『ラスト・フル・メジャー』陰謀の描写は薄いが、それでも見応え充分!こういう戦争映画を待っていた!

こんばんは、ジャスミンKYOKOです。

アメリカかぶれが、「これぞアメリカ!」という映画に久しぶりに出会って大興奮した映画です。

アジア人ヘイトや黒人ヘイトで今大変なことになっているアメリカ。

ここまでおおっぴらにならなかった差別感情の渦が、コロナとトランプ大統領により呼び覚まされ、溢れ出たアメリカの膿。

アメリカ大好き人間としては、暗いニュースばかりが飛び交うのがたまらなかったけれど、久しぶりに心が高揚する、「ああーーーーーこれが私の大好きなアメリカなのよ!」という映画に出会いました。

マスクが濡れるほど、大泣きです。

こんないい映画をもっと宣伝してほしい。2回も観に行きました!

一日に30人の小隊が全滅してしまうほど激しいベトナム戦争の真っ只中、空挺部隊(空軍)なのに自らの命を危険にさらして地上に降り立ち、大勢の陸軍の命を救った一人の英雄、ピッツェンバーガー。


⇧ウイリアム・ピッツェンバーガー(ジェレミー・アーヴァイン)。

亡くなった彼のために32年もの間、国防総省(ペンタゴン)に名誉勲章の申請をし続けた空軍の男と、彼に命を救われた男たちが戦争のPTSDに苦しみながらも彼の名誉のために証言したお話。

戦争がどれだけ人々の心を蝕むかと同時に、命がかかっている現場はどんな肩書も意味がなく、ただ仲間のためだけを思う強い絆が生まれる場でもあるということを描いてくれています。

CMやチラシでは、この勲章が却下された裏には「陰謀が渦巻く」みたいな触れ込みだったけど、正直「陰謀」の方は描写が薄いのでサスペンス性はなく、帰還兵の苦しみの方に焦点を置いた映画です。

「ラスト・フル・メジャー」という言葉は、リンカーンの名演説(人民の・・人民による・・)ゲティスバーグの演説の一節で「最後の全力を尽くして」という意味です。

タイトルもアメリカかぶれを震えさせてくれます。




ストーリー

1999年、国防総省(ペンタゴン)空軍省の官僚ハフマン(セバスチャン・スタン)は、30年以上も申請が却下され続けている名誉勲章の授与対象の軍人に、その資格があるのか調査を命じられる。

出世欲が強かったハフマンにとって、やっつけ仕事の1つだったが、ベトナム帰還兵の老人たちの話を聞いてるうちに大きく心を動かされていく。

1966年のベトナム戦争下、空軍落下傘部隊の救護兵ウイリアム・ピッツェンバーガー(ジェレミー・アーヴァイン)は、激戦区で孤立した陸軍の隊員たちの負傷兵の救助に向かった。

あまりにも激しい戦闘のため、ヘリは降下できず引き上げざるを得ない状況の中、その中隊の救護兵が負傷したことを知ると彼は命も顧みず地上に降り立ち、負傷兵の救護にあたるが、銃弾に倒れ帰らぬ人となってしまう。

証言を集めていくうちに、名誉勲章がこんなにも長い間却下され続けたことにハフマンは強い不信感を抱き始める・・・。

 

キャストを活かしきった映画。名優の熱演が素晴らしい


⇧左上から主役のハフマン(セバスチャン・スタン)、ピッツェンバーガーの父親フランク(クリストファー・プラマー)。左下タリー(ウイリアム・ハート)、右下レイ(エド・ハリス)。

2021年の年始早々観た『キング・オブ・シーヴス』は、名優の無駄遣い映画だったけど笑、今回の『ラスト・フル・メジャー』は名優たちを活かしきった映画と言える。

おじいさんたちの心に刺さる演技によって、戦争によって失ったものや、自分の中にあった醜い気持ちと向き合う辛さなどがビンビンに伝わってきて「久しぶりにこんないい映画を見れた」感激に浸れました。

この映画が、遺作になってしまったピーター・フォンダとクリストファー・プラマー。

その繊細さゆえ、戦争のPTSDがひどく、誰とも会わず昼夜逆転した生活を送っていたビルをピーター・フォンダがうまく演じていた。


⇧英雄ピッツェンバーガーの父フランクを演じる、故クリストファー・プラマー。

クリストファー・プラマー大好きだったのよね。お金持ちのおじいさんやらせたら天下一品!

こういう品があって風格の漂う紳士なおじいさんって憧れよね♪「おじいさま」って言ってみたかったわー(もちろん私は「じいちゃん」笑)。

日本の田舎の方言丸出しで下品なおじいさんたちもかわいいけどね笑。

 

ウイリアム・ハートの演技に涙しながら感じた不謹慎な思い笑


⇧ベトナム戦争戦没者慰霊碑の前の元空軍のタリー(ウイリアム・ハート左)と、ハフマン(セバスチャン・スタン右)。

亡くなったピッツェンバーガーの父母のサポートをし続け、勲章の申請を出し続けた空軍の戦友タリー(ウイリアム・ハート)。

彼に命を助けられた陸軍でもないのに、なぜそこまで出来るのか。

ハフマンがしつこく聞き続けると、「同じヘリに乗っていたのに自分は下に降りることができなかった」

友を失った悲しみと、降りる勇気がなかった自分を恥じ、亡くなった彼を見て「自分じゃなくてよかった」ととっさに思ってしまった気持ちへの罪悪感が戦争が終わって30数年もの間、彼の心を苦しめてきたのだ。

人間だから、そう思っちゃうよ。そう思えたらどんなに楽なのだろう。

自分への情けなさと腹立たしさと、人としての罪悪感と、戦争は生き残った者を終わった後も苦しめ続ける。

ハフマンにとうとう長年の苦しみを打ち明けたタリーが、ベトナム戦争戦没者慰霊碑の前で泣き崩れる。

ここで私も大泣きしながらも、ウイリアム・ハートの飛沫の多さが気になった(変なとこばかり見るな!笑)。

年取ったら唾液の管理もままならなくなるとは言うが、「セバスチャン・スタンツバかかってイヤだったろうな」なんて、泣きながらも不謹慎なことを思っていた笑。

 

エド・ハリスがスクールバスの運転手に!


⇧レイを演じるエド・ハリス。

アメリカかぶれが大好きな黄色のスクールバス。その運転手の仕事をエド・ハリスがしてるのよ!

最高!! 最初は射撃場で壊れた車を標的にマシンガンで撃ちまくる姿で登場。

ありがとう、監督!!エド・ハリスファンの気持ち、よくお分かりね♪

コロラド州に、こういう廃車を標的に撃つ射撃場がよくあるみたいだから、コロラドかしらーなんてワクワク観ておりました。

そのハードな登場から一転、仕事はスクールバスの運転手。か、かわいい!!

このおじいさんのどこが魅力なのかわからないかもしれないけれど、『ザ・ロック』での志高く愛妻家で、部下思いの海軍のハメル准将を見たらそれから全部ひいき目になると思うよ笑。

エドが演じるレイも、ピッツェンバーガーに命を救われた一人で、戦争のトラウマから抜け出せずに彼から預かった彼女への手紙を30数年も渡せずにいた。

 

サミュエルは、どんな役も出来るから素晴らしい


⇧ビリー・タコダを演じるサミュエル・L・ジャクソン。

サミュエル・L・ジャクソンは、アメコミ映画からサスペンスに、オシャレ映画ととにかく何でも出るしそつなく演じちゃう。

『ディープ・ブルー』では、出てきてすぐに巨大ザメに一口で食われた笑(役を選べよ!笑)。

今回は、ピッツェンバーガーに救われた兵の一人として証言を言う。

引き締まった体の時もあれば今回のようにお尻がさがってたるんだ感じの釣りと孫が好きなじいちゃん役もうまい。

彼は戦争時に自分のミスのせいで大勢の部下を死なせてしまったことで自分を責め続け、心を閉ざしていたため、ハフマンを最初は全く信じなかった。

彼の熱意とピッツェンバーガーの両親のため、ついに心を開く。

ベトナム戦争はアメリカ国内で反戦運動が激しく起きた戦争だったため、帰還兵はようやく国に帰れたと思ったら今度は自国民から「人殺し」と言われ差別され続けた。

ビリーもそんな差別をあからさまに受け続けた一人。

反戦運動は正しいけど、国の命令で戦った兵隊を差別するんじゃないよ!怒りは政府にぶつけろー!!

・・・と『ランボー』もベトナム帰還兵で、村人から理不尽ないじめに遭うから、それも思い出して腹立たしかった。でもそれをベトナム戦争終結後すぐに映画にしたスタちゃんは偉いわ!



アメリカかぶれのツボがいっぱい

⇧ハフマンの妻がまたよかった♪

出世街道ひた走りの夫が何やら急に目覚めて、レールを踏み外そうとしたら「なんであなたがそこまでするの!」と怒りまくる妻が多いのに、この奥さんはそんなちっちゃいことを言わない上に、ピッツェンバーガーの父母を感謝祭に招くのよ。素敵!

アメリカかぶれの弱いポイント、「感謝祭(サンクスギビングデー)」が出てくるの。私もアメリカ人に生まれ変わったら絶対七面鳥を焼くわ!(ほんとか?)

スクールバスに感謝祭、チェックのシーツのベッドがある子ども部屋、アメリカかぶれたまらんポイントが続々。

その上、国防総省(ペンタゴン)、アーリントン墓地(軍人の墓地)、ベトナム戦争慰霊碑に空軍や陸軍の軍服にベレー帽、敬礼。米軍好きにはシビレるものばかり。


⇧ワシントンDCにある「ベトナム戦争戦没者慰霊碑」。丘の壁面を利用したデザイン。


⇧これだけ亡くなった人がいるのかというほどビッシリ名前が書かれている。(約6万人)ウイリアム・ハートが泣き崩れたのはこの辺かな。


⇧慰霊碑の前だから神妙な顔で写ってる(^o^;)。顔はそうでも格好が兵を弔ってない・・(^o^;)


⇧同じくワシントンDCにある「アーリントン墓地」。アメリカの国立墓地で、ジョン・F・ケネディやベトナム戦争戦没者などが眠る。

映画かぶれは、映画に関係ある観光地には必ずでかけます笑。

だいたいこういう場所は無料なので、映画かぶれの旅行は安上がり笑。

ぜひ機会あれば行ってみてくだされ。

 

ジャスミンKYOKOの煩悩だらけの映画トーク


⇧ベトナム戦争戦没者慰霊碑から見た、ワシントン記念塔。

ベトナム戦争を描いた映画は、最近あまりないから嬉しかった。

日本の太平洋戦争と一緒で、もう当時を知る人が少なくなってきたからかもしれない。

『ランボー』が作られたのは80年代だったから、まだベトナム戦争集結から10年も経っていなかったからね。

アメリカのいい所は政府の間違った政策や戦争を、すぐに映画にしちゃえるとこ。

日本は政府を批判した映画なんてほとんどないから、その辺は一種の共産主義のようではある(日本映画界が忖度してるとも言える)。

劇中、絶体絶命の中隊が砲撃を頼む時に、味方も潰しかねない至近距離に砲撃依頼をする「デンジャー・クロース!!」(極限着弾)という言葉を言ってたので嬉しくなった。

去年見たベトナム戦争映画『デンジャー・クロース』でその言葉を知ったからだった♪

もう、とにかくラストが素晴らしすぎて涙が止まりません!!

アメリカの空軍省長官の挨拶が、もうアメリカっぽくてうまいんだよねー。日本のリーダーも、明るくて素敵なスピーチ力を身に付けたらいいと思うけどね。

もう最後は自分も映画の中で敬礼したくなります!「サー!!」

私のスマホの待受はこの映画になりました!!

 

映画『ラスト・フル・メジャー』のキャスト

@『ラスト・フル・メジャー』(2020年 米)

スコット・ハフマン・・・・・・・・セバスチャン・スタン

フランク・ピッツェンバーガー・・・クリストファー・プラマー

レイ・モット・・・・・・・・・・・エド・ハリス

ビリー・タコダ・・・・・・・・・・サミュエル・L・ジャクソン

ウイリアム・ピッツェンバーガー・・ジェレミー・アーヴァイン

ジミー・バー・・・・・・・・・・・ピーター・フォンダ

 

【2021】ジャスミンKYOKO映画私的ランキング

1位・・・・・『ラスト・フル・メジャー』

2位・・・・・『KCIA 南山の部長たち』

3位・・・・・『ヤクザと家族 The Family』

4位・・・・・『ある人質 生還までの398日間』

5位・・・・・『ビバリウム』

6位・・・・・『キル・チーム』

7位・・・・・『ミアとホワイトライオン 奇跡の1300日』

8位・・・・・『秘密への招待状』

9位・・・・・『アウトポスト』

10位・・・・・『聖なる犯罪者』

11位・・・・・『ノマドランド』

12位・・・・・『キング・オブ・シーヴズ』

13位・・・・・『AVA/エヴァ』

14位・・・・・『テスラ エジソンが恐れた天才』

15位・・・・・『カポネ』




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