『ジェントルメン』皮肉と下品な言い回しでイギリスらしさ炸裂!軽快に楽しめるけど、ちょっと惜しい!

こんばんは、ジャスミンKYOKOです。

イギリス感満載のCMに惹かれたので、ガイ・リッチー監督の映画『ジェントルメン』に行ってきた。

皮肉たっぷりと下品な会話が「あーーーこれよこれ!イギリス!!」って感じで楽しかった!!

私も「F○CK YOU!(フ○ックユー)」ってイヤな女に全開で言ってみたいわ!(変な女。良い子は使っちゃいけませんよ笑)

なんかね、俳優全員が楽しそうだった。今堂々と下品な会話を言っていいのは映画の中だけだったりするからね(なんともわびしい世の中になってきたのう)。

もうイギリス感がハンパない。パブ(BARのこと)にしても、ファッションにしても、1つ1つがね。

マシュー・マコノヒーはイギリスっぽくなかったけど、アメリカ人設定だったから納得。

イギリスで成功した大麻のビッグビジネスの最高責任者だった彼が、事業を売ろうとしたとたん、悪者が群がってくるというお話。

ガイ・リッチー(監督)のこだわりは細部まで感じられたけど、何しろストーリーがね(^o^;)。

人物紹介に時間を取りすぎて、「動き」があまりなかったのが物足りなさの原因かな。

彼の映画は、様々な伏線を物語に張り巡らして、それをラストですべて回収するというのが魅力。

今回はイギリス感を出すこだわりに力を入れすぎて、サスペンスの方は「今から面白くなってくるかも!?」とちょっと期待しはじめたところで終わってしまった。

しかも想像できる範囲で「あっと驚く裏」がなかった・・・・・・・・。

ただ、「イギリス」を楽しめることは間違いないです。

ハンチングにチェックのスーツ、貴族の宮殿に、パブにスコッチ。ギャングの街イーストエンド。

ダークサイドのイギリスがたっぷり出てきて、物語の進め方は軽快なので、サスペンスはイマイチでも楽しめますよ!




ストーリー

時価総額500億円の大麻(マリファナ)ビジネスを一代で築き上げたミッキー(マシュー・マコノヒー)が引退するため、事業を売却するという噂がイギリスの暗黒街にかけめぐる。

金の匂いに、ロンドンの悪党たちが一気に動き出す。

紳士な取引をしたい所だが、相手は悪党。

互いの裏の裏をかくやり取りが繰り広げられていく。

ミッキーの右腕レイ役にチャーリー・ハナム、ゲスなタブロイド誌に雇われてる私立探偵にヒュー・グラント、騒ぎに弟子のせいで巻き込まれるボクシングコーチにコリン・ファレルが登場。

超イギリス尽くし!皮肉たっぷり

まず、俳優陣もほとんどイギリス出身。(主役のマシュー・マコノヒーとジェイミー・ストロング、コリン・ファレル以外)

コリンはアイルランド出身だから、アメリカ英語よりは近いかもしれないけれど。

やっぱりイギリスなまりの英語じゃないと、スラング多発のこの映画は難しそうよね。


⇧スティングの娘も出ています!!

スティング(80年代イギリスロックミュージシャン)は、ガイ・リッチー監督の華々しいデビュー作『ロック、ストック&トゥースモーキング・バレルズ』に出てたらしい!気づいてない!!(もっかい観てみなきゃ)


今作はガイ・リッチーの原点回帰を目指した作品らしいから、デビュー作の気持ちを忘れないように今度はその娘ちゃんを出したのかな?

あの作品も大学生が大麻栽培をしてた話だったし、今回もミッキーはオックスフォード大在学中に大麻栽培をしてのし上がってきたというプロフィールだからちょっとつながってるのが粋だね。

⇧ガイ・リッチー作品はとにかく服装がスタイリッシュ!

マシュー・マコノヒーのスーツはフルオーダーメイドらしく、マシュー自身も気に入って盗みたくなったらしい♪

イギリスかぶれがうなる描写としては、イギリスのパブの裏から入る、暗黒街のボス専用部屋とか、もうたまりません!(私はアメリカかぶれの次にイギリスかぶれです笑)

トム・ハーディの双子ギャングの映画『レジェンド 狂気の美学』でも出てきた、イーストエンドが出てきます。レンガ造りの治安悪そうな下町。 最高!


今回は今まで犯罪映画にはあまり出てきてない新しい地区、サウスロンドンが出てくる。

ミッキーが取引先の貴族から、ヤク中の娘を取り戻すよう頼まれて引き受けちゃったもんだから、右腕のレイが困って「あそこは管轄外です!」と言っちゃうようなすさまじい場所。

ミッキーの大麻売買は大物や高級顧客しか扱ってないからうまくいってたけれど、低所得者層が絡むと大変なことになるからだ。

自分じゃあまり行けないサウスロンドンをワクワクしながら観てた♪

ダーティなイギリス、最高です!

マシュー・マコノヒーの挑戦とヒュー・グラントの復活

マシュー・マコノヒー⇧の挑戦は正解だったと思う!(上から言うな)

『ダラス・バイヤーズ・クラブ』で、HIVに感染した本人を演じるため、21キロ減量しそれまでのゴージャス感が消え別人に成り果てた彼。

その作品でアカデミー主演男優賞を受賞したけど、最初私は「そんなの求めてないよー」とか思ってた。


明るい茶目っ気たっぷりのモテ男が彼のトレードマークだったのに。

でも、それからというもの、こういう犯罪映画や、親子もの、宇宙ものからオファーが来だしたから、あの時の挑戦が成功したのねー。

一方、この映画で、私立探偵を演じているヒュー・グラント⇧もそのラブコメ路線だったけど、こんな犯罪映画に出だしたのは還暦近くになってから。

「ラブコメに長く出過ぎたのを後悔している」とインタビューで答えていた。

イメージが定着してしまったら、同じ役しか来なくなるのを恐れるのか、みんな途中からビックリするような役をする人がいるけど、ヒューはそれをしてこなかった。

で、年齢を重ねると同時にラブコメのオファーは来なくなり、仕事が激減。

引退を決意したらしいけど、そこをニコール・キッドマンに止められてアメリカのドラマに出るようになったらしい。(ニコールも美しい役しかしてこなかったから気持ちが分かったのかな)

メグ・ライアンはラブコメからセクシー路線に行こうとして失敗したから、イメージ脱却の挑戦は「吉」と出るか、「凶」と出るかわかんないから、怖いよね(^o^;)。

でもずっと年を取って後から「あの時やってたら・・」と思うくらいならやってた方がいいのかな。

やっぱり極端にそうならないように若いときから色んな役をこなしてた方がいいんだろうね・・。

ヒューは最初は編集者の役だったらしいけど、自分で演技を自撮りして、このゲスい私立探偵の方に替えてくれ!とガイに直談判したらしい。 がんばれ!ヒュー!!

今回もやってくれてるコリン・ファレル

コリン・ファレルって顔が好きじゃないけど、すごいかも笑。

主役級から、悪役、犯罪者からイケメンモテ男まで、とにかく何でも出来るし、何でもうまい。

今回も普通は出演者が着るのを嫌がりそうな、チーマーとお揃いの全身チェックのトラックスーツ(ジャージ上下のオシャレ用語笑)で出てくるのよ。

しかも、それがまた似合う笑。このチーマーたちを世話してやってるボクシングクラブのコーチ役なんだけどね。

こんなお揃いの服着たボクシングチームっている?笑。

このやんちゃなチーマーたちが、ミッキーの大事な大麻農場を荒らしてYoutubeに上げたから、さあ、大変!義理堅いコーチは事件に巻き込まれていきます。

キライキライといいつつ、この人の出る作品は好みだから観ちゃうのよねー。




ジャスミンKYOKOの煩悩だらけの映画トーク

・・・とにかくイギリス流を貫くことに凝っている。そこは素晴らしい。

でも肝心のお話が、ちょっとヒュー・グラントの解説で始まる人物紹介が長すぎて、スタイリッシュだけど、「動」の部分が少なすぎて、興奮しそこねた。

伏線の回収も、「そうだったのか!」と驚くより、想像の範囲内。

進み方は軽快で楽しかったけど、「えっ これで終わり?」的な物足りなさは否めなかった。

⇧事業を買い取る候補の大富豪のユダヤ人役のジェレミー・ストロング。

『マネー・ショート』から、この人好きで応援している♪出てて嬉しかったーー。

洋画の犯罪映画を観てると、色んな麻薬の名前が出てくるから、詳しくなっちゃう笑。

ミッキーが言う、「オレが大麻ビジネスをやってるのは、大麻じゃ死なないからいいよね」

うーん、そりゃ大麻は一番軽いやつだけどね。でもそれがクセになるともっと強いやつが欲しくなってコカイン、ヘロイン、覚醒剤と手を染めていくから入り口になっちゃう麻薬だよね。

カナダは全面的に大麻を合法にしてタバコみたいに税金を取ることにしたから闇取引は少なくなったようだけど、大麻から次の麻薬へ手を伸ばす重度のヤク中が増えそう。


⇧劇中、このテーブルを観てヒュー・グラント(左)が「これ、バーベキューグリルがテーブルについてるのか?焼いた肉がそのままここで食べれるんだ すごい!」と感心するシーンがあった。

このテーブルはガイ・リッチーが作ったもので、テーブルの真中にバーベキューグリルがあるというもの、好評だったので全世界に発売予定らしい。

こんなの、日本の焼肉屋に行ったら死ぬほどあるわい!

日本の焼き肉業界が焼肉用テーブルをパラソル付きで輸出したらバカ売れ間違いなし。

しかし、それをして欲しくない私。

欧米のバーベキュースタイルは、丸い狭いコンロで焼いた肉を運んできて外のテーブルで食べるスタイル。

その効率の悪さが私の好きな欧米なのよ・・・。便利な日本式を教えないで・・お願いよ。

色々ツッコミどころもあるし、ストーリーも今ひとつだけど、欧米かぶれの私には好きな部分はいっぱいありましたよ♪

裏の裏をかくお話なので、あまり筋書きは話せないが、どいつも事業が欲しくて、わざと不安定要素を作って安く買い叩こうとしたり、脅して奪い取ろうとしたり、とにかく卑怯笑。

全員がとにかく悪人で卑怯なので、そこが痛快で楽しかったかな。

アカデミー賞獲った『ノマドランド』よりこういうのが好きだな、やっぱり♪

映画『ジェントルメン』のキャスト

@『ジェントルメン』(2019年 英)

ミッキー・ピアソン・・・・・マシュー・マコノヒー

レイモンド・スミス・・・・・チャーリー・ハナム

ドライ・アイ・・・・・・・・ヘンリー・ゴールディング

ロザリンド・ピアソン・・・・ミシェル・ドッカリー

マシュー・バーガー・・・・・ジェレミー・ストロング

コーチ・・・・・・・・・・・コリン・ファレル

フレッチャー・・・・・・・・ヒュー・グラント

ローラ・・・・・・・・・・・エリオット・サムナー

【2021】ジャスミンKYOKOの映画私的ランキング

1位・・・・・『ラスト・フル・メジャー』

2位・・・・・『KCIA 南山の部長たち』

3位・・・・・『ヤクザと家族 The Family』

4位・・・・・『ある人質 生還までの398日間』

5位・・・・・『ビバリウム』

6位・・・・・『キル・チーム』

7位・・・・・『ミアとホワイトライオン 奇跡の1300日』

8位・・・・・『秘密への招待状』

9位・・・・・『アウトポスト』

10位・・・・・『聖なる犯罪者』

11位・・・・・『ジェントルメン』

12位・・・・・『ノマドランド』

13位・・・・・『キング・オブ・シーヴズ』

14位・・・・・『AVA/エヴァ』

15位・・・・・『テスラ エジソンが恐れた天才』

16位・・・・・『カポネ』