『MEN 同じ顔の男たち』(ネタバレ感想)あきれ、疲れ、憤り。そんな顔のお客たちが増えそうな映画。

こんばんは、ジャスミンKYOKOです。

あきれから来る疲れと、怒りが鑑賞後に勃発する映画を観ました笑。

映画仲間内で酷評だったので、行くのやめようかなと躊躇していた。

そこへ、その仲間の1人が、「『LAMB/ラム』(ひどすぎるラストに怒りに震えた)と、『X』(ホラーと呼ぶのさえムカつく)の最悪な部分を合わせたような映画」と、うまいプレゼンをしたもんだから、逆に確かめたくなったのだ(→バカ?)。

別の映画仲間からも「自己責任で笑」と言われた笑。

ハードルはかなり下がっていたからか、2022年ワースト1には輝かずに済んだ笑。

しかし、よーこんな映画作ったな。不快感極まりない。

「何を観せられているんだ?」ラストは特にそう思った。

主人公ハーパー(女性)の前に次々と現れる同じ顔の男たち。

「同じ顔の男」を演じた、ロリー・キニアは、『スプリット』のジェームズ・マカヴォイよりも、数多く色んな人間を演じてたのだけは、評価しよう。
(マカヴォイは24人の人格といいながら実際3人分くらいしか演じてなかったからね笑)

『MEN 同じ顔の男たち』の評価

私の個人的な思考による評価です笑 星は7段階で評価します

私の評価☆☆☆☆☆☆☆
星を1つつけるのもおぞましい。
観るのにオススメな人●『LAMB/ラム』のラストが気に入った人
●A24(制作会社)の作品が好きな人
●ロリー・キニアのファン(ファンのほうが辛いかも笑)
暴力性・残虐性★★★☆☆☆☆
あれを残虐性と呼ぶのかどうかはわからんが、キモイ
描写あり。(少なくともご飯食べながら観るのは勧めない)
エロ度★★★★★☆☆
絡みシーンはないがイチモツがモザイクなしで頻繁に出る笑 女性器の描写も頻繁。 
親子、最初のデートで行くのは勧めない笑
感動度☆☆☆☆☆☆☆
皆無。

『MEN 同じ顔の男たち』ストーリー

ハーパー(ジェシー・バックリー)は数年前から夫とうまくいかなくなり、離婚を切り出す。

夫はそれを受け入れず、口論の末、彼は住まいの屋上から飛び降り、彼女はその死を目撃してしまう。

目の前で夫の死を目撃してしまった彼女は、休暇を取り、心を癒やすためロンドンから離れた田舎町の古いカントリーハウスを2週間借りることにした。

時が止まったようなこの家で1人静かに過ごすはずだったが、予期せぬ不可解な出来事が次々と起こっていく・・・。

ここから先はネタバレレビューです。

『MEN 同じ顔の男たち』ネタバレ感想

だからさ、傷口を癒やすために、「田舎」に行くのはやめましょうよ。

田舎に来たら、都会人って目立っちゃうからさ。

静かに過ごしたくても絶対聞かれるよ。

「どうして、こんな田舎に来たの?」・・・って笑。

確かに、ホラーや気味が悪い話って、停電や雨漏り多発の、田舎で不便な町じゃないと、恐怖を表すの難しいもんね。

すぐ電力が戻ったり、電波サクサクの都会じゃ、「得体の知れぬ何か」は表現しにくいのはわかってる。

まあ、そこは仕方ないとしても、この映画、「得体の知れぬ何か」を履き違えてないか・・・??

フ○チンの男を出し過ぎじゃ!!怒

美しいカントリーハウスとの対比で見せる奇妙な出来事

このカントリーハウスの管理人は詮索好きで、気味の悪い笑い方をするジェフリー⇧(ロリー・キニア)だったが、カントリーハウスの趣や雰囲気のあるインテリアに嬉しくなり、そこは気にしないことにしたハーパー。

ピアノを弾いたり、読書をしたり、森の中をウォーキングして過ごしはじめる。

ある日、ウォーキング中に、朽ちたトンネルを見つける。

やまびこのようにトンネルに向かって掛け声をかけていたら、トンネルの反対側の入り口に何者かの影が動き、こっちに向かって走ってきた・・・!!

ほんと、ここまではなんか奇妙で怖かった。

美しいイギリスの古くて歴史あるカントリーハウスと、青々と茂った森や芝生、水のきれいな小川など、今から恐怖が始まる舞台の対比として、この美しい景色と映像は素晴らしかった。

・・・なのに。

トンネルから一目散に逃げたハーパーが、方向もつかめずにたどり着いた草原。

ハーパーがホッとしていた時、彼女の背後のずっと遠くに、「白塗りの全裸の男」の姿が小さく視界に入った(ハーパーはこの時点ではまだ気づいていない)。

出た!!!変な映画とは覚悟はしていたものの、この意味不明なフ○チン男の登場の仕方に、あ然。

もうこれ以上の恐怖はなく、これから駄作への坂道を転がり落ちていくんだな、と確信した笑。

謎の白塗りのフ○チン男に、観客もハーパーもフリ回される

ハーパーは謎のフ○チン男に気づくことなく、そのまま家に帰ったが、観客の私はどっと疲れが出始めた。

あげくにそのフ○チン野郎は、ハーパーがピアノを弾く窓であったり、本を読むソファの後ろの窓からのぞいたりと、実にアクティブ笑。

彼女は全然気づいてないので観なくて済んでるが、映画を観ている我々は謎の男のイチモツを観っぱなしである笑。

いい加減、視線に気づけよ!!

観たくもないものを見せ続けられた観客のイライラが頂点に達する頃、ようやくハーパーが気づき、警察に通報・・・!!(遅いんだよ!)

男は逃げもせず、簡単に警察に捕まる笑。

・・・何が言いたいんだ、この映画は。

この警察官を演じているのも、ロリー・キニア。

後に登場する、教会の牧師や、バーのマスターもロリー・キニアが怪演している。

ロリー・キニアの頑張りは認めるが、意味不明

⇧たくさんの登場人物を演じたロリー・キニア。

歯並びやヘアスタイル、メイクなども変えてはいるが、それ以上に声やトーン、話し方や動きの癖などを変えていて、そこはすごい!と思った。

一方、ハーパーの方は、出てくる男、全員同じ顔って、いつ気づくのかと待っていたが、これが全然気づかないのよ。

同じ顔の奇妙さに踊らされてるのは、映画を観ている我々だけで、肝心の彼女はまったく気づかない。

「これの何がホラーだ!」とムカつきながらも、この映画の落とし所が予想もつかないので、眠くなることはなかった。

フ○チンの男が捕まったので、ハーパーは気分転換に教会に行くも、悩みを打ち明けた教会の神父(これもロリー・キニア)から、嫌味を言われる。

夫ジェームズとの口論の際、殴られキレたハーパーは、彼を部屋から追い出した。 

以前の関係に戻らないと悟った彼は、屋上から飛び降りた。⇧

「夫に謝る猶予を与えたのか?」と言う牧師。

いや、殴られたならキレるでしょ。

「別れるなら死んでやる!」と執拗に食い下がる夫に嫌気がさしていたが、目の前で落ちて行く彼を目撃した彼女はやはり自分を責めてしまうようになっていた。

別れの時に「死ぬ死ぬ」言うヤツはたいていの場合は死にません(口だけ笑)。特に女は死なないね笑(昔元彼につきまとってた女もこのタイプ)。

本気で死のうと思ってるヤツは黙って死にます。

男子は繊細だから、有言実行する人もいるかもしれないけどね。

ただ、こういうこと言い出すヤツって知らずに付き合うと大変。

しかもジェームズの場合、自分が目の前で死ぬことによって、ハーパーの記憶から消せない人物になろうとしてた、その精神が恐ろしいよね。

牧師は、ただ黙って話を聞いてくれると思っていたのに、ジェームズの味方のような言葉を浴びせたのでハーパーは不快になり、その場を離れる。

最悪で、不愉快な気持ちになるラスト

教会から帰る途中で、お面をかぶった中学男子(これもロリー・キニア)に出会い、「かくれんぼしよう」と誘われるが、牧師にむかついていてそんな気分じゃないハーパーは断る。

いよいよ、こんなヤツが出て来はじめて、ほんと何なんだよ、この映画は。

ハーパーは、クサクサしてバーに一杯飲みに行くも、そこで飲んでた警察官(ロリー・キニア)が、もう全裸男(ロリー・キニア)を釈放したと言う。

あんなヤツを勾留しないで、もう解き放ったと知り、この村の何もかもがイヤになったハーパー(遅いんだよ)は、ロンドンに帰ろうと足早にカントリーハウスに戻る。

そこへリンゴの木の下にフ○チン男、登場笑。

今度は、ギリシャ神話の彫刻のアソコについてるような形の葉っぱをおでこにつけている。

てめー! 隠すのはそこじゃなかろーが!!

この映画を観た後に、偶然イギリスの教会の記事を読んでいて知ったのだが、おでこに葉っぱをつけるフ○チンの男は、なんとケルト族(イギリスの北部、スコットランドの先住民)の神話に出てくるらしい・・・!

神!? 神なの!?なんと下品な・・・。

しかし、よく考えてみれば、ギリシャ神話の彫像が現代歩いてたら、そうなるか笑。

「再生、復活」を意味する象徴らしい。

ラスト、そのフ○チンの神の体のあちこちから葉っぱが生えてきて、脚が折れ、倒れ込み、男のおなかが膨れたかと思うと割れて、中からまたフリチン男が出てきた時には、そんな神話なんて知らないから(知ってたとしても)なんじゃーーーーーー何が言いたい!! キモ過ぎる!!!としか思えない。

おなかが割れ、というと響きがいいが、その割れ目は、女のアソコそのもので、出産してるような感じなのよ。

私はいいけどさ、今頃の意識高い女子が観たら、「女を、出産を、冒涜してる!」とデモでも起こしかねん、失礼な描き方だったのよ。

しかもそれを脱皮みたいに何回も繰り返すの。

生まれたかと思ったら、そのフ○チン男が立ち上がり、数歩歩いたかと思うと、おなかが膨れ、また女のアソコのような部分(大きく拡大して写す)から、頭が出てくるの繰り返し。

ハーパーが逃げる時に、フ○チン男の手をナイフで傷つけるが、その後今まで会った男に同じ傷があるのを観て、ようやく同一人物と気づく(遅すぎ!)。

最初はキャーキャー悲鳴をあげて逃げ回っていたハーパーも、次第にあきれ、その繰り返しを冷めた目で観てた。

この冷めた目が笑った。

女が男に冷めた時の目。遠い目。

もう二度とあの頃には戻らない、あきれ返った目。

あーーーー私もあの目、したことあるーーー!!!ここだけ共感して笑った笑。

別れを心に決めた時、女がする「遠い目」だったのよ笑。「あ、もう、よか」って感じの。

ハーパー、完全に冷めてて「はいはい、また生まれるんでしょ」みたいな表情で腕組みして観ていた笑。

少しは予感がしていたが、男は何度も生まれ変わり、ジェフリーになったり、牧師になったりしながら、最終的に死んだはずの夫のジェームズになったのだ!真打ち登場‼︎

白人が最後に黒人になるかよー!!

まったくわからんが、どうやら、ジェームズの「復讐」のような気がする笑。

最後のシーンで、彼女の友達が心配して車で駆けつけるが、妊娠していておなかが大きかった。

もしかしたら、彼女のおなかからフ○チン男が生まれてくるかも・・・・という予想をしたところのオチで終わった。

まだね、恨んで出てくるなら「幽霊」の方がいいよ、わかりやすいからね。

よくわからん、キモイ、不快。ただそれだけの映画であった。

『MEN 同じ顔の男たち』煩悩だらけの映画トーク

ハーパーが、カントリーハウスに来た時、たわわに実ったりんごを勝手にもいで、かじった時にちょっと予感がした、「聖書のアダムとイヴ」をなぞらえてるんだろうか?と。

その後すぐ、管理人のジェフリーが冗談交じりで「禁断の木の実を食べちゃったね」みたいなことを言ったが、やはりあのリンゴを食べたことで、「復讐」の禁断の箱を開けてしまったのだろうか。

あれを食べたことでアダムとイヴが「楽園」に戻れなかったように、ジェームズ(アダム)も奈落の底(自殺)に落ちたのなら、ハーパー(イヴ)も同じように落としたかったのかも。

そんな神話性も葉っぱをおでこにつけた白塗りのフ◯チン男が出てきたら、ミステリアスな感じなんてぶち壊しだわよ。

ロリー・キニアも、イチモツまで白く塗って体当たりの演技なんだろうが、天下の『007』で何作もダニエルと共演した後に、こんな役を引き受けなくてもいいじゃないか。

色々と考察する人は、もっと深く掘り下げてこの映画の言わんとすることを無理やりにでも探すんだろうけど、草原の向こう側にヤツを見つけた時から脱力感がハンパないし、深く考えたくもないわ(泣)。

メッセージがあるかないかなんて、どうでもいいほど、品がない笑。

このハーパー役の女優さん、イヤじゃなかったかな。撮影の間中、フ○チンのロリー・キニアとずっと一緒ってことだよね笑。

とにかく、女のアソコもどき(CG)を大写しで写すのにも、イチモツ(本物)にも、辟易しました笑。

私はメッセージあったなんて認めんぞ笑。

自己責任で観に来たので、ひどすぎた割には最下位とまでは行かず。

情報なしで行ったら危なかったね笑。

『MEN 同じ顔の男たち』キャスト

『MEN 同じ顔の男たち(Men)』(2022年 英)

ハーパー・・・・・・ジェシー・バックリー

ジェフリー・・・・・ロリー・キニア

ジェームズ・・・・・パーパ・エッシードゥ

【2022】ジャスミンKYOKOの映画私的ランキング

1位・・・・・『トップガン マーヴェリック』

2位・・・・・『マークスマン』

3位・・・・・『潜水艦クルスクの生存者たち』

4位・・・・・『渇きと偽り』

5位・・・・・『ハウス・オブ・グッチ』

6位・・・・・『流浪の月』

7位・・・・・『エルヴィス』

8位・・・・・『キングダム2 遥かなる大地へ』

9位・・・・・『アキラとあきら』

10位・・・・・『グレイマン』

11位・・・・・『バーニング・ダウン 爆発都市』

12位・・・・・『ザ・コントラクター』

13位・・・・・『スティルウォーター』

14位・・・・・『ギャング・オブ・アメリカ』

15位・・・・・『LAMB/ラム』

16位・・・・・『ジュラシック・ワールド 新たなる支配者』

17位・・・・・『クライ・マッチョ』

18位・・・・・『海上48hours -悪夢のバカンス- 』

19位・・・・・『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』

20位・・・・・『ザ・ロストシティ』

21位・・・・・『MEN 同じ顔の男たち』

22位・・・・・『ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード』