『プロミシング・ヤング・ウーマン』映画のタイトルの意味を知るとこの映画が深くなる

こんばんは、ジャスミンKYOKOです。

映画館のCMで気になってた『プロミシング・ヤング・ウーマン』を観てきた。

合コンやパーティで泥酔した女子をお持ち帰りして悪さする男子に復讐していくお話笑。

こういうお話は女子と行くと盛り上がるよね!(もちろん女子と行きました)。

単なるカツを入れるライトな成敗ものかと思いきや、サスペンスも秀逸で謎がだんだん解けていく感じも楽しいし、物語にも奥行きがあって、最後までワクワク楽しめました!

キュートな役柄ばかり演じてきたキャリー・マリガンが、こんな役も演じれるのよ、とイメージ脱却に成功した作品とも言えます(あいかわらずかわいいんだけどね笑)。

パンツを脱がした瞬間に真顔で「あんた、何やってんの?」と言われたら、超怖いですよね!笑。

一瞬で青ざめる男子役を引き受けた男優たちもアッパレです笑。

物語全体も色や小物にこだわっているので、スタイリッシュ。

それでいて、ただのオシャレ映画にとどまらないストーリーの奥深さと、サスペンスの運び方が秀逸で目が離せない!



ストーリー


かわいいカフェで働くキャシー(キャリー・マリガン)は、ごく平凡な生活を送っている風に周囲の人には見えた。

しかし実際はキュートな顔を活かし、夜な夜な街で泥酔したフリをして、それを狙ってお持ち帰りして悪さをしようとする男たちに復讐していく裏の顔があった。

実はほんわかしているようで、狡猾でキレ者の彼女には「プロミシング・ヤング・ウーマン(前途有望な女性)」ともてはやされた過去があったのだ。

未来の栄光を捨て、復讐に燃える彼女に何があったのか。

 

スタイリッシュかつ、テンポがよく面白い!


こういうスタイリッシュな映画って、かわいいけどサスペンスとしては生ぬるいというのが多いのだけど、これは最高でした。

ずっとかわいい役で通してきたキャリー・マリガンのおどろおどろしい表情が最高にいい!

作品自体が面白いから、彼女の長年のかわいい役柄オンリーのイメージ脱却にもかなり貢献したと思う。

ストーリーは怖いけど、それでもねキャリー・マリガンの服と働くカフェや部屋がやっぱり超カワイイの。

クラシカルなワンピースとTシャツなんかの色合いがなんとも言えないキュートさ満載。

薄いブルーやピンクに統一されていて、現代版ソフィア・コッポラの『マリー・アントワネット』※だったわ!

※ソフィア・コッポラ監督が中世のマリー・アントワネットをキュートにポップに撮った作品。ドレスや装飾品がピンクや水色で統一されていて女子に大人気だった映画。

サスペンスも復讐の回数ごとに深みを増していき、思いも寄らない展開が待っていて、最後まで飽きさせません!

長編映画を初めて撮った監督の作品とはとても思えない、うまいサスペンスです!

 

タイトルの意味を知るとより深くなる


キャリー・マリガン演じるキャシーは元々有名大学の医学部。

優秀な成績だった彼女は、前途洋々だったわけです。

彼女が働くカフェに、医学部で同級生だったライアンが偶然来て、「なんでこんなとこで働いてるの?」

彼はすぐその発言を謝りますが、医大で成績優秀だった彼女を知ってるから、無理もない。

この映画はフィクションだけど、元は実際に起こった事件から着想を得ています。

アメリカの名門大学スタンフォード大学のホームパーティで、泥酔した同級生女子を同級生の男子がはやしたてるみんなの前でレイプし、翌日彼女はゴミ置き場に放置されていたという悲惨な事件があった。

傷つけられた彼女は裁判に訴えたが、検察の6年の求刑に対し、判決はたった6か月の禁固刑。

犯人の父親の証言はひどいもので「たった20分の行為で息子の将来を台無しにされたくない」といい、こともあろうに裁判官(男性)は「前途有望な男性なので、それを考慮し量刑を決めた」と言い放ったのだ。

この裁判官の「前途有望な男性(プロミシング・ヤング・マン)」を「女子だって前途有望だ!」と皮肉ってつけたタイトルなんです。

この事件は2015年に起こったもの。最近やん!

日本よりずっと男女平等が進むアメリカでもまだこんな発言をし、不平等な裁判をする裁判官がいるというのが衝撃です。

 

男を信じないで復讐に燃えてきたキャシーが出会った彼がかわいい


⇧ライアンと出会ってウキウキなキャシー。

キャシーを好きすぎるライアンが、「好きな人が出来ると、ヨーグルトを一緒に食べるだけでより美味しく感じるね」とベッドで朝一緒に食べながら言います。

わー!!かわいい!そんなん言われたい!(アホウ)

パリス・ヒルトンの歌を2人でスーパーで歌うとこなんか、完全に恋にやられてる2人でウケます。

恋愛で周りが見えなくなるのも若い時には大事です!笑 イタイ恋愛をしよう!笑

ある程度の年齢行ったら、イタイ恋愛しようと思ってもできませんから笑。

もし別れたとしても、後からなんであんな男に夢中だったんだろ?と人生の笑いネタが1つ増えるからいいですよ笑。



ジャスミンKYOKOの煩悩だらけの映画トーク


実在の事件から作った映画というのは、だいたいがシリアスで暗くなるものが多いのだけど、あえてそこをPOPに作ったのがよかったと思う。

多くの人が気軽に映画館に出かけることが出来るし、もしかしたらデートで見る映画に選ばれるかもしれない。

レイプの裁判ものと言ったら、まず男は来たがらないからね笑。

POPでスタイリッシュな復讐サスペンスを楽しんだ後、実はこんな事件があったんだと知る方がより深い意味を感じることができると思う(実際、私もそうだった)。

色んな会社で、自分の立場を守るために不備を隠したり、他の人になすりつけたり、男同士のなあなあ人事などもいっぱい観てきた。

普通の会社でもそうなんだから、こんな高学歴だったらなおさら失うものが多すぎるので、若気の至りでやったことを隠すことに全力を尽くすんだろうね。

女子も長い間虐げられてきたけれど、こういう立場になれる女子が増えてきたら、奴らと同じように隠蔽なんかをしだすのかな。

今は動画やSNSで証拠が残る時代。

この事件の男は最低だけれど、オリンピックの音楽を担当してた人が過去の発言で降ろされた時は、「昔はいじめてたかもしれないけれど、今は違うかもしれんやん」と思った。

まあ、たしかに人をイジメるやつの根本はあまり変わらないんだけどね(同窓会で体験済)。

生まれた時から一度も間違いを犯さない人間なんているのか、と最近の風潮を観て疑問に思う。

そんな完璧過ぎる人間ばかりの世の中やったら面白くないやん。

はやしたてられたからと言って泥酔した女子をレイプするのは「集団心理」に弱い人間の証。しかし普通はなかなかその一線を超えることはできない。

その一線を超えることが出来るのは長年男子優位の世の中に慣れているからだと思う。

もともと立場が弱いと知ってたら、そんなこと死んでもしないだろうから。

セクハラされても黙ってきた女子が多いのは、訴えたところでおのれの立場の方が弱いと身を持って知ってるからだと思うな。

こういう映画を観て、卑劣な男が血祭りに上げられるのは観てて楽しいけれど、同時に最近の「品行方正主義」も気持ち悪いと思う。

今はネットで素晴らしい生き方を選択することが出来たりすると同時に、たった1つの間違いもしてはいけない揚げ足取りの現状がひどくなっていってることが怖いなあ。

それにしても久しぶりに観たキャリー・マリガンの老け具合に驚いた。(36歳)

口をへの字にするクセがあるからなのか、鼻と口の間にできるシワが気になった。

40代のシャーリーズ・セロンの方が肌が若い気がした(まあ、あの人はバケモン級に若い。これには出てないよ)。

でも、あんなかわいいワンピースを着こなせるのはキャリー・マリガンだからだけどね♪

たぶん、あんまり厚化粧したのを観たことがないから違和感があったのかな。


「映画の中の色の使い方とワンピースやインテリアがかわいいよ」とかわいいものが好きな映画女子にオススメしたら、「KYOKOさん!なんでそんなのを観に行ったんですか!?」と驚かれた笑。

「復讐モノだからに決まってるやーん」と言ったら、それを聞いていた映画好きの集まりのメンバー全員納得していた笑。

 

『プロミシング・ヤング・ウーマン』のキャスト

@『プロミシング・ヤング・ウーマン』(2020年 米)

カサンドラ・トーマス・・・・・・キャリー・マリガン

ライアン・クーパー・・・・・・・ボー・バーナム

マディソン・マクフィ・・・・・・アリソン・ブリー

スタンリー・トーマス・・・・・・クランシー・ブラウン

 

【2021】ジャスミンKYOKO 映画私的ランキング

1位・・・・・『ラスト・フル・メジャー』

2位・・・・・『KCIA 南山の部長たち』

3位・・・・・『ヤクザと家族 The Family』

4位・・・・・『プロミシング・ヤング・ウーマン』

5位・・・・・『グリーンランド 地球最後の2日間』

6位・・・・・『ある人質 生還までの398日間』

7位・・・・・『ビバリウム』

8位・・・・・『RUN』

9位・・・・・『インヘリタンス』

10位・・・・・『アオラレ』

11位・・・・・『キル・チーム』

12位・・・・・『ミアとホワイトライオン 奇跡の1300日』

13位・・・・・『秘密への招待状』

14位・・・・・『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』

15位・・・・・『アウトポスト』

16位・・・・・『聖なる犯罪者』

17位・・・・・『ジェントルメン』

18位・・・・・『ゴジラVSコング』

19位・・・・・『ノマドランド』

20位・・・・・『キング・オブ・シーヴズ』

21位・・・・・『AVA/エヴァ』

22位・・・・・『テスラ エジソンが恐れた天才』

23位・・・・・『Mr.ノーバディ』

24位・・・・・『カポネ』