこよ。

でもね、リーアムが押すテーブルの勢いが・・弱いしタイミングが遅いの笑。

あれじゃ、敵に当たるどころか、あんな間があったら撃たれちゃうでしょうが。角度を考えて写しなさいよ!(あくまでもリーアムのせいじゃなく、写し方を責めるファン心)

でもこの刺客さん、あんな遅く滑ってくるテーブルに律儀に当たってくれます笑。

ガラスケースにコレクションしてる銃を取り出す時も、アクション映画ではヒジでガラスを割る時、躊躇するのはご法度です!(何よりカッコ悪い笑)

それなのに、リーアムが「よっこいしょ」って割るのをそのまま写すんです!笑

ひどい!!リーアムをカッコ悪く写すなんて許せない!!

リーアム目当てのファンが来るから、アクションを無理やり入れたのかもしれないが、あんなアクションなら、いらんです笑。

ラスト、謎が解明しても・・・・で?

⇧ダンス止まりでホッ。やめてキスするなーーーとハラハラ。

ハリウッドの小道具係だったニコは、小道具に隠してメキシコから麻薬を運び、「コバカタクラブ」に保管し、ハリウッドで売りさばいてた。

当時のハリウッドの闇がわかる展開だが、そんなのは『BABYLON』でもあったし、たいした謎でもなく、ガッカリ。

ラストは、すべてが最初からクレア(ダイアン・クルーガー)が仕掛けたことだと分かる。

彼女がハリウッドの撮影所を自分のものにしたいがための計画だったのだ。

撮影所の経営者(クレアの母の恋人)を貶める証拠を持ってきたニコをクレアが殺したのを見ても、そのまま立ち去ったマーロウは一体・・・・。見逃すのか?

もう、これ以上語ることはなし!笑。

多分見せ方と展開の描き方が下手だったと思う。描き方によっては、言わずとしれたネタであっても面白く見せることが出来たはずだ。

記念すべき100本目なのに~。

『探偵マーロウ』煩悩だらけの映画トーク

時代の描写は、文句なしに素晴らしかった。(⇧素敵な売春宿の受付)

スペインで大きなセットを作っての大規模なロケだったらしい。

そんなにお金をかけたのなら、なおさら映画の出来がふるわないのが残念だ。

ハリウッドは、昔の道具を相当保存してるんだろうなあと毎回感じる、調度品や小道具の数々。

クラシックな車も、帽子もスーツも良かったし、リーアムの事務所の雰囲気が素敵だった。

ダイアン・クルーガーたちが着る、ウエストのキュッと締まったロングのタイトスカートや、ワンピースが素敵で、彼女たちのブロンドの波打ったボブのヘアスタイルも最高だった。(ただ出てくる女がみんな金髪のボブでわかりにくい笑)

あの時代のコスプレ大会したら楽しそうだけど、あの頃の女子みたいに50cm代の奇跡のウエストを誇る女なんて、今はほとんどいないだろうねえ。

男子もタバコをバンバン吸ってくれなさそうだし。

嬉しかったのは、最近見かけることがなくなった、誰かがタバコを持ったら向かい側の人が火をつけてあげる光景が何度も見れたこと!

それをわざわざ見るために喫煙室には行けないからね。

寒い冬に風をよけて手の中でタバコの火をつける男子の姿にキュンとしたものです。

今はタバコを吸う人を冷ややかに見る人が多い時代。

マイノリティを蔑むなと言う割には、自分と違う嗜好を持つ人をにらみつける分断の社会ってほんとイヤですわ。

タバコのポイ捨てや歩きタバコはそりゃいかんかもしれんけど、マイノリティになったからって吸ってる人を見かけるだけでイヤな顔するんじゃない!(喫煙場所で吸うならいいやんか)

外国人の調査で「日本は素晴らしいけど、住みにくい」と言われるのは、そんな「監視癖」があるからかもしれないよね。

「個人の自由」を堂々と言える世の中になったはずなのに、世の中の流れと違う人がいたら、叩く。それは「個人の自由」と逆行してないか?

「禁煙社会」になったから、喫煙者をイヤな目で見てもOKという単純思考が私は許せん。

白黒じゃなくグレーゾーンを楽しめないと日本は幼稚な国になる一方です。

さて、ダイアン・クルーガーを久しぶりにハリウッド映画で見た気がする。

『トロイ』では、美しいだけのアホな妃を演じてたが、『女は二度決断する』では迫力ある母親を演じてて、その凄みに驚いた。

今回は大人の色気が加わって、知的な光もあって魅力的になっていた。

リーアムとは『アンノウン』以来、二度目の共演。

あの頃は、リーアムにもアクションのキレがあり、ダイアン・クルーガーもかわいらしさをまだ残していた。

月日の流れを映画の中で感じるなあ笑。

今度こそ、カッコいいリーアムが観たい。

あくび連発で、マスクがびしょ濡れになりそうだったのは、もう忘れよう笑。

『探偵マーロウ』キャスト

@『探偵マーロウ(原題Marlowe)』(2023年 米・仏・アイルランド合作)

フィリップ・マーロウ・・・・・・・リーアム・ニーソン

クレア・キャヴェンディッシュ・・・ダイアン・クルーガー

ドロシー・クインキャノン・・・・・ジェシカ・ラング

フロイド・ハンソン・・・・・・・・ダニー・ヒューストン

ニコ・ピーターソン・・・・・・・・フランソワ・アルノー

【2023年】ジャスミンKYOKOの映画私的ランキング

1位・・・・・『母の聖戦』

2位・・・・・『SHE SAID その名を暴け』

3位・・・・・『ブラックライト』

4位・・・・・『THE FIRST SLAM DUNK』

5位・・・・・『対峙』

6位・・・・・『デスパレート・ラン』

7位・・・・・『フラッグ・デイ 父を想う日』

8位・・・・・『ワイルド・ロード』

9位・・・・・『探偵マーロウ』

10位・・・・・『BABYLON』

11位・・・・・『逆転のトライアングル』