『Mr.ノーバディ』(ネタバレレビュー)そこまでブチギレるほどのエピソードが足りないのと笑いがスベりがち

こんばんは、ジャスミンKYOKOです。

『Mr.ノーバディ』を観てきた。

普通のおじさんが馬鹿にされつづけ、とうとうキレる!というCMだったので期待値ワクワク♪

しかし!!CMが一番いい出来だった!笑

コメディなのかアクション路線なのかもいまいち中途半端で、「ここ笑いどころです」というあからさまに用意された部分で笑えなかったのだ笑。

たぶん、主人公の人がコメディに合っていないんじゃないのかな。

主人公の父親役のおじいさまは、ちょっとした仕草から面白かった。

やっぱり笑いができる人とそうでない人がいるんだよね、主人公ハッチの父親役は、久しぶりに観た『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のドク博士で、ユーモアは健在だった♪

『ジョン・ウィック』の制作陣だったから、アクションはよかったけど、そのキレ方に感情移入が出来ずに置いていかれた感じ。

ブチギレるほどのフラストレーションが溜まるエピソードが足りなかった。

文句を言うためには多少ネタバレが必要なので笑、ネタバレレビューにしました♪




ストーリー

主人公のハッチ(ボブ・オデンカーク)は、毎日自宅と親戚が営む金型工場を往復する平凡な毎日を送っていた。

会社でも馬鹿にされ、家庭でも妻は自分のことを見向きもせず、息子からも尊敬されていない。

そんなある日、ハッチの家に泥棒が入る。

居合わせてしまったハッチは、応戦せずに20ドル渡しただけでそのまま見逃してしまう。

家族や近所、会社の仲間は無事を喜ぶどころか、応戦しなかったことをバカにするのだった・・・。

ハッチは、平凡な毎日のルーティンをこなしつつ、もんもんと過ごしているうちに、とうとうブチギレる・・・!!

ここから先はネタバレレビューとなります。謎多き映画でもありませんが、読まずに行った方が楽しめます。(以下ネタバレレビュー)

コメディなのかアクションなのか中途半端

出だしはよかった。

ロシア民謡「一週間」みたいに、月曜から金曜までのハッチのいかにも平凡な毎日を早送りで映す。

ジョギングにゴミ出し(必ず出し忘れる)、コーヒーを飲んで、路線バスで会社に行く。

サラリーマンなんてこんなもんだけど、なんか不満げな顔。

そこに泥棒が入って、抵抗せず20ドル渡したら逃げていったのだが・・・。

息子は騒ぎを聞きつけて飛びかかって顔を殴られ、その時ハッチはゴルフクラブを持っていたが、何もせずに終了。

もともと思春期の息子は冷ややかだったのに、この件以降「頼りない父親」としてあからさまに軽蔑した態度をし始める。

近所の人にもバカにされて、「オレだったら、ボコボコにしたのにーー」などとその場にいなかったくせにハッチをバカにする。

この映画の何がダメだったかというとフラストレーションが溜まるエピソードが足りなかったんだよね。

CM以上のエピソードがなくて、もうすでに知ってるネタなので退屈だし、これだけの理由でなぜそこまでキレるのかが共感しにくいのよ。

「そりゃーキレるよ!!わかる!!」がなかった笑。

「猫ちゃんのブレスレット返せー」と泥棒に言った時もきっと笑いどころなんだろうけど、なんかね、笑えないのよ。

思い出したけど、『ライブ・リポート』のアーロン・エッカートと一緒だ、コメディに慣れてないから、下手なんだね、たぶん。

コメディが上手い人というのは、ちょっとした表情で笑いを引き出せるのよね。

このボブ・オデンカークは、「おでん?」初めて知った俳優さんだけど、リーアム・ニーソンみたいに普通のアクション映画の方が似合いそう。

 

残酷すぎて感情移入ができない

そこまでキレていいのか。

『ジョン・ウィック』(この映画の制作陣が作ったヒット作)の時は、ジョン(キアヌ・リーヴス)が、暗殺者からカタギになってまで一緒になりたいほど愛した女が病気で亡くなり、死後に彼女からジョンに子犬が届いた。

その子犬をかわいがることで彼女の死を乗り越えようとしていたジョン。ある日彼の愛車欲しさにマフィアのバカ息子が家にまで侵入し、ジョンをボコボコにした上に愛車を奪い、生きがいだった子犬を殺して去っていった。

彼はマフィアを壊滅状態にするが、キアヌは元暗殺者だし、相手もマフィアの息子、まだこちらの方が納得する。

今回の映画は、そこまでキレる理由が納得できないのよ。

泥棒が家族を殺したならわかるけど、20ドルと猫のブレスレットを盗んだだけだし、その件でバカにされただけ。

イライラしながら乗ってたバスの中でマナーが悪い不良男子のチームを殺すのはやり過ぎ。絡まれたのは女子で自分は絡まれてないからねえ。

向こうが銃持って脅してたならまだわかるけど、肋骨折るくらいでよかったんじゃないかなあ。

その不良男子の中に一人、ロシアン・マフィアの息子が含まれていたから、彼らの一味に追われることになるのでラスト、派手に大暴れするけど、・・・うーん。

 

ドクのユーモアとキュートさは健在!

ハッチのお父さんのデビッド(クリストファー・ロイド)が一番面白かった。

いつも老人ホームでTVを観ているおじいさんなのに、ショットガン持たせたら過激!!笑。

老人ホームに侵入したロシアン・マフィアも窒息させてヘルパーさんに見つからないようにするからうまい♪

どうせなら、彼が主役でもいいくらいだ。コメディはやっぱりうまい人じゃないとツラい。

なんか、観たことあるなあ・・・と「まさか、ドク?」

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のドクの白髪のイメージが強すぎて、もうかなり年だから彼のはずがないと思っていたが、帰って調べたら本当にドクだった。

『バック・トゥ・・』は、じゃあかなり若かったのね。

82歳でショットガンをぶっぱなす・・・いいわあ!俳優って何歳になってもそんなことできるから羨ましい!!




ジャスミンKYOKOの煩悩だらけの映画トーク

一般人のおじさんが大暴れするのだろうと思いこんでいたから、早い段階で政府の人間とわかり、「なーんだ」とがっかり笑。

まあ、それはそれで気を取り直してどう見せてくれるんだ?と頭を切り替えて観たけど、主人公が単なる「愉快犯」にしか見えず、悪人の方が憂さ晴らしの犠牲になった感じに見えてとても応援ができなかった。

友達と観に行った時は、映画が面白かったら明かりがついたらすぐ「面白かったね!」とお互い口にするのだが、この日はエレベーターを使って降りて、外に出るまで二人とも言葉を発しなかった笑。


⇧このロシアン・マフィアが、急にステージで歌いながら踊りだしたシーンも制作陣が笑いどころとして作ったシーンだとは思うけど、笑えなかった。しかもこのシーン、ムダに長いのよ。

ジョン・ウィックみたいな暗殺者は、最悪しくじったら捕まる可能性があるけど、政府の影のお役人は何をしても絶対捕まらないからこそ、もうちょっとキレる理由を用意してほしかったなあ。

最後になんか続編があるように醸し出してたけど、よほどのことがない限り観に行かないだろう。世間でなぜ評判なのかがわからない笑。

『テスラ』は、まだ歴史が楽しめたからよかったけれど、今回のは『カポネ』に脱糞シーンがなかったら、最下位になってたくらいだ笑。

 

映画『Mr.ノーバディ』のキャスト

@『Mr.ノーバディ』(2021年 米)

ハッチ・マンセル・・・・・・ボブ・オデンカーク

レベッカ・マンセル・・・・・コニー・ニールセン(ハッチの妻)

ユリアン・クズネツォフ・・・アレクセイ・セレブリャコフ

デビッド・マンセル・・・・・クリストファー・ロイド(ハッチの父)

 

【2021】ジャスミンKYOKOの映画私的ランキング

1位・・・・・『ラスト・フル・メジャー』

2位・・・・・『KCIA 南山の部長たち』

3位・・・・・『ヤクザと家族 The Family』

4位・・・・・『グリーンランド 地球最後の2日間』

5位・・・・・『ある人質 生還までの398日間』

6位・・・・・『ビバリウム』

7位・・・・・『アオラレ』

8位・・・・・『キル・チーム』

9位・・・・・『ミアとホワイトライオン 奇跡の1300日』

10位・・・・・『秘密への招待状』

11位・・・・・『アウトポスト』

12位・・・・・『聖なる犯罪者』

13位・・・・・『ジェントルメン』

14位・・・・・『ノマドランド』

15位・・・・・『キング・オブ・シーヴズ』

16位・・・・・『AVA/エヴァ』

17位・・・・・『テスラ エジソンが恐れた天才』

18位・・・・・『Mr.ノーバディ』

19位・・・・・『カポネ』